オスカーノユクエ 映画情報 -3ページ目

7/1 - 7/3 全米BoxOfficeリポート

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◇ 「7/1 - 7/3 全米BoxOfficeリポート」
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◆◆◆ チャート・アクション


1. 宇宙戦争
2. バットマン・ビギンズ
3. Mr. & Mrs. スミス
4. 奥さまは魔女
5. ハービー/機械じかけのキューピッド
6. マダガスカル
7. Rebound
8. スター・ウォーズ シスの復讐
9. The Longest Yard
10. George A. Romero's Land of the Dead



●ついに登場 「宇宙戦争」!!
宇宙戦争2

2005サマーシーズン最後の超大作「宇宙戦争」が6/29の水曜日に日米同時に封切られ、まずまずのスタートを切った。初日の興収が2500万ドルと期待をやや下回ったためその後の出足が心配されたが、週末3日間は数字が鈍ることなくほぼ同程度の集客で推移。爆発力では先発の「~シスの復讐」に劣ったが、まずは話題の超大作として面目を保つ好発進となった。


ただし、常にBoxOfficeをリードしてきた時代の先駆者、スピルバーグが放つ超大作として評価するなら、このスタートは決して満足のいくものではない。4000館規模のスタートであれば話題性の大きさからしても週末3日間で最低8000万ドルはクリアしたかったところだ。単純に数字だけの比較なら、過去のスピルバーグ作品の中では2番目にいいオープニングだが、劇場数や公開時期、露出度の高さなど総合的な判断によれば、数字ほど突出した結果とも言えない


●目標の3億ドル超えなるか!?
すでにオープニングから6日間で1億1200万ドルを売り上げており、2億ドル突破は確実な情勢だが、目標の3億ドルオーバーは決して楽観は出来ない。この週末は7/4の月曜日が独立記念日の祝日となり、興行的には大きなプラスが期待されるところだが、祝日の興収は週末に比べ30%以上のダウンとなっており苦戦を強いられている。
すでに大作の出尽くした感のあるサマーシーズン興行だけに、「宇宙戦争」がこのまま主役の座を維持できる可能性もあるが、いずれにせよ現状では3億ドル超えの野望は厳しくなったとジャッジせざるをえない。


●好調スミス、バットマン超えなるか
「Mr. & Mrs.スミス」が依然好調だ。大本命作の登場で上映館数が大幅に減少する憂き目に遭いながらも、前週比37%のダウンと下げ幅を最小限に留めた。1週遅れて封切の「バットマン・ビギンズ」がやや下降の速度を速めているため、今後もこのペースで興行が推移すれば、「~スミス」が三強の一角である「~ビギンズ」の興収を上回る事態も十分に予測される。
いずれにせよ、「~スミス」はこの夏最大のスマッシュヒット作品ということが言えそうだ。

また、先週4位の「ハービー~」は下げ幅を最小の30%に抑えて5位に踏みとどまった。スタートこそ期待はずれに終わったが、意外と息の長い興行を展開するかもしれない。


●M・ローレンスの新作は大惨敗
rebound

「バッド・ボーイズ」シリーズで人気のマーティン・ローレンス主演の新作コメディ「Rebound」が初登場で7位にランクイン。BoxOffice 1位作品を連発したかつての勢いはすでになく、本作の数字を見る限りローレンスの人気は地に落ちたと分析されても致し方ない。
批評家からの評価は当然最悪で、今後の興行に巻き返しの余地もなし。ローレンスのキャリアにとっては非常に厳しい結果となってしまった。



◆◆◆ ニュー・リリース


宇宙戦争
オスカー期待値:★★★★★
スピルバーグが現代技術の粋を集めたSF作品。視覚効果賞をはじめとした技術部門でのノミネートが期待される。視覚効果部門はEP3、キングコングとの三つ巴?


Rebound
オスカー期待値:
批評家からの評価は散々。ローレンスのもとにはクリス・ロックから励ましの小切手が送られてくるかも?


注) オスカー期待値は10個での評価となります。



◆◆◆ 次週リリース


スター不在で話題性には欠けるが、マーヴェル・コミックスの映画化ということで侮れないのが次週封切の「ファンタスティック・フォー 超能力ユニット」。3500館規模での公開が予定されており、打倒「宇宙戦争」に力こぶを作る。特撮満載の純エンターテイメント作品だけに、シンプルな勧善懲悪を好むファン層には支持されそうだ。


他、鈴木光司原作「仄暗い水の底から」のハリウッド版リメイクとなる「ダーク・ウォーター」もスタンバイ。監督は「モーターサイクル・ダイアリーズ」で高い評価を得たウォルター・サレス。主演にジェニファー・コネリーを迎え、質の高いホラーでBoxOffice席巻を目論む。「ザ・リング2」が惨敗を喫した後だけに情勢は厳しいが、果たして。


「宇宙戦争」 ★★★★

宇宙戦争

この「宇宙戦争」は間違いなくスピルバーグにとってひとつの節目となる作品だ。

理由は大きく分けて2つある。
1つは、スピルバーグがモチーフとして”敵対するエイリアン”を選んだという事実。映画人生を通して地球外生物を友好的存在として描いてきたスピルバーグだからこそ、この方向転換には大きな意味がある

