アトレー スピーカーの音質アップ
今日ご紹介する1台は、昨日の宇部店の完成車から、ダイハツのアトレーです。
オーディオレス車にカロッツェリアの楽ナビが装着された状態で入庫となって、
ベーシックパッケージの取付と、ベーシック防振とセメントコーティングの施工の、
トリプルパッケージの作業を行いました。
まずはドアの内張と防水シートを外して、ベーシック防振の施工を行います。
ベーシックですから純正の16センチスピーカーはそのまま使用します。
「純正スピーカーは音が悪いから使い物にならない!」と多くのショップが言われるなか、
あえて純正を使っているのは市販のトレードインスピーカーがあまりに音色が明るく、
周波数特性もここの周波数を上げてここの周波数を下げてを行ってメリハリを付けていて、
パッと聴き良く聴こえても実際の音楽と違う音色を聴かされている訳で、
これは音の出るカーアクセサリーで音楽を正確に聴く物ではなく、
音色が正確なスピーカーはそれなりの値段がするので、
そこで音がこもって聴こえる純正スピーカーをこもらない様にして聴ける様にしたのがベーシックパッケージです。
何も貼ってないドアの鉄板を指ではじいて響かせて、響きの中心と響く周波数を特定して、
4種類の共振点の違う防振材を貼り合わせます。
外した内張はプラスチックが薄くてポコポコ響くのので、セメントコーティングで響きを無くします。
意図的にランダムに厚い薄いを作って、ドアが重たくならない割に振動が消える様に工夫しています。
2面の防振作業が終わって内張をドアに組み付けて、ドアの作業は完了しました。
このドアスピーカーの位置が下で、その上のドアポケットがちょっと出ているのが、
後の音のチューンでかなり苦労する事になります。
ダッシュの上にはピュアディオブランドのATX-25ツイーターを取り付けて、
フルレンジのドアスピーカーの高音をピュアコンでカットして、上質な高音を後付けツイーターで再生して、
中級グレードの2WAYスピーカー的な鳴りに変えていきます。
グローブボックス下には比重の高いMDF板を敷いて、
ブラックボックスと白いボビンにピンクのラベルの井川が一から手巻きしたコイルを付けて、
音を聴きながら何度もここの4つのパーツを交換して音を合わせました。
取り付け位置が低いのとドアポケットが出っ張っているので、
それを加味しながらピュアコンの値とイコライザー調整を行って、
かなり時間をかけてアトレーで最も生音・生声に近い組み合わせを探しました。
自分は以前からオレンジのアトレーが欲しいと店頭で言っていて、
仕上がって表に出たアトレーを見たお客様から、「社長アトレーを買ったんですか?」と聞かれましたが、
これはお客様のアトレーで自分の物ではありません。
限られたスペースで限られた予算で、音質だけでなく遮音性も断熱性もアップした、
特別なアトレーに仕上がりました。