◆ 岡村隆史「風俗嬢」発言、当人は本当に反省?
   ~東京新聞記事&明石家さんまの巧妙な岡村擁護?


皆様
 こんにちは。増田です。これはBCCでお伝えしています。重複・超々長文ですが、
 黙っていられず…どうか、ご容赦を!

 ********************************
 NHKは「教養番組『チコチャンに叱られる!』からの岡村氏降板要求」拒否を明確にしました。今後も、岡村氏は何事もなかったかのように、5歳の女の子を相手に、素知らぬ顔をしてしゃべり続けるでしょう。

 NHKは5月15日の当該番組エンディングにおいて、出演継続理由を「岡村さんは、自身の発言は不適切なもので多くの人に不快な思いをさせてしまったと深く反省しています。」から、としました。
 岡村氏は、確かに「謝罪・反省フレーズ」は多数、表明してきました。
 それが「仲間内でだけ、喋ればよかったんだ。公共の電波に乗せたのがまずかった。とにかく『深く反省しています』というポーズだけは、いっぱい示そう」というのはでなく、本物の「反省」であるかどうか、それが、問題です。


 私は、岡村氏は本当には反省していない、と断定していいのではないか、と考えています。
 もし、本当に、コロナ禍で女性が困窮し、性産業で働かざるを得なくなることを「絶対おもしろいこと」と待望する女性蔑視の言葉を発したこと、「われわれ風俗野郎Aチームみたいなもんは…今、我慢して、風俗に行くお金を貯めておき…その時の3カ月のために頑張って」と性搾取・買春を扇動したことに対する反省が彼に生じていれば、恥ずかしくてならなくなり「他人に顔を見せられない」となったでしょう。
 「5歳の女の子を相手に、素知らぬ顔をしてしゃべり続けることなど、とてもできないから、出演は辞退しよう」と誰に言われなくても自主的に判断したことでしょう。

 でも、彼は違いました。週刊文春オンライン5月21日号には「NHK関係者」の言として
https://bunshun.jp/articles/-/37764
 「「NHKでは本人がラジオで謝罪していることもあり、降ろすことは考えていなかった。むしろ…岡村が精神的に追い詰められて、『辞めたい』と言い出すことを心配していました。ところが、岡村はNHK側に騒動を謝罪した上で、『番組を続けたい』と懇願したそうです。」とあります。

 「いっぱい、謝罪・反省フレーズ振りまいたし、もう、誰もが『岡村は反省している』から『これ以上追い詰めるのはイジメだ』と言ってくれるだろう…『チコちゃん』降りるのは、煩い女たちに屈服したようでメンツにかかわるし、絶対に降板なんてしないぞっ。自分から『番組を続けたい』とNHKに懇願する。それで全部O.Kだ」と高を括っているとしか考えられません。

 彼がそういうふうに思っているのではないかと考えるのは、件名東京新聞5月11日の①「ナイナイ岡村『風俗発言』 改めて女性差別考える 過度な『制裁』疑問の声も」という記事と
https://www.tokyo-np.co.jp/article/16870

 ②以下のスポーツ報知(5月30日)の明石家さんま氏の発言に見られる、実に巧妙な悪質な岡村氏擁護の展開が見られるからです。
https://hochi.news/articles/20200530-OHT1T50250.html

 ① の主な内容(下線強調は増田)

 石川さんは「セックスワークに行き着くにもいろんな理由があるが、岡村さんは、貧困が原因で選択肢がなく選ぶ人を自分の楽しみに結びつけて語った。貧困からセックスワークを選ぶのは男性よりも女性が圧倒的に多いことも分かっているはず。失言ではすまされない」と批判。

 性産業従事者の労働環境問題に取り組む民間団体「SWASH(スウォッシュ)」の要友紀子代表は一方で、「差別は岡村さんだけの問題ではない。貧困によって風俗で働く人たちを『かわいそう』と語る人たちのまなざしには職業差別の意識がある。男性も風俗で働いており、女性差別問題と矮小化しないでほしい。岡村さんは素直に謝罪した。これ以上、追い詰めるのはいじめと同じ」と指摘した。

 ラジオリポーター出身の放送作家山田美保子氏は「私は芸人さんには甘いかも」と前置きし「岡村さんを擁護はできないが、深夜ラジオという内輪感覚のある場で、つい言ってしまったのかな」とみる。
 山田氏は「…岡村さんの発言を不快に思った人がたくさんいるのは事実だろうが、発言に乗じてたたきつぶせといわんばかりの熱狂。ゆがんだ正義のようで怖い」

 ② は短い記事なので全文

 お笑いタレント・明石家さんま(64)が、30日に放送された大阪・MBSラジオ「ヤングタウン土曜日」(関西ローカル)で、ナインティナイン・岡村隆史(49)がラジオ番組での“風俗舌禍”によってMCを務めるNHK「チコちゃんに叱られる!」(金曜・後7時57分)の降板を求める抗議が殺到したことに言及。「NHKにも1万人以上が出したって我々世代では考えられない。それが正義だと思う人と、ゲーム感覚でやる人と。我々も揚げ足とられるのを覚悟でやっていかないと。残された人が色々精神的に大変なんですよ」と話した。

