お姉さんが、イキます。
仰(の)け反(ぞ)ってです。
ビクン、ビクンって、
跳ねます。
声も、甘い泣き声です。
でも、消えません。
消えるわけないです。
お姉さんは、
物質ではない証拠に、
消えてみせるって
言ったんです。
目の前で、見せられていた僕が、
固く、
溢(あふ)れそうになって
いるだけです。
責任を取ってほしいです。
お姉さんに、
文句を言います。
股間を押さえながら、です。
「消えませんでしたね?
僕の方が、大変なことに
なっているんですけど・・・」
「大変って?」
股間を、両手で、押さえてます。
「もう、大変ですよ」
お姉さんが、
興味をそそられるように、
見つめます。
「男の子の、それも、
物質じゃないでしょ?」
「物質ですよ
・・・・固いですから」
「物質だから、固いんじゃないのよ?」
「お姉さんだって、
消えなかったじゃないですか?」
「これからよ」
「これから?」
「登山で言えば、
2合目あたりね。
これから、
山頂を目指すのよ」
「まだ、やるんですか?」
「だって、消えるとこ、
見たいでしょ?
消えて、
物質という誤解を
解いてあげたいのよ」
でも、どう考えたって、
肉体が消えるとは思えません。
「・・・・お姉さんが、
消えたと、思うだけですよ」
「物質を、物質だと思うから、
囚(とら)われているだけなのよ?
私たちって、もっと
自由なの」
「第一、
そんなにキレイなのに、
消えたら、
もったいないです」
正直、
もう咽から手が出そうなほど、
お姉さんが、ほしいです。
「でも、私たちって、
苦しむでしょ?
それは、
物質という誤解のせいなの」
「苦しむのは、誤解のせい?」
お姉さんが、
キレイなおっぱいに、
長い髪を揺らして、
うなずきます。
「物質が、物質であるのは、
そう思っているって
だけなの。
大事なのは、
そう思っているから、
物質だって、気づくことなの。
私たちは、
物質を、創造できるのよ。
創造しているの。
そのことを、
忘れて、
囚われるから、
苦しんでしまうのよ」
僕は、
固くなっている股間を
押さえながら、
そんな話を聞いているんです。
ー つづく ー
素粒子って、
僕らが思い込んでいるような、
物質ではないですものね![]()
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