ひとりイチョウ並木の遊歩道を散策する
落ち葉で黄金の絨毯と化した歩道を踏みしめ
見上げる空は両サイドの立派な幹から伸びた枝葉の黄金色が覆いつくしている
視界すべてを染める黄金の漣にしばし時を越えあの頃へと還る
「綺麗だね」
繋いだ手はいつものように少し僕の方があたたかい
なのにこんなにも僕の方が心温かになるのはなぜだろう?
全身の神経を総動員して繋いだ手の先の君を探り続ける
「また来ようね」
繋いだ手に僅かに力が籠められる
当たり前だ何年だって「また」来るさ
僕より少しだけ冷たい手を温め続けるのは僕の役目なんだから
ひとりイチョウ並木の遊歩道を散策する
約束を破ってしまったもういない嘘つきな君を想いながら