悶々とした焦りの日々のなか


一番怖いマルクを行った



移植後の初マルク




マルクとは

骨髄にずぼっと針を入れ

直接、骨髄から血液を抜いてくる


血液は骨髄でつくられ、それが末梢へと送られる

いつもの血液検査だと

末梢血のようすしかわからないが

骨髄からとると、作りたて、出来たての血液のようすが見て取れるのだ


だから、末梢血にはまだ白血病細胞がいなくて

OK!な状態であったとしても

骨髄ではすでに出始めていて…なんてこともあり

そうすると、数日後か数週間後には末梢血にもやってくることになる




とにかく、マルクが、血液の実態を知るには一番いい検査だということだ





その分、患者にとっては


一番恐ろしい検査でもある




娘も、なんとか生着して

それから1カ月後くらいに、移植後、初マルクを行ったのだ





マルクの結果は


まず目視といってドクターたちが顕微鏡下で血液をみる


白血病細胞は正常な血液細胞とはまるでカタチが違うから



おかしいヤツ、は目視段階でわかるようだ




だが、目視では「大丈夫」という判定は出ない


見た目には合格でも

染色体検査をしなければ確実なことを言えないからだ






なのに


マルクが終わって

娘がまだ寝ている間に


ドクターから呼ばれてしまった





へなへなへな……と倒れそうになる



だって、このころはもう闘病生活も1年半をこえて

移植も2回も経験し


私だっていろんなことがわかっている


マルク後すぐに呼ばれるってことは

どういう意味か、なんて当たり前にわかる




でも、でも・・・・違うかもしれない




なんとかごまかしてカンファレンスの部屋に行く






「残念ながら…」


「あんなにがんばったのに・・・」



その言葉しかなかった









「来週、家に帰りましょう」


ドクターが言った



「家でのんびり楽しんでから

それから結果を伝えましょう

その頃には

染色体検査の結果も返ってきますし

それらを含めて」






外泊の日程が決まった



うれしい?


本人は喜んだ




でも・・・・私は喜べない


とはいえ、喜んでやりたい





新しい家だよ(新築ではないけれど。。。)

娘の部屋は段ボールだらけだよ

自分で片付けるんでしょ?


とりあえず、今はまだしんどいから1階で寝よう

そのうち、自分の欲しいカーテンやじゅうたんや探しに行って


娘の希望は広がっていく











娘の前では普通を装い


行き帰りの車中で思い切り泣く


家に帰ったら、下の子たちにさとられないように

元気な母さんになる





私のココロは丈夫だなあ

こんなときでも砕けないんだ


そんな風に思ってた







外泊は明日から、という段階になって



また、ドクターから呼ばれた





もううんざりだ。。。。


でも、その日変な夢を見たのだ

私はほとんど夢を見ないのだが

その日だけはなんか、夢を見た


もう具体的には覚えていないが


「大丈夫!!!」ってメッセージをもらった夢だった






「間違いでした、お母さん」


ドクターの表情が明るい



「娘さんの白血球は異型がつよくて

僕の見間違いだったようです


ごめんなさい、お母さん


染色体検査の結果、大丈夫でした」







違う意味でまた、へなへなへな……って倒れそうになった





でも、よかった


本当によかった






「だからってわけじゃないんですけど


外泊は1泊に変更してください


昨日までとは状況が違います。

大事に、大事に行かないと・・・・」




いやあ先生、それって?????




でも、とにかく初外泊


しかも、マルクの結果もOKでの外泊





娘にもマルクの結果を伝え


ルンルンで帰ってきた





とは言え、


痛みは出ないのか?

ご飯は食べられるのか?


家に帰って、普通の生活ができるのか?







不安ばかりが先立つ外泊だったが。。。