劇中の台詞にもあるように、当然、根底にはテロリズムの恐怖がある。スピルバーグ自身、9.11の影響を隠そうとしない点からも、この宇宙戦争が実はかなり政治的なスタンスで語られていることが窺える。そういった観点から、物語の主軸として相変わらず家族愛が語られ、主人公がウィル・スミス的なヒーローに”成り下がる”ことのない展開には心の底から安堵感を覚える

これはスピルバーグなりの現政権批判であり反戦のメッセージであることは明らかだが、その方法として彼がずっと友達として描いてきたExtra Terrestrial たちが敵役にさせられてしまったのは悲しむべきことだろう。もちろん、スピルバーグにとってもこれは自身のイメージを大きく転換する可能性のある危険な賭けなわけで、近年のややマニュアル化された彼の作品群とは同列に語ることは出来ない



理由のもう1つは、この映画がスピルバーグにしては珍しい”後発”作品だという点だ。
「ジョーズ」に始まり、「E.T.」、「レイダース」、「ジュラシック・パーク」と常に時代を先取りしてきたスピルバーグが、すでに手垢のつき始めているエイリアン襲来モノを改めて題材に選んだことはとても興味深い。CGにより大方の映像表現が可能になってから大分経つが、その間に同系のパニック・ムービーはすでに数多く作られてきた。巷でローランド・エメリッヒ作品群との比較が論じられているように、このフィールドにおいて「宇宙戦争」は遅れてやってきた後発作品に過ぎない。


思うに、これにはスピルバーグの映画作りに対する自負がありありと表れている。今回、あえて手垢のついたジャンルに挑戦したのは、既成のCG製パニック・ムービーに異を唱え、娯楽映画の神様として正しい見本を提示しようという意図があったのではないか。
その証拠に、この「宇宙戦争」は既成のパニック・ムービーが犯してきた過ちを巧妙に回避しており、まさに正統派と呼ぶにふさわしい。


例えば、エメリッヒやマイケル・ベイら派手好きで大衆的な監督たちは、圧倒的なパワーが有名建造物を粉々に破壊するシーンを好んで取り入れた。商業映画としていい宣材になるインパクトあるシーンの数々だが、それらは映画から現実味を奪い、ついでに品位も貶めている。
また、もともと荒唐無稽な設定を付け焼刃の科学的説明で無理矢理片付けようとする愚行も犯していない。宇宙人たちがどのように地球侵略を企て、また何を目的としているのか、映画は一切の説明を意図的に拒否している。理解出来ないものが一番怖いというホラーの鉄則をよく理解したやり方だ。
加えて、スピルバーグお得意の身近なもので恐怖を演出する手法にも磨きがかかる。「ジュラシック・パーク」ではコップの水に出来る小波でT-REXの足音による振動を表現したが、今回は裏庭に干されたシーツが横一列に一斉にはためく姿で暴風を身近に感じさせた。


後発の作品であるからには、当然既成作品をはるかに凌駕する完成度が要求される。スピルバーグにはそれを成し遂げる自信があったに違いない。作品を見る限り、彼の集大成とも言えるテクニックの数々で、最高に恐ろしく、同時にワクワクするパニック・ムービーに仕上がっている。もしこの作品がエメリッヒ作品よりも下に語られるとすれば悲劇以外の何者でもない。「インディペンデンス・デイ」を基準にすれば、「宇宙戦争」はその何倍も優れた映画だ


スピルバーグはこの作品でエポックメイカーとしての自分より映画職人としての自分をアピールすることを目的とした。その目的は十分に果たされ、スピルバーグは現代でもっとも優れたフィルムメイカーの一人であることを印象付けた。ただその一方で、エポックメイカーとしての魅力は損なわれ、常に新しい時代を切り開いてきた彼に対するファンの期待は裏切られた。

今後、「宇宙戦争」が「インディペンデンス・デイ」や「ジュラシック・パーク」より多く語られることはないだろう。優れた映画だけにそのことが何より残念だが、娯楽映画に対する評価はいつでも時代の先見性に左右されるもの。この映画の誕生が10年遅かったことを嘆くしかない。

ロジャー・エバートが選ぶ年間ベスト10 ② 1971~1980

映画評論家ロジャー・エバートが選ぶ年間ベスト10の紹介。
今回は70年代です。

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● 1971年
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1. ラストショー
2. ギャンブラー
3. クレールの膝
4. フレンチコネクション
5. 日曜日は別れの時
6. パパ/ずれてるゥ!
7. 愛の狩人
8. 哀しみのトリスターナ
9. Goin' Down the Road
10. 家庭

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● 1972年
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1. ゴッド・ファーザー
2. Chole in the Afternoon
3. Le Boucher
4. 好奇心
5. みどりの壁
6. The Sorrow and the Pity
7. The Garden of Finzi-Continis
8. ミニー&モスコウィッツ
9. サウンダー
10. ミネソタ大強盗団