 「SWASH(スウォッシュ)」の要友紀子代表は問題を巧妙にスリ替えて岡村氏を擁護します。

 「貧困の結果、不本意ながら『セックスワーク(風俗嬢)』を選ばざるを得ない女性が多く存在し、性搾取をされている」という事実を問題としているのに、あるいは、未成年の少女たちが暴力によって性産業で利益を得る大人たちの食い物にされているという人権侵害の事実を問題としているのに、それを「『かわいそう』と語る人たちのまなざしには職業差別の意識がある。」と「職業差別」に、スリ替えます

 「セックスワーク」を不本意ながら生きんがために選ばざるを得ない女性が圧倒的に多い事実があるから問題としているのに、少数の男性も「セックスワーク」をしている事実をもって「女性差別問題と矮小化」などと、スリ替えます。
 少数の男性セックスワーカーも、ほとんどは貧困の結果でしょう。男性にしろ女性にしろ、「不本意なセックスワーク」は資本主義社会の構造的暴力から生み出される貧困問題と直結しているのに、そこに目がいかないようにスリ替えます。

 「これ以上、追い詰めるのはいじめ」に至って、スリ替えは極まります。
 岡村氏は多数のファンを持ち、財力も影響力もある社会的権力者ではないですか。その彼が女性差別撤廃条約(第6条)締約国は,あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとる。」に違背する発言を公共の電波に乗せたことに対して、口先謝罪だけでなく、本当に反省しているのか、その後の言動に注目し批判するのは、不当な「いじめ」ではありません。
 岡村氏をイジメの被害者に仕立てあげるような悪質なスリ替えはすべきではありません。

 放送作家山田美保子氏と明石家さんま氏もまた巧妙に問題をスリ替えて岡村氏を擁護する共通点があります。女性差別撤廃条約(第6条)に反する卑しい発言から、せめて「『5歳の女の子』を相手とする設定の、子どもも見る番組だけは降板してほしい」という要求が出されたのに…
 全ての番組降板など要求してはいません…それを「ゆがんだ正義」と決めつけたり、「ゲーム感覚でやる人」と貶めたり…さんま氏に至っては「揚げ足とられる」という歪んだ認識までもっています。

 さんま氏は5月3日には、岡村氏の誤りは「プロとして言葉のチョイスのミス」だっただけだ、という擁護もしていました。
 https://news.merumo.ne.jp/article/genre/9687380
 さんま氏は「女性軽視発言をした岡村隆史氏に対しNHK『チコちゃんに叱られる』の降板及び謝罪を求める署名活動」の文章を一度も読んだことは無いのではないでしょうか。
 あるいは、読んでも、知らない外国語のようにチンプンカンプンだったのでしょうか…岡村発言はモロに、女性の貧困問題、性産業の問題、女性への暴力の問題、即ち女性差別・人権侵害に乗ったものであったからこそ、多くの人たちから批判されたのだということをさんま氏は一度も考えたことが無いでしょう。だから、署名が「NHKにも1万人以上※が出したって我々世代では考えられない。」(※最終的に署名者は22,620人)などと驚愕するのです。

 大阪・MBSラジオ「ヤングタウン土曜日」(関西ローカル)を聞いたわけではないので、スポーツ報知の報道だけでの情報に拠りますが、さんま氏は「(岡村氏は)『言葉のチョイスのミス』をしただけなのに、ゲーム感覚で揚げ足とって、NHKにも1万人以上が(最終的署名者22,620人が、降板要求署名を)出したって我々世代では考えられない。」? わけです。

 こうして、どんなに「女性蔑視・性搾取・買春の扇動」発言をしても、私は善意だったのだけれども「不快な思いをされた方々に深くお詫び申し上げます。大変不適切な発言だったと深く反省しております。」という謝罪・反省フレーズをこれでもか、と振りまけば、NHKのように「自身の発言は不適切なもので多くの人に不快な思いをさせてしまったと深く反省しています。」と認定し、何事もなかったかのように、発言以前と変わらずマスメディアに顔を出し続けることができる日本社会は続くのです。

 署名活動を呼びかけた団体メンバーのお一人、クリスチャン・ウォーファー氏は「こういった発言は日本では受け入れられ過ぎていて、日本社会における女性を消費する姿が表されていると思う。この『文化』を変えなければいけない。」とコメントされていましたが…

 ちなみに『週刊文春 2020.5.28号』は、例の賭けマージャン東京高検検事長(当時)について、彼をよく乗せていた元ハイヤー運転手の話を掲載していました。
 「黒川さんは『このあいだ韓国に行って女を買ったんだけどさ』などと下らない話をして煙に巻いていました」

 韓国では売買春は違法なはずですけど、日本社会では「女を買う」という女性蔑視・性搾取を有名なお笑い芸人が実行・助長しても、検事長という法違反を取り締まる高位の国家公務員が実行しても、結局はお構いなし
 …「『反省』フレーズを連発すればO.K。今後は言葉のチョイスに気をつけてね」というメッセージを日本政府認定公共機関である「皆様のNHK」は発したのではないでしょうか…。

 このままで、いいですか?

 これで「女性が輝く社会」が実現するでしょうか?

 

 

パワー・トゥ・ザ・ピープル!! パート2

 今、東京の教育と民主主義が危ない!!
 東京都の元「藤田先生を応援する会」有志による、教育と民主主義を守るブログです。