保育園お迎え時の出来事。



職員の人たちと話しをしていると、突然その場にいた下の息子(2歳)が柵で囲ってあるストーブの電源に手を伸ばしスイッチを『ピッ』っと押してしまった。




一緒にいた職員の方が、


「あー!!それは大人が触るところだよ!火事になったら大変!触ったらだめだよ!!」


と注意してくれた。



本人も、悪いことをしてしまったとすぐに気が付いたので、いつもと違う泣き方をしながら私の方へ抱きついてきた。




私は息子を抱きしめながら、



「さわったらだめだったよね。もうしないよね~」



と、背中をトントン。




その一部始終を見ていた、遠くで作業をしていたベテラン職員Kさん、


「根岸さん、こどもに未来の話は必要ないんだよ」


と。



今の息子との会話の中で、未来の話なんてした覚えが全くなかった私は、頭の中が


「?????」


とハテナだらけ。


急いで会話を振り返り、頭の中で自分の言ったことを巻き戻しても、ハテナは続くよどこまでも。。。シラー




そして、Kさん。



「“もうしないよね”は、未来の話でしょ?



“今”これをさわったらダメってことをこどもにわかってもらえばそれでいいんだよ。



“今やったらいけない”ってことの理解が積み重なっていけば、こどもは“やったらいけないこと”が自分で分かるようになるでしょ?



だから、こどもに未来の話は必要ないの。

未来を決めるのはこども自身だから。



過去の話も同じだよ。



よく大人は、



“前もこうだったじゃない”

って過去の話をするけど、こどもに必要なのは、“今”の話だけだよね。」



私はもう、目からウロコがポロリ、ポロリ。



一緒にそれを聞いていた2人の職員の方も、



「へぇぇぇ~!!そっかぁ!!」



と、一緒に納得。そして感動!



私も、なんて素敵な話が聞けたんだろう!!と、すぐにKさんの言葉を一言一句残らず手帳にメモを取りたいところだったけど、あいにく手元には手帳がなかったので、頭のなかにメモメモ。。と。




いつもそうだけど、心を動かしてくれる素敵な言葉に出会うと、私の心臓はドキドキ、バクバクドキドキ

まるで、旦那サマと出会った頃のように(笑)





そして、もっともっと色々聞きたくて、帰りの支度をさっさと終えてKさんのもとへ。




「Kさん、もう一つ聞いてもいいですか?」



「“もうしないよね”っていう未来の言葉が必要ないのは、このくらいの年の子だけですか?

上の息子(6歳の年長さん)は、過去も未来も理解が出来るようになってるから、その場合はどうですか?」




Kさんの答えは、、、



✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎




いつから本人が過去と未来を理解しているかは個人差があるから、年齢では答えられない。

でも、理解できるようになっていても、その言葉は必要ないんじゃないかな?




だって“もうしない”かどうかを決めるのは本人だから。



本当にしてはいけないんだと理解すれば、他から言われなくても“もうしない”はず。



理解があるのに何度も同じように“してはいけない”ことを繰り返すのは、おばかちゃん❤でしょ?




✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎ ✳︎


うん、うん、確かに‼️



親の私がこどもの未来を決める言葉を押し付ける必要はない。

それがどんなに小さなことでも。




さて、私がKさんの言葉に感動した理由は何だろう?と考えてみた。




それは、またひとつ、こどもの素敵なところに気付けたから。



『今』にしか生きていないこどもたちって、なんてステキなんだろう!!



大人はどうしても、『過去のデータ』から『未来を予測』して『今』を決めてしまう。



新しい出会いがあっても、

『こういうタイプの人はこんな感じの性格だろうから、私の苦手な人だ』



とかね。



もちろん、過去のデータから判断しなければ、大人の世界で生きていくことは難しい。


だけど、その分決めつけ(固定観念)によって想像力の幅を狭め、自分を縛り付けてしまうことになりかねない。



ネガティブな決めつけは、余計にもったいない気がする。





だって、1人の大人の過去のデータなんて、この大きな宇宙の出来事に比べたら、目に見えないくらいちっぽけなはずだから。




おとなとは対照的に、そんな小さな固定観念に縛られないこどもたち。




固定観念は、小さければ小さい、生まれたてのこどもほど、持ち合わせていないもの。




生まれてから起こるひとつずつが初めてのことばかりだから、過去のデータなんてひとつもない。



全てを信じて、全てをそのままに受け入れている。



だから、赤ちゃんはただそこにいるだけで周りの人を幸せにできる存在なんだろうな。




私も、そんな風に、



いいことも悪いことも、



楽しいことも辛いことも、



自分と同じ価値観の人やそうでない人も、



全てをそのまま受け入れられる人になりたいな。






そして、こどもたちには大人のつまらない固定観念を押し付けるのではなくて、



こどもが持っているそのままの想像力を、可能性を、



たくさん広げてあげたいな。




*   *   *   *   *



保育園でのこのやりとりは、他の人から見たら、


「ちょっとしたこどもに対しての言い回しに、そこまで気を遣えないな~」


って感じる人もいるかもしれない。




でも、Kさんが私に伝えたかったことって、表面の言葉尻ではなかった気がする。




Kさんが伝えてくれたことは、


「もっとこどもの気持ちに寄り添ってあげてね」



っていうメッセージだったんじゃないかな?ーと。




私からの一方通行の語りかけではなく、こどもの目線での発信をしてあげられたら、



その言葉はもっとスムーズにこどもの中に届くのかもしれない。



私が、



「私はこどもにこんなにたくさんの愛情をあげている」


と思っていても、それがこどもの欲しかった愛情と食い違っていたら、



こどもからしたら、少しももらったことにはなっていない。




こどもの目線に立って考えてあげられたら、こどもが本当に欲している愛情に気づくことができるのかもしれない。




難しいことだけど、ちょっとそれを意識しているだけでも、何か大きな変化につながることもあるんじゃないかな?





・・・ということで、ゆるーく、楽しく、そんなことを意識してみますドキドキ




がんばりすぎちゃうと、長くは続かないからね、私は(笑)。


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