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● 1973年
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1. 叫びとささやき
2. ラスト・タンゴ・イン・パリ
3. The Emigrants and The New Land
4. Blume in Love
5. The Iceman Cometh
6. エクソシスト
7. ジャッカルの日
8. アメリカン・グラフィティ
9. フェリーニのローマ
10. エディ・コイルの友人たち

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● 1974年
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1. ある結婚の風景
2. チャイナタウン
3. ママト娼婦
4. フェリーニのアマルコルド
5. さらば冬のかもめ
6. The Mirages
7. アメリカの夜
8. ミーンストリート
9. My Uncle Antoine
10. カンバセーション/盗聴

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● 1975年
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1. ナッシュビル
2. ナイトムーブス
3. アリスの恋
4. さらば愛しき女よ
5. 自由の幻想
6. A Brief Vacation
7. マイ・ラブ
8. こわれゆく女
9. In Celebration
10. 狼たちの午後

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● 1976年
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1. トリュフォーの思春期
2. タクシー・ドライバー
3. ベルイマン/魔笛
4. The Clockmaker
5. ネットワーク
6. 流されて・・・
7. ロッキー
8. 大統領の陰謀
9. メル・ブルックスのサイレントムービー
10. ラスト・シューティスト

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● 1977年
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1. 三人の女
2. プロビデンス
3. レイト・ショー
4. A Woman's Decision
5. Jail Bait
6. 未知との遭遇
7. ギーレ 神の怒り
8. アニーホール
9. 恐怖の報酬
10. スターウォーズ

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● 1978年
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1. 結婚しない女
2. 天国の日々
3. ガラスの心
4. シュトロツェクの不思議な旅
5. 秋のソナタ
6. インテリア
7. ハロウィン
8. アニマル・ハウス
9. さすらい
10. スーパーマン

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● 1979年
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1. 地獄の黙示録
2. ヤング・ゼネレーション
3. ディア・ハンター
4. マリア・ブラウンの結婚
5. ヘアー
6. Saint Jack
7. クレイマー クレイマー
8. チャイナ・シンドローム
9. ノスフェラトゥ
10. テン

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● 1980年
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1. 少年の黒い馬
2. レイジングブル
3. 影武者
4. チャンス
5. 普通の人々
6. パパ
7. スターウォーズ 帝国の逆襲
8. 歌え!ロレッタ愛のために
9. アメリカン・ジゴロ
10. Best Boy

「パーフェクト・カップル」 ★★★★★

Primary Colors
 パーフェクト・カップル

何回目かの鑑賞だが、やっぱり素晴らしい傑作
マイク・ニコルズのセンスよさが随所にちりばめられていて何度見ても飽きない。

トラボルタ扮する州知事が民主党の大統領指名候補の椅子を狙ってキャンペーンを展開する様を追った物語には、単なる内幕暴露モノに留まらないドラマがある。確かに主人公とその妻のキャラクター設定には、女性スキャンダルに見舞われたばかりのクリントン前大統領をパロディにしたような安さが垣間見えるが、この作品が訴えるモラルの高尚さには現実のクリントン・スキャンダルのような低俗さは微塵もない。笑えるコメディなのにテーマは重くストレート。ニコルズ節が冴えまくる。

トラボルタがトボけた味わいで州知事を好演。夫の裏切りを知りながらキャンペーンに邁進する妻を演じたエマ・トンプソンはさすがの貫禄だ。そこにいるだけで笑わせてくれるビリー・ボブ・ソーントンの存在感も得がたく、リーディングロールとなるエイドリアン・レスターの生真面目ぶりもよい。ただ何と言っても白眉はキャシー・ベイツ。豪放にして繊細なレズの運動員という複雑なキャラクターを完璧に演じきっている。

エレイン・メイの脚本は大統領選の内幕の滑稽さを暴きながら、政治家やマスコミの間に蔓延するモラルの低下を厳しく追及する野心溢れる内容。一運動員の視点によるストーリーテリングも絶妙で起承転結が素晴らしい。台詞の端々に表れる豊富なメタファーもセンスに溢れている。このセンスある脚本を抜群のセンスを持つ監督が料理するんだから、まあ失敗するはずのない作品ということ。

ただこの作品にも我慢ならないほどセンスに欠けたものがひとつだけ。邦題。メイが劇中で非難するマスコミの低俗さそのままのタイトルに、配給会社の厚顔無恥ぶりがよく表れている

殿堂入りの映画評論家ロジャー・エバートが選ぶベスト映画 ①

ロジャー・エバート

1週間ほど前の6月23日、米国の著名な映画評論家ロジャー・エバートがハリウッドのウォーク・オブ・フェイムにその名を刻んだとのニュースがひっそりと報道された。

日本では知名度がそれほど高くないエバートだが、米国では花形評論家としてもてはやされる超有名人。75年には、映画評論家として初めて芸術批評でピュリツァー賞を受賞している華々しい実績の持ち主だ。その辛口な批評は誰に対しても媚びることを知らず、業界内には多くの敵を作りながらも、映画ファンには絶大な信頼を得ている。

