阪神からＦＡ移籍したヤクルトの藤本敦士内野手（３２）が２５日、かつての同僚であるアニキこと金本のアドバイスを胸に、新天地でレギュラー奪取を誓った。
実体験に基づいた、重く貴重な言葉だった。「金本さんにチームが変わった時の心構えを教わったんです」。前日（２４日）、芦屋市内で行われた阪神関係者の結婚式の席上で説かれた“アニキの教え”は「あせるな。オレも緊張していろんな失敗をした」というものだった。
金本は２００２年オフ、広島からＦＡ移籍。０３年は勝負強い打撃で阪神に１８年ぶりのリーグ制覇をもたらしたが、注目され続ける環境に戸惑い、１９本塁打、７７打点と本来の力を発揮しきれなかった苦い経験がある。それだけに説得力のあるアドバイスだった。
藤本はこの日、埼玉・戸田の球団寮、神宮クラブハウスを相次いで訪れ、青木、田中らと顔合わせ。２６日からは神宮での自主トレも開始する。「全試合出場？ もちろん。金本さんとは試合で再会したいですね」。金言を授かった感謝の気持ちは、グラウンド上で表現する。
「道が全く分からなかった。最初、グラウンドにいってしまいました」
午後１時４５分、無事に戸田寮に着いたのだが、実は…。
「初めてだし、きれいにしてからいこうと思った」と戸田市内で愛車を洗車したまではよかったが、カーナビでは寮の場所が検索できない。仕方なく「ヤクルト戸田球場」と打ち込んでたどりついたのだが、グラウンドだった。雑然とした駐車場から関係者に電話を入れ、約５００メートル離れた戸田寮からマネジャーに迎えにきてもらって、ようやくゴールした。