7/29 - 7/31 全米BoxOfficeリポート | オスカーノユクエ 映画情報

7/29 - 7/31 全米BoxOfficeリポート

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◇ 「7/29 - 7/31 全米BoxOfficeリポート」
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◆◆◆ チャート・アクション


1. Wedding Crashers
2. チャーリーとチョコレート工場
3. Sky High
4. ステルス
5. Must Love Dogs
6. ファンタスティック・フォー/超能力ユニット
7. アイランド
8. Bad News Bears
9. 宇宙戦争
10. 皇帝ペンギン



●ついにWedding Crashersが天下獲り!
T・バートン製ビッグバジェット・ファンタジーの前に2週連続で2位の座に甘んじていたものの、批評家・ファン双方から熱い支持を受けて高稼働を続けていた「Wedding Crashers」が3週目にしてついにTopに躍り出た。
今週末封切のライバルがそろって今ひとつの成績に終わったことに助けられたというよりは、この抱腹絶倒コメディの勢いがライバルたちの出鼻をくじいたとする見方が妥当だろう。実際、好評を受けて「Wedding~」は100館規模で上映館を増やしており、ニューリリース作品に大きな痛手を与えている。それでもようやく3000館をわずかに超えた程度なのだが、クチコミでにわかに広がりつつあるこの良質コメディの存在が市場の話題を独占していることは間違いなさそうだ。
今週末の興収は前週比わずか20%減で2000万ドルを超える相変わらずの絶好調ぶり。軽々と1億ドルを突破し、勢いはまだまだ衰える気配はない。


●初登場組の争いは「Sky High」に軍配
ニューリリース3作による熾烈な争いに競り勝ったのは、3位に初登場の「Sky High」。3000館に満たない規模ながら、本命「ステルス」を堂々とうっちゃって見せた。アベレージもそこそこ優秀で、批評家からの反応も悪くない。今後の躍進にも期待が持てそうだ。
ヒーローである両親のもとに生まれてしまった若者がアイデンティティに悩む様をコメディタッチで描いた本作は、もともとはTVシリーズとして発案されたもののようで、作品がこのままヒットを続けるようなら続編またはTVシリーズ化という選択肢も用意されるかもしれない。


sky high

●無敵ステルス機は無残にも撃沈!
今週の目玉とされていたソニー・ピクチャーズの「ステルス」が思わぬ地上砲火を受けて撃墜された。つい先日、軍用機まで登場するド派手なプレミアを行って必勝を期したばかりの「ステルス」だったが、ファンの興味を惹くことは出来なかったようだ。3400館を超える公開規模で1400万ドル弱という数字は、先週の「アイランド」に続く大惨敗。この異常事態にハリウッドが激震しているのは間違いない。
昨年に比べ沈静化している2005年の市場において、「アイランド」と「ステルス」の2本は、市場の停滞を象徴する作品と言える。この2本のアクション巨編にファンがNOを突きつけた事実を、ハリウッドは深刻に受け止めなければならないだろう。
危惧されるのはこの2本がともに興行実績のあるスターを欠いた作品であることで、ハリウッドが失敗の原因をそこに求めた場合、これまで以上にスターの存在感が表に出た似たり寄ったりの作品が市場にあふれる可能性がある。

ステルス


●D・レイン×J・キューザックのロマコメが5位
Top10にランクインした3作のニューリリース中、もっとも優秀なアベレージをたたき出したのが5位にランクインの「Must Love Dogs」だ。主演のダイアン・レインは前作「トスカーナの休日」でも興行的に健闘しており、なかなか集客力のあるところを見せている。子役時代から活躍を続ける彼女だが、実は隠れたスターという見方が出来るかもしれない。
今回の主演作では同様に堅実なヒットを飛ばすジョン・キューザックとのコンビで、2人の地味ながら確実な集客力が確かな効果を生んだようだ。批評家からの評価は賛否半々だが、主演2人の手堅いパフォーマンスについては賛辞を寄せる媒体が多く、興行的にも息の長いところを見せる可能性もある。


Must Love Dogs

●注目のドキュメンタリー2本
先週、上映館数を増やして10位にランクインしていた「皇帝ペンギン」が今週も高稼働を続け、Top10内を死守した。今週はさらに上映館数を増やして興収の上積みに成功しており、ドキュメンタリーとしては異例のヒットということになりそうだ。
他注目は、21位にランクインの「The Aristocrats」。100人のコメディアンが卑猥なジョークを繰り返すこのドキュメンタリーは、米大手映画館チェーンのAMC Theatresから上映差し止めの決定を下すなど問題作として話題を呼んでいた。どうにか全米公開にこぎつけ、ふたを開けてみれば予想通りの大ヒット。関係者は笑いが止まらないだろう。アベレージは驚きの1館あたり6万ドル。この数字は今週トップの「Wedding Crashers」の約10倍に当たる。当然、NC-17指定のこの作品が拡大公開されても同様のアベレージを記録することは難しく、限定公開で話題を独占し、DVDで儲けるという方法が最も確実かと思われる。



◆◆◆ ニュー・リリース


Sky High
オスカー期待値:
批評家の反応は上々も軽いタッチのコメディ。ジャンル的にオスカーでの出番はなし。


ステルス
オスカー期待値:
これだけ評判がよろしくないと、唯一評価されている視覚効果の分野でもお呼びの声はかかりそうもない。ジェイミー・フォックスはラジー賞有力候補?


Must Love Dogs
オスカー期待値:
前評判ほど評価されず。もともとジャンル的な不利もあり、そこそこの批評にそこそこの興行ではアピールポイントもなく厳しい。


The Aristocrats
オスカー期待値:★★★
あまりにキワどい内容と噂されるだけにアカデミー会員がこぞってこれを取り上げるかは疑問。話題性は豊富なので可能性はあるが、アンチ派も少なくなさそうだ。


注) オスカー期待値は10個での評価となります。



◆◆◆ 次週リリース


大作の公開ラッシュが終り、サマーシーズンもこれにて幕。
しばらくはローバジェットの小品にもBoxOfficeでの活躍の場が増えそうだ。


次週No.1デビューを目指し大規模公開されるのが「The Dukes of Hazzard」
「アメリカン・パイ」シリーズのスティフラー役でおなじみのショーン・ウィリアム・スコットと「ジャッカス」のジョニー・ノックスヴィルのコンビが田舎町で繰り広げる大騒動を描いたコメディだ。MTVアワード授賞式でも揃って登場し、宣伝に勤しんでいただけに若年層へのアピールは問題なさそう。


昨年のカンヌ映画祭に出品され話題を呼んだ「2046」も公開予定。カンヌでは無冠に終わったが、タランティーノなどファンの多いカーウァイ作品だけに批評家からの支持が厚ければオスカー戦線に名乗りをあげることも可能。


また、今年のカンヌで高評価を得た「Broken Flowers」も公開。インディペンデンス色の強いジャームッシュがついにアカデミーに受け入れられるときがくるのか、まずは批評家の反応に注目したい。