一方で、70年には映画「ワイルド・パーティ」というトンデモ映画の脚本も書いている。が、これはこれまで彼が攻撃してきた映画人たちから猛反撃を食らいかねないお粗末な出来のようで、エバートにとって葬り去りたい過去のひとつであるようだ。

そんな”映画批評一筋のプロ”は一体どんな作品を好むのか。ロジャー・エバートという業界随一の評論家に敬意を表して、これまで彼が毎年発表している年間ベスト10の顔ぶれを少しずつシリーズで紹介してみる。まずは67~70年まで。



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● 1967年
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1. 俺たちに明日はない
2. ユリシーズ
3. 欲望
4. 卒業
5. わが命つきるとも
6. The War Game
7. 禁じられた情事の森
8. 暴力脱獄
9. みじかくも美しく燃え
10. 夜の大捜査線

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● 1968年
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1. アルジェの戦い
2. 2001年宇宙の旅
3. オーソン・ウェルズのフォルスタッフ
4. フェイシズ
5. The Two of Us
6. プロデューサーズ
7. オリバー!
8. The Fifth Horseman Is Fear
9. レーチェル レーチェル
10. ロミオとジュリエット


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● 1969年
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1. Z
2. アメリカを斬る
3. ウィークエンド
4. if/もしも...
5. 去年の夏
6. ワイルドパンチ
7. イージーライダー
8. 勇気ある追跡
9. 白銀のレーサー
10. 戦争と平和


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● 1970年
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1. ファイブ・イージー・ピーセス
2. マッシュ
3. 終りなき戦いの詩
4. パットン
5. ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間
6. モード家の一夜
7. Adalen 31
8. 沈黙の島
9. 野性の少年
10. サテリコン

映画「ステルス」が北朝鮮の逆鱗に触れる!?

ステルス1

◆◆ News ◆◆
今年アカデミー賞主演男優賞に輝いた米俳優ジェイミー・フォックス(37)の最新作「ステルス」(全米7月29日、日本10月公開)で、米軍のステルス戦闘機が北朝鮮を“攻撃”するシーンがあることが24日、分かった。複雑な情勢の中での公開に、各方面で論争が巻き起こりそうだ。


情報ソース スポーツ報知
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この映画「ステルス」は人工知能を搭載したステルス戦闘機が自我を持ち暴走するというパニック・アクション・ムービー。全米では7/29に公開を予定されており、ヒットが期待されている。


問題の”攻撃”シーンは、暴走するステルス戦闘機が北朝鮮上空を侵攻するというもの。姿を自在に消すことの出来るステルス戦闘機を扱う作品だけに、こうした領空侵犯が描かれることは予想されたものの、その相手が北朝鮮となれば反響は大きい

記事によると、今月上旬、米軍所有のステルス戦闘機15機が韓国に配備されたばかり。緊迫する米朝関係にさらなる緊張が走っている。ブッシュ政権は一期目で貫いた強硬路線から、ややソフトな懐柔路線に移行しているとの見方が強かったものの、今回のステルス戦闘機配備を見る限り、強硬派の勢力も今だ根強いことが推測される。こうした時期にハリウッドの大作映画が北朝鮮を刺激するようなポーズをとることで、強硬派は大喜びし、懐柔派は頭を悩ませているだろう。


ステルス2

これまでに北朝鮮を仮想敵国と描いた映画は03年の「007/ダイ・アナザー・デイ」、昨年公開の「チーム☆アメリカ/ワールド・ポリス」などがあるが、今回の映画は配給がソニー・ピクチャーズという点でより問題視される可能性がある。日本の資本が介入したことで日米タッグによる北朝鮮への圧力という解釈に発展する恐れがあり、北朝鮮の反応が気になるところだ。

6/24 - 6/26 全米BoxOfficeリポート

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◇ 「6/24 - 6/26 全米BoxOfficeリポート」
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◆◆◆ チャート・アクション


1. バットマン・ビギンズ
2. 奥さまは魔女
3. Mr. & Mrs. スミス
4. ハービー/機械じかけのキューピッド
5. George A. Romero's Land of the Dead
6. マダガスカル
7. スター・ウォーズ シスの復讐
8. The Longest Yard
9. The Adventures of Shark Boy and Lava Girl (3D)
10. シンデレラマン



●バットマンは低空飛行も首位を死守

両親を失ったトラウマに苦しむ大富豪の御曹司が、闇のヒーローとして再生を遂げるまでを丁寧に綴ったワーナー・ブラザース期待の大作「バットマン・ビギンズ」が堂々のV2を達成した。

今週封切のライバルたちが伸び悩んだ末の漁夫の利的な首位死守ではあるが、前週比45%のダウンは予想された範囲内でまずまずの興行。期待を下回ったオープニングから厳しい展開が続くのは同じだが、数字はともあれ2週に渡って首位をキープしたことの意味は大きい。ワーナーの首脳陣に対して、このダークなヒーローがまだまだ興行的な可能性を持っていることを示す材料となることが期待され、シリーズ続行にも少し希望が見えてきた。

