粒だった僕が

 

 

 

 

 

 

 

彼女が、握って、舐めます。

 

 

感じるでしょ?

 

 

・・・・・感じます

 

 

感じるのは、あなたじゃないもの?

 

 

あなたの唇、ですよ。

 

舌です

 

 

もし、この世界に、

あなたしか、なかったら、

あなたは、あると思う?

 

 

僕しか、なかったら?

 

 

今だって、

私が舐めているから、あなたは、

あなたを感じるんでしょ?

 

 

スゴく・・・感じます

 

 

だったら、あなたじゃないものも、

あなただって、思えない?

 

 

でも、あなたは、僕じゃない

 

 

そう考えているのは、

あなたなのよ?

 

 

でも、あなたじゃないものが、

あなたなの。

 

 

だって、あなたしか、なかったら、

あなたも、ないんだもの。

 

 

あなたは、何も感じられない。

 

 

今だって、

私の舌を感じていると思っているけど、

感じているのは、あなたよ。

 

 

だったら、私の舌も、

あなたでしょ?

 

 

あなたの舌は、

あなたの舌ですよ

 

 

どうして、

そんなに切り離したいの?

 

だから、粒になるのよ。

 

波に戻るためには、

あなたじゃないものも、

あなただって思えることよ

 

 

僕は、そう思えないから、

飛べないんですか?

 

 

手を上下させて、揺らします。

 

 

それだって考え方よ。

 

だって、この星だって浮いているのよ?

 

飛んでいるの。

 

だったら、あなただって、

浮いているでしょ?

 

 

この宇宙にいて、

浮いてないって考えることの方が、

考え違いよ。

 

 

落ちこぼれているって、考えているのは、あなただけよ

 

 

そう言うと、彼女は、僕に跨がります。

 

 

 

 

傷が痛むから、

あまり揺らしてあげれないけど・・・

 

 

あなたを波に戻してあげるわ

 

 

彼女に包み込まれると、

どこまでも無限の広がりを

感じます。

 

 

たしかに、感じているから、

僕であるなら、

感じていること、そのものは、

僕の中だけではないです。

 

 

彼女の中を感じていると、

もう、それは、

どこにあるというのではなく、

物を超えている。

 

 

すべてがひとつに溶け合っている。

 

 

感覚に、区切りはないです。

 

 

粒だった僕が、溶けてゆきます。

 

 

形を超えて、波となります。

 

 

考え違いをして、

拒絶していただけです。

 

 

僕を落ちこぼれにしていたのは、

僕だったんです。

 

 

僕が、僕だと思っていたものは、

そう思っていただけってことです。

 

 

大事なのは、つながるってことでした。

 

 

それで、彼女は、

交尾してくれたんです。

 

 

 

 

the end

 

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございますウインクラブラブ

 

 

 

フォローしてね