「さよなら」じゃなくて「じゃあ、またね」 | よねちゃんのつれづれ便り

「さよなら」じゃなくて「じゃあ、またね」

この間、ラジオの生放送などを終え、病院に戻り、ちょっとホッとした気持ちで病棟へ戻っている途中で好きな人に偶然会った。

彼女はこちらが気づかなくても声をかけてくれる。

「こんにちは」
「あら、Aちゃん、久しぶり!お腹、ずいぶん大きくなったね。もう、少しは体調は落ち着いた?」
「はい。今はお昼ごはんのあとに甘い物が欠かせません」
「アハハ…そうか。でもお腹が大きいと車の運転が大変だね」
「はい。でもあと10日ほどで産休に入りますから」
「じゃあ、赤ちゃんが生まれる前の少しの間だけでもゆっくり出来るね」
「はい。ところで、今日はどちらかに行ってこられたんですか」
「うん、3年ぶりにラジオに出演して、今、病院に帰ってきたところ。緊張もしたけど、やっぱり楽しかったよ」
「活動を続けておられたんですね」
「うん。仕事じゃないけど、自分にとっては生きがいみたいなものだからね」
「これからも頑張って下さいね」
「ありがとう!Aちゃんも身体に気をつけてね。じゃあ、またね」

偶然とはいえ(偶然だからこそ)よけいに嬉しく感じたし、このタイミングで会えたのは奇跡かもしれないって思った。

紆余曲折を経て、テレビの企画が通った時、彼女にいちばんに報告した。それは彼女がきっと喜んでくれるだろうと思ったし、彼女にぜひ見てほしいとも思ったからだった。

その後、私事とはいえ、局側の配慮により、企画は延期となったものの、媒体こそ違えど、かたちになったその日に巡りあうなんて、奇跡じゃないかと思った。

彼女に会え、その上、いい報告が出来たから良かったと思う一方で、産休に入るということは1年近く会えない。ひょっとしたら、もう会えなくなるんじゃないかとも思った。

だけど、「さよなら」とは言わなかった。言いたくなかった。だから、少しの期待をこめて「じゃあ、またね」と言った。

笑顔で話せて良かった。笑顔で言えて良かった。