とはいえ、このペースでは目標の2億ドルオーバーには少し足りず、最終的には「バットマン・フォーエバー」の記録した1億8000万ドルに届くのがやっとか。1億5000万ドルの巨費が投じられているだけに胸を張れる数字とは言えず、海外マーケットでも苦戦が予想されるだけに興収面での評価は厳しいものとなりそうだ



●N・キッドマン主演コメディは低調スタート
奥さまは魔女

2位に初登場はニコール・キッドマン主演で往年の人気TVシリーズをリメイクした「奥さまは魔女」。監督を務めるのはメグ・ライアン主演のラブコメでBoxOfficeでも実績のあるノーラ・エフロンで、人気女優を主演に配した今回の作品にも当然高い期待が寄せられている。

オープニング成績は2000万ドルをやや上回った程度でスタートダッシュに成功したとは言い難い。近年のキッドマン主演作との比較では、今春公開の「ザ・インタープリター」、昨年公開の「ステップフォード・ワイフ」とほぼ同等の数字ながら若干下回っている。今回の作品が最も多くの劇場を確保しているだけに誉められない数字だ。

しかし、それよりいただけないのが批評家から寄せられた壊滅的なまでの悪評だ。共演に人気のウィル・フェレル、大御所シャーリー・マクレーンなどを配しているにも関わらず、笑えない陳腐な作品と一刀両断されている。「ステップ~」のときも散々コキ下ろされたが、作品のレベルはほとんど同じと判断されているようだ。この有様では次週以降の巻き返しに期待する要素もなく、最終的には「ステップ~」の5900万ドル手前で興行を終える公算が高い。



●L・ローハン人気はやっぱりティーン限定?
ハービー

4位の「ハービー/機械じかけのキューピッド」は60年代終盤~70年代に人気を博した「ラブ・バッグ」シリーズのリメイク。主演を務めるリンジー・ローハンは今最も活躍を期待される若手アイドルで、マーク・S・ウォーターズ監督と組んだ「フォーチュン・クッキー」、「ミーン・ガールズ」が立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている。
そのローハンが自身のファン層よりも更に下の年齢層をターゲットにしたのが今回の作品で、彼女の人気がファミリー層にも浸透しているのかどうかがポイントとされていた。

結果は期待を大きく下回る低調なスタートで、ローハンの人気がやはりティーンに限定されることを露呈してしまった。パパラッチとの攻防や激ヤセ報道などゴシップ記事に事欠かない最近の私生活ぶりもディズニー映画の主役を張るには不適切だったか。ともあれ、この結果でローハンは再び今後の方向転換を余儀なくされることになりそうだ。



●ゾンビ映画のフロンティアが放つ新ゾンビ伝説が好評!
land of the dead

5位に登場は近年のホラー映画ブームに乗ってゾンビ映画の第一人者ジョージ・A・ロメロが再び放つ新ゾンビ伝説「George A. Romero's Land of the Dead」。昨年、新鋭ザック・スナイダーが発表した「ドーン・オブ・ザ・デッド」が興行的に成功を収め、乱発されるゾンビ映画にもまだまだ興行価値があることが証明されたばかり。今年に入ってもホラー映画人気は衰えを見せず、ロメロの出陣はまさに真打登場といったところ。

順位こそ5位と地味目だが、劇場数が2249館と控え目なのを考慮すれば立派なもの。1館あたりのアベレージでは4位の「ハービー~」を上回っている。批評家からも絶大な支持を集めているだけに、今後急激な落ち込みを見せることなく堅実な興行を展開しそうだ。とはいえ、観客層の限定されるジャンルだけに大きな上積みは見込めず、最終的には4000万ドル付近で興行を終えることになるだろう。



●「皇帝ペンギン」がアメリカでも人気爆発!

7月に日本でも全国拡大ロードショーが決まっている仏製ドキュメンタリー「皇帝ペンギン」が4館で限定公開され大人気となっている。渡り鳥たちの習性に迫った「WATARIDORI」がアカデミー賞候補となったこともあり、同系のこの作品には公開前から注目が集まっていたが、オープニングの人気ぶりはその注目度を改めて認識させるものとなっている。

批評家からの評価も高いこの作品が「WATARIDORI」同様オスカー候補を受けるのではとの指摘も当然取り沙汰されており、そのためにもBoxOfficeで存在感を大きくアピールしておきたいところ。公開時期のハンデさえクリアすれば、ノミネートの可能性は十分にある。



◆◆◆ ニュー・リリース


◇ 奥さまは魔女
オスカー期待値:
もともとジャンル的にはハンディキャップを背負っているが、それ以前に作品に対する評価が壊滅的で話にならず。TVシリーズのファンでも投票する気にはならないだろう。


◇ ハービー/機械じかけのキューピッド
オスカー期待値:
オリジナル全盛の時代なら視覚効果賞間違いなしだが・・・。


◇ George A. Romero's Land of the Dead
オスカー期待値:
批評家からの支持は厚いが、いかんせんオスカーとは縁のないジャンル。ロメロの功績を評価して少数の票は得られるかもしれないが。


