ひとつになることを願って
深夜、叫んでいるので、酔っ払いかと、目を覚ましました。
2階の、自分の部屋の窓を開けてみると、目の前で、向かいの家が燃えています。
通りがかった人が、火災を見つけて、大声で、教えてくれていたんです。
もちろん、重吉には、火災の炎が、女に見えます。
向かいの家から、裸の女が身を乗り出しているんです。
重吉の家では、父も母も、必死になって、家財道具を運びだしています。
でも、重吉は、動けません。
恋する女が、そこにいるからです。
女は、身長が5mくらいになって、曲線の美しさ、肌の輝きが、これまでとは違います。
圧倒的な美しさです。
女が、これほど燃えているのを、見たことがありません。
おっぱいなんか、揺れるたび、むしゃぶりつきたいです。
股が燃えているのも、濡れているようで、匂い立っているんです。
道路を挟んでいるんですけど、重吉の部屋を、炎の色に染めて、今にも、忍び込んで来そうです。
夜空を焼くほどで、女も、重吉に恋い焦がれているかのようなんです。
オレンジ色の熱気が、恋の模様にしか見えません。
父が呼びに来て「何してるんだ!早く避難しろ!」って、怒鳴るんですけど、重吉に、避難する気はないです。
むしろ、炎の女が、早く道路を越えて、会いに来てくれるのを、待っています。
女と、ひとつになることを、願っているんです。
ー つづく ー
次も、呼んでね![]()
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