日本でも大人気のミュージカルの金字塔「レ・ミゼラブル」。
現在、北米各都市を巡る、North American Tourが開催されており、片道数時間のドライブをして観に行ってきました。
会場はこちら。
改めて記事でご紹介しますが、1929年に映画館として誕生した劇場。
思わず見上げてしまう凄いゴージャスさ!
「レ・ミゼラブル」鑑賞は、2019年のロンドン以来6年ぶり。
大好きなミュージカルの1つなので、とても楽しみにしていました。
アメリカンな客席も大盛り上がりで、「Please enjoy Les Miserables!」の開演アナウンスから、あの「ジャッジャーン、ジャン、ジャジャン♪」の出だしで、大歓声😅
いや〜、本当に心揺さぶられました。
ジャン・ヴァルジャン役のNick Cartell。
過去のツアー公演を含め、通算1500回も同役を演じているとだけあって、彼の人生を見ているとしか思えない真に迫る演技でした。
特に感動したのが、最大の見せ場とも言える「Bring Him Home (彼を帰して)」。
天への祈りと同時に、中盤の「You can take, you can give」に、虚しさや怒りといった感情までもぶつけるような激しさがあり、心揺さぶられました。
近年の世界情勢に被るものがあるな…と。
対するジャベール役のPreston Truman Boydも、かなり激情型の役づくり。
自ら正義と信じて、どこまでもヴァルジャンを追い求めて走り続けていた価値観、世界観が崩れた時の壊れ方があまりにも哀れでした。
パリの上空に煌めく星空を背景に歌い上げる「Stars」も最高!
登場時間は僅か10分程なのに、圧倒的なパフォーマンスを見せたのが、ファンティーヌ役のLindsay Heather Pearce。
「I dreamed a dreamed」が本当に素晴らしかったです。歌声もさることながら、ちゃんとファンティーヌ自身の言葉に聴こえるリアルさ。
特に冒頭の透き通るような声が、後に登場する成長したコゼットを彷彿とさせ、グッと来ました。
ファンティーヌの運命が狂わなければ、彼女もコゼットのような人生を歩めたかもしれない。
同時に、ヴァルジャンに見つけられなければ、コゼットもファンティーヌのように社会の最下層に堕ちた可能性もあるかもしれない。
そんな「if…」の世界観が見えたようで。
エポニーヌ(Jaedynn Latter)、マリウス(Peter Nereuther)、コゼット(Alexa Lopez)は、最近キャスト交代があったようで、比較的新しいメンバーでしたが、全員良かったです。
エポニーヌのパワフルな歌声が響いた「On my Own」は最高でしたし、マリウスもコゼットもめちゃくちゃ歌声が役そのものでした。
マリウスとコゼットって歌唱力は微妙でも、可愛らしさで許されるアイドル枠なのかと思ってて、ごめんなさい😅
テナルディエ夫妻も、現代の倫理コードスレスレのジョークが、アメリカの観客に大ウケ😅
ちゃんと観客がリアクションできる間を入れて回していくあたりが、上手いよな…と。
マダムが、少女コゼットの「There is a Castle on the Cloud」をバカにしてモノマネしたり、彼女を引き取りに来たヴァルジャンを誘惑したりするのが、めちゃくちゃウケてました(笑)
2019年にロンドンで観た時は、ラストで涙が止まらなかったのですが、今回は作中の世界観と自分たちが生きる世界が被りすぎたのか、逆に泣きませんでした。
でも、アンサンブルを含めて、舞台全体が圧倒されるレベルの高さ。
ネットを見ていると、今回のツアーキャストは、特に主役クラスが歴代最高レベルと評判高いようです。
カーテンコールより。
こちらのカーテンコールは一度だけなので、観客は最初から総立ち!
片道数時間の運転をしてきて、本当に良かったです。
やはり舞台からしか摂取できない潤いがあるなと。