◇ 皇帝ペンギン
オスカー期待値:★★★★★★★
目下のところ長編ドキュメンタリー賞候補の最右翼。時期的なハンデさえ克服すれば可能性は十分。


注) オスカー期待値は10個での評価となります。



◆◆◆ 次週リリース


いよいよ「宇宙戦争」の全容がベールを脱ぐ。
6月29日の日米同時公開でスピルバーグ&トム・クルーズが徹底的に機密としてきた内容が明かされる。とはいえ、日本版の予告編ではかなりのVFXシーンを披露済み。残る秘密はクリーチャーの形態くらいで、ファンの期待を一身に背負うには弱いか。
スピルバーグ&クルーズのネームバリューは絶大でヒットは確実も、期待される3億ドルオーバーにはプラスアルファがいくつも必要。まずはオープニング5日間での1億ドル超えが目標となるが、果たして。


「バットマン・ビギンズ」 ★★★★☆

バットマン

若かりし高校生時分、予告編で始めてバットマンの姿を目にしたときのインパクトは今でも忘れられない。ダニー・エルフマンのスコアがゆるやかなプレリュードから一転アレグロに変速すると、漆黒のコスチュームに身を包んだ謎の男が登場。マントを翻し、銃を持った相手を素手でなぎ倒す。あまりのカッコよさに頭の中が真っ白になった。予告編であんな興奮を味わったのは後にも先にもあれ一度きりだ。あれから十余年、新生バットマンはあの頃の興奮を呼び覚ましてくれるのか。


シューマカー版の屈辱的大失敗のおかげで一時桧舞台からの後退を余儀なくされたバットマン。8年の年月を経て満を持してのカムバックと相成った。3代目の監督に抜擢されたクリストファー・ノーランは、ビッグ・バジェット・ムービーはおろかアクション映画の経験さえない。そんな彼に超大作の監督が務まるのかという不安はチラリよぎったものの、それ以上に彼のような新しい感性がどんなバットマン像を生み出してくれるのかという期待のほうが大きかった。そしてノーランはその期待に見事応えてくれた


ただし、その成功はノーランの感性の新しさによるものではない。むしろ、ノーランの冷静な分析による現実的な判断が映画を成功へと導いた。


ノーランは、アメコミ原作のヒーローものの映像化にも関わらず徹底してリアリズムに拘るという一見大胆な賭けに打って出た。だがこの戦略は、偉大なるティム・バートン作品のスタイルに異を唱えるものでは決してなく(シューマカー版と同じ轍は踏まないという強い意志は感じられるが)、21世紀の潮流に素直に従った結果のように見える。

CGによる技術改新が進み、ティム・バートン版が製作されていた時代とは状況が一変している今のハリウッド。「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのヒットに見られるように、ファンは絵空事の中にもリアリズムを求めるようになった。映像分野の技術が発達すればするほど、ニセモノに対するファンの嗅覚は鋭くなり、根拠のないファンタジーでファンを魅了するのは難しくなった。言わば、ノーランの戦略は時代のニーズが生み出した自然な結果と捉えることが出来る。


とはいえ、夏の大作という肩書きを背負っての船出となれば、この戦略で造船にかかるのは勇気の要ることに間違いない。ハリウッドには今だ中身のないハデさだけが売りの娯楽作が蔓延しているし、LOTR型のヒットはモデルケースがまだまだ少ない。ノーランにしてみれば、LOTRの轍をなぞるのではなく、自分が大いなる先例を作るくらいの気持ちでいたに違いない。その心意気は買える


ただ、結果としてノーランが作り上げたリアルな世界は娯楽作としては実に危うい。バットマン誕生までのプロセスを丁寧に綴ったこの物語はあまりに生真面目で遊びがない。回想を織り交ぜながら上手いこと物語を進行させていくものの、中盤過ぎまでヒーローの姿をおあずけする構成は観客の忍耐力を買い被りすぎている。1度きりの鑑賞なら辛抱できるだろうが、2度目以降はこの中盤までが退屈に感じられるに違いない。夏の大作を任された以上リピーターを計算に入れるのは必須条件だが、映画を見る限りそんな計算は微塵も感じられない。しかも上映時間は141分という長尺。大胆不敵だ。

この賭けが吉と出る確率は低いと見るが、結果はどう出るか。ただ仮に結果が伴わなかったとしても、ノーランが試みた改革は評価されていい。ハリウッド式ヒットの法則という余計なフレームを外して見れば、作品は素晴らしい出来栄えだ。何度でも見たい。


肝心要のバットマン=ブルース・ウェインについて。
賛否両論分かれた初代マイケル・キートンから数えて早4代目。シリーズ中もっとも陰惨で感情の起伏も激しい主人公をクリスチャン・ベールが演じる。
ベールはプレイボーイを装うブルース・ウェインの外の顔を軽妙にこなしつつ、トラウマに苦しむ屈折した男の内面をにじませる。「アメリカン・サイコ」で演じたシリアル・キラーぶりが脳裏にある分、キリッとしたマスクの中にもどこか危うい表情が忍ぶ。加えて、アクション・ヒーローは「リベリオン」でも経験済み。若返ったバットマンを演じるのにこれほどの適任はいなかったと言っていい。

