おなかすいたな。
でもお母さんもお父さんも
お酒のんで寝てるから起こしたら怒られる。
そうだ。おじいちゃんちに行こう!
ちょっとの着替えをリュックに詰めて男の子は、タクシーに乗ったんです。
幸い運転手さんはおじいちゃんの名前を言うとおうちを知っていてくれたので
おじいちゃんとおばあちゃんのもとへたどり着くことが出来ました。
おそらくおじいちゃんが料金を払ってくれたのでしょう。そして男の子の顔を見るなり、「お前は中に入ってろ」と言って出ていき、
おばあちゃんがごはんの用意をしてくれました。
この時男の子は、まぶたが赤黒く腫れ上がっていたんだそうです。
おじいちゃんはその日のうちに息子夫婦と話をつけ自分たちで育てると決めてくれたんだそうです。
この話を聞いたとき、なんて生きる力を持った子だったんだと思いジンとしました。リュックを背負った姿が思い浮かびいじらしくて涙が出ました。記憶ではお腹すいてたことしか浮かばないと言うけれどいろいろ想像してしまいました。
よく逃げて来たね。受け入れてくれる人がいてよかったね。
50年も前の話。
今は私の夫です。
ご両親は子育ての方法がわからなかったのかもしれない。そしてそれを誰にも言えなかったのかもしれない。
聞いてあげられる人でいたいと思っています。占い師ってそういう存在でもありたいんです。