「B・ジョーンズのパット⑯」に続きます。
多くのショートパットの失敗は、はなはだしい不注意から生じる。短いパットは簡単すぎて真剣かつ慎重に取り組む気になれないのだ。
しかし遊びのラウンドでごく短いパットをミスするケースは少ない。
このことはショートパットのミスが不注意よりも緊張と不安から生じるという証拠だ。
そのパットが入るか入らないかを誰も気にしていない時は造作なく沈めることが出来るが、それがモノをいう場合には、耐え難いほどの心労になる。
ショートパットのミスほど士気を阻喪させるものはない。
ティーからグリーンまでのゲーム全体が、たった一度のショートパットミスで、数ホールに亘ってめちゃめちゃになってしまうのは私は何度も見た。
一度ミスすると、次のパットは倍難しくなる。それもまた失敗に終わると、プレッシャーがますます重くのしかかって、アプローチパットが寄らなくなったり、パッティングそのものが手に余るようになる。(中略)
私はどんなパットも短いからと言って軽く見てはいけないことを、はるか昔に学んだ。雑な打ち方の愚かさも、ずっと以前から気づいている。
どれほど短いパットであっても、可能な限り細心の注意を払って処理してきた。
ボールがカップの縁に止まっているときでも、必ずスタンスをとり、ボールにアドレスしてからパットするように心がけた。
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こんなに慎重にパットに取り組んでいるボビーさんも1962年の全米オープンの、これを入れれば優勝という最後のパットを前にした時の気持ちは終生忘れないと書いておられます。
このパットはせいぜい3インチしかなかったが、このとき「パターでダフッて空振りしたらどうなる?」との考えが頭に浮かび、極度に慎重にハーフトップ気味に打って沈めたそうで、 ゴルファーはそんなとてつもないことまで考えるものだ、と。
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