「芸能人」ではなく「会社員」 | よねちゃんのつれづれ便り

「芸能人」ではなく「会社員」

中野美奈子アナはなぜ医師と結婚したか?


タクシーの運転手さんに見られたくらいで「どこ見てんのよ」という自意識過剰な女子アナ、「プロ野球選手と結婚するためにアナウンサーになりたい」と面接で堂々と言ってのけた者も過去にはいると聞く。

確かに、ミスに選ばれた人たちの中からアナウンサーになるパターンが最近は多い。

自分たちの局のアナウンサーをタレント化させてしまう事も問題であり、そのうえ、給料(年収)は高い。

それなのに、漢字が読めない、しゃべりがひっかかる、勉強をしていない…「本業は何?」と問いたくなる。


数年前、とあるテレビ局の報道部に電話をして企画の内容について説明をしていたが、どうもピンときていない様子。「○○について知っているよね?」と尋ねたら、何も答えられない。そこで私は言った。「あなたはプロンブターに映っている原稿をただ読んでいるわけではないよね?ちゃんとニュースの意味を理解して伝えているよね?ただ読むだけならちょっと訓練しさえすれば、誰にでも出来るんだからね」と。

この時点でアナウンサーになって3年目。テレビを見ている側からすれば、ニュースを伝えているのだから、内容を理解していると思われても不思議ではない。

ところがこれが現実なのだ。彼ら、彼女たちも含め、テレビ局員は給料が高い。不規則な勤務体系などもあり、いくつかのテーマや番組を抱えているのを差し引いたとしても、専門職だ。

私は、これまで2年以上にわたり、いくつかのテレビ局のアナウンサーやディレクターなどと話し合ってきたが、あまり物事を知らないなと思う事が多々あった。


1ヶ月ほど前、私のアナウンスの師匠と食事をしながら「最近のアナウンサーは勉強をしない」という話になった。

その方が、ある時、部下であるアナウンサーにスポーツ選手の名言が書かれた紙を渡されたそうだ。

数日後、その方が、その紙を渡したアナウンサーに「ところでこの間、渡した紙を見てどうだった?」と尋ねられたそうだ。

すると、そのアナウンサーは「すごいですね」と答えた後、「この○○っていう方、どんな方ですか?」と言ったそうだ。スボーツにさほど詳しくない私でも知っているメダリストの名前だった。

アナウンスの師匠曰く、「分からんなら調べろよ。辞書でもインターネットでも調べる術(すべ)はいくらでもあるだろうと。要するに調べようとする意欲、勉強する意欲がないんだよ」と。

私はそれを聞いた時、信じられなかった。少なくとも画面に映るアナウンサーがこの程度ではこの先どうなってしまうのだろうと暗澹(あんたん)たる気持ちになった。男女差は関係ない。


今、新人アナウンサーは研修まっただ中だと思う。どうか初心を忘れず頑張って頂きたい。

少なくとも、あなたたちは何千倍ともいわれる難関をくぐり抜けてきたのだから。


本業で名をあげるのは、喜ばしい事だが、あなた方は局の顔ともいうべき人たちであり、お茶汲みやコピー取りもするであろう「会社員」であり、決して「芸能人」ではないのだから、ね。