傍にいるのが当たり前だった

 

いなくなることなど起こるはずもなかったのに

 

考えたことすらなかったのに

 

この手から零れて、消えた


 ※


心の中にぽっかりと底なしの真っ暗な大穴が開いている

 

認めたくなんてない

 

代わりに埋めてくれるものなどありそうもない

 

その大きさに戸惑い、揺れる


 ※


頬を濡らす涙

 

泣きたくなんてないのに

 

そんな弱い自分でいたくないのに

 

悲しみが結晶化しては、真珠の粒となって零れ落ちる


 ※

 

終わりのないものなんてない

 

だけど……、だけど……