ただ、バットマンのコスチュームとの相性は初代マイケル・キートンには及ばない。あのコスチュームはハンサムなほど似合わないというのが個人的な持論(従ってジョージ・クルーニーのバットマンなんて論外)。端正なマスクのベールが演じるバットマンは確かにカッコいいが、ヒーローは変身したら素顔よりカッコよくならなければいけないという法則から外れている。その点、マイケル・キートンの変身ぶりは完璧だった。

また、バットマンとしての身のこなしもキートンが上。敵を威嚇するためのマントの使い方や、敵を嘲笑するかのように口の端だけかすかに吊り上げてニヤリとやるあたり、既成のいい子ちゃんヒーローを脱却した魅力があった。まあ今回ベールが演じたバットマンはビギナーなので、こうした余裕ある表情がなかったのは演出上の制限か。次回はぜひすごむだけじゃない余裕あるバットマンをお披露目して欲しい。


オールスター・キャストによるアンサンブルも素晴らしい。
マイケル・ケインとモーガン・フリーマンはいつも通り手堅い。何の説明もなく善玉を演じられるのだから貴重な存在だ。新鮮味には欠けるが見ていて安心感がある。また、彼らと対照的なプチ悪玉をルトガー・ハウアーが演じているのは嬉しい驚き。全盛期の危険なフェロモンは消えたが代わりに貫禄が増した。


ハッとさせられるほど素晴らしいのがトム・ウィルキンソン。ファースト・アピアランスとなるブルースとの対面シーンは出色。憎憎しげにブルースを挑発し、鼻であしらう不遜ぶりは実にグレイト。白のスーツもキマってビジュアル的にも完璧だ。人のよさそうな顔をしているが、この人は悪役が断然似合う。出番が少ないのが実にもったいない。


キリアン・マーフィもいい。あの特徴ある顔はノーランが狙うリアルな世界の住人とはかけ離れている気がするが、特殊メイクなしでタダモノでない異様な感じを出せるのはすごい。今後、同系キャラクターのオファーが殺到しそうだが、どうかキャリアを誤まらないでもらいたい


総じてノーラン版の新生「バットマン」はファンを十分に満足させてくれる作品だ。願わくば興行的にも成功を収めて続編製作にGOサインが出れば言うことない。映画のラストで匂わせたように、次なる敵となるのはあの有名キャラクターか。あぁ、何としても見たい。バットマンでなきゃ味わえない興奮をぜひもう一度・・・。

「いま、会いにゆきます」 ハリウッドリメーク決定!

13 going on 30

◆◆ News ◆◆
中村獅童(32)と竹内結子(25)が結婚するきっかけとなった、映画「いま、会いにゆきます」(土井裕泰監督)が、ワーナー・ブラザーズによってリメークされることが20日、分かった。日本版で竹内が演じた母親役を米ドラマ「エイリアス」、映画「デアデビル」などで知られる米女優、ジェニファー・ガーナー(33)が務めることも決定。来年クランクインを予定している。


情報ソース サンケイスポーツ
◆◆

なるほど、「Shall we ダンス?」に続くのはこの作品か。

日本でも大ヒットした本作、その理由は「世界の中心で、愛をさけぶ」で火がついた純愛ブームにうまく乗ったことと分析されるが、「君に読む物語」があれだけ熱狂的に受け入れられる今の全米市場なら、より大きな成功を掴むことも夢じゃない。スーパーナチュラルな要素も絡む物語も受けやすいだろう。サマーシーズン興行がひと段落したあたりの来年秋をターゲットに公開できれば言うことない。

ただ、もっとも心配される要素は主演のジェニファー・ガーナー。今春公開された「エレクトラ」でラジー賞最有力候補と目される今もっとも下り坂な女優が彼女。スランプがこの一作だけで済めばいいのだが、そう楽観視できないのがツライところ。何しろ、キャリア絶好調だったジェニファー・ロペスを奈落の底に突き落とした張本人であるベン・アフレックとアツアツ交際中なのだ。業界ではすっかり不人気になってしまったアフレックに対する風当たりはいまだ強く、その交際相手であるガーナーも目下厳しい視線の中で四苦八苦している。

「Shall we ダンス?」がロペス主演に対する逆風のあおりを受けてブレーク出来なかった実績があるだけに、ガーナーの名前にはいささかの不安を禁じえない。「13 Going on 30」でコメディ・センスを絶賛されたガーナー(当時はまだアフレックとの交際前)だけに期待感はあるが・・・。中村獅童役にアフレックなんてことになったらジ・エンド。まあ、ワーナーもそこまでバカじゃないと思うが。

日本版のファンとしては下手なリメイクにならないことを祈るばかり・・・。

6/17 - 6/19 全米BoxOfficeリポート

バットマン

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◇ 「6/17 - 6/19 全米BoxOfficeリポート」
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◆◆◆ チャート・アクション

1. バットマン・ビギンズ
2. Mr.&Mrs. スミス
3. マダガスカル
4. スター・ウォーズ シスの復讐
5. The Longest Yard
6. The Adventures of Shark Boy and Lava Girl (3D)
7. The Perfect Man
8. シンデレラマン
9. The Sisterhood of the Traveling Pants
10. The Honeymooners


2005サマーシーズン3強の一角と目される「バットマン・ビギンズ」がいよいよ公開。日米でほぼ同時の封切ということですでに鑑賞済みのファンも多いだろうが、気になる興行の結果はいかに?


