残念ながら 『ベネチア国際映画祭』 で日本勢の受賞はなりませんでしたが
『ノルウェイの森』 の監督作品は今まで観たことがなかったので、この機会に観てみました。
夏至(’00)
監督は、トラン・アン・ユン
大好きな監督が、また1人増えました。
緑を基調とした映像が素晴らしい。
太陽の光に映える色鮮やかな草木、鳥のさえずり、穏やかな午後の光
濃く深い緑、透き通った水、はじけるような雨音、言葉少ないセリフ
この身を任せて、ゆらゆらと揺られてしまいそうな感覚になります。
濡れ場らしい濡れ場はないのに、映像全体が官能的
監督の感性、センスが光ってます。
濡れた長い黒髪がとても美しい。気候のせいなのか女性の髪はいつも濡れている。
これだけで、美しく艶っぽくみせるのとは・・・・・・
服の色、草花の緑、室内のインテリア、とてもみずみずしい。
緑に統一することで、映画全体の統一感を作り出している。
最初、登場人物が多くて、誰が誰? みたいになったのですが、そんなことはもういいと・・・
この流れに逆らわないでおこう、途中からストーリーを追わず、感覚だけで観るようにしてました。
実は、『青いパパイヤの香り』 がレンタル中で、しょうがなくという訳ではなかったのですが
こっちを観ることになって・・・・ こんなに感銘を受けるとは・・・・・
トラン・アン・ユンは、『映画監督』 というより 『映像作家』 と呼ばれるのが頷けます。
ベトナム、ハノイが舞台であるけど、どこか無国籍な・・・ どこか寓話的な・・・
でも、ベトナムに対する愛情は強く感じられ、優しい語り口で描かれています。
抽象的な言葉ばかりですいません。
でも、素晴らしい映画であることは伝わったと思います。
音楽もとても良かったです。
特にエンディング曲、ベトナムの国民的音楽家チン・コン・ソンだということは判ったのですが
YouTube で見つけられませんでした。予告編で勘弁してください。
母親の命日に集まった姉妹たちに、姉妹の夫の一人が、母が本当に愛していたのは父ではなく初恋の人だったと大胆な仮説を唱える…。
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