全米では水曜初日ということもあり、週末3日間の興収は先週の「Mr.&Mrs.スミス」の5100万ドルに届かない4600万ドル超に留まった。この数字は今年に限れば3番目に高く申し分ないスタートのようにも見えるが、やはり期待の大きな作品だけにやや不発という感を拭えない。

初日から日曜までの5日間興収は史上35番目の記録という平凡なもので、最低でも9000万ドルラインを期待していたであろうワーナーにとっては満足のいくものではなかったはずだ。5日間で7000万ドルを超える興収をあげた作品はかなり高い確率でトータル2億ドルオーバーを達成しているが、一方で激戦のサマーシーズンを生き残れずに1億ドルそこそこに寿命が尽きてしまった作品もある。
「~ビギンズ」がどちらの運命を辿るかは次週の持続力にかかってくるが、作品を見る限り今後の展開に楽観的な予測は出来ない


物語がダークで観客層を選ぶこのシリーズは、記録的ヒットとなった第一作を除けば、息の長い興行を展開することが出来なかった。今回の「~ビギンズ」も監督のクリストファー・ノーランがこだわったリアリズムが全編を通して徹底されているため、ダークな雰囲気はシリーズ屈指といっても過言ではない。批評家も認めているように映画の出来は素晴らしいが、イコール客を呼べる作品という図式が成り立つわけではなく、シリーズ特有の暗いイメージが今後は大きな足枷になることは避けられそうもない。


3強最後の一角である「宇宙戦争」封切までに後10日ほど猶予があるが、その前に首位を明け渡すようなことがあれば2億ドル超えは厳しくなるだろう。ちなみに次週封切が予定されているのはリンジー・ローハン主演の「ハービー/機械じかけのキューピッド」」とニコール・キッドマンの「奥さまは魔女」の2本。爆発的な興行力を持つライバルではないが、この2作を凌駕する数字を残すのは現時点では難しいと言わざるを得ない。
最終的にはバジェットの1億5000万ドルは回収できるだろうが、ワーナーが満足するような数字を残すのは難しいかもしれない。


先週トップの「Mr.& Mrs. スミス」はまだまだ好調をキープ。前週比46%のダウンはオープニングが出来すぎなので仕方なし。すでに1億ドル超えにリーチをかけており、今後どこまで数字を伸ばせるか期待が寄せられる。ブラピ、ジョリーともどもキャリア最高のヒット作となる可能性も出てきた。結果はどうあれ、この作品が2人のスターパワーを押し上げることになるのは間違いないだろう。


7位に初登場はヒラリー・ダフ主演の恋愛コメディ「The Perfect Man」。ライバルのリンジー・ローハン主演作とのバッティングを避けて(?)1週早い封切も、大方の予想通りそこそこの数字しかあげられず冴えないスタート。とはいえ、ダフ主演作としては可もなく不可もなくといったところで、安いコストを回収するだけの能力はありそうだ。



◆◆◆ ニュー・リリース


バットマン・ビギンズ
オスカー期待値:★★★★
プロダクション・デザインは秀逸で、ティム・バートン版とは全く違った魅力でファンを虜にする。美術賞をはじめとした技術部門での活躍は大いに期待していい。ただし、興収が1億8000万ドルを割り込むようなら黄信号。


The Perfect Man
オスカー期待値:
ラジー賞で会いましょう。


My Summer of Love
オスカー期待値:★★★
昨年、イギリス国内の映画賞で高い評価を獲得していた本作。助演のパディ・コンシダインを初めとする出演者たちの演技に絶賛が集まっている。オスカーは厳しいだろうが批評家賞で言及される可能性はあり。


注) オスカー期待値は★10個での評価となります。



◆◆◆ 次週リリース


さて次週は3本の話題作がスタンバイ。


首位スタート最右翼はブエナビスタ配給のファミリー向けコメディ「ハービー/機械じかけのキューピッド」。60年代終盤~70年代に人気を博した「ラブ・バッグ」シリーズのリメイクで、主演を務めるのはティーンに人気のリンジー・ローハン。ファミリー層の人気を全てアニメに奪われている現在のBoxOfficeでどれだけ存在感を示せるか。また、リンジー・ローハンの興行力がこのジャンルで威力を発揮できるかにも注目。


アイドルには負けられないとばかりにオスカー女優ニコール・キッドマンも新作コメディで勝負に出る。往年の人気TVシリーズの映画化となる「奥さまは魔女」のリメイクでスマッシュヒットを飛ばせるか。監督はノーラ・エフロン、共演にウィル・フェレルとヒットの要素は備えている。


他、ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ・ムービー「Land of the Dead」もスタンバイ。好調な稼動を続けるホラー映画だけに2強を食って首位スタートという番狂わせも。