なんだなんだ!?
Dは手下げカバンの中の何かを探している。
キャリーバッグに掛けているバックの中も探している。
D「パスポートない、チケットない!」
!?
マジすか!?
D以外の人「えっ?えっ?」
D「」
それはまずい。
確かに!
言われてみたらそうだ。
今気が付いた。
Dがトイレに行く時に荷物は全部預かったつもりだったが、書類一式の入ったファイルだけ預かっていなかった。
今思えばトイレから帰ってきた時に持っていなかった。
きちんと預かるべきだった。
探そう。
最後に無くしたと思われる場所はわかっている。
女子トイレだ。
私達は急いで来た道を戻る。
女子トイレ前に到着。
DとLは探しに行く。
勢いで入りそうになるが、さすがに男性陣は女子トイレには入れないのでひとまず待機。
……。
……。
遅い。
……。
来た!
表情が暗いし何より何も手に持っていない。
無かったようだ。
洗面台に置いたのが最後の記憶らしいが、一応個室も探したようだ。
普通に考えれば現金ならいざ知らず、パスポートやチケットが女子トイレに落ちていたとして落し物として届けてくれるはずだ。
あくまで日本人の感覚ならばだが……。
まずは先程お世話になった案内所に行く。
(無料だがあれのそれではない………………。)
そこで落し物の問い合わせをしよう。
残念ながら今は職員が不在だ。
とりあえずDには案内所に備え付けてあるテレビ電話で話してもらう。
暫くすると先程の職員が戻って来た。
私は落し物の問い合わせをする。
LとL客は固唾を飲んで見守る。
しかし、まだ届出がない。
Dはまたトイレを探しに行く。
LとL客は来た道を探す。
私はDの代理人という形で案内所で問い合わせをしつつ、色々な場所へ電話で問い合わせる。
搭乗時間まであと2時間無い。
Dは帰ってきたがやはり無かったようだ。
D「もし見つからなかったら私どうなるの?」
私「調べないとそれはわからない」
私「きちんと
手続きをすれば不法滞在にはならないはず」
私「だけど何かオーバーステイのペナルティ的なものが発生するかも?」
私「でも見つかるよ」
私「探そう」
Dはとても心配そうだ。
このまま見つからず無くなってしまったら、Dの今後に致命的なダメージを与えるかもしれない。
私は色々問い合わせるが、どこもまだ反映されていないのか誰かが届けている最中なのか、一向に見つからない。
もしかしたら交番側に行ったのかな?
とか
必死に探している時は色々と見落としがちだ。
実際見つからなかったらかなり事件だな。
Dとプロモーター、プロモーターと店、プロモーターと私の約束等、仕方ないにしても一波乱ありそうだ。
落し物の問い合わせをしている時にチケットナンバーを聞かれたので、Lにチケット番号を教えてもらう。
L「〇〇〇(アルファベットと数字)」
私「OK」
何故か私はそのまま問い合わせ先の日本人職員に英語で伝える。
Lの綺麗な英語の発音のまま笑
まるで自分がネイティブスピーカーになった気分だ。
(5文字位しか話してない)
LとL客はまだ聞いていない場所に確認しに行った。
Dは凹んでいる、
時間も過ぎる。
30分位だろうか?
残り1時間30分弱だ。
5分ほどするとDに電話が来た。
と
Dは急いで歩き出した。
私も1度電話を切り、一緒に向かう。
LとL客が手招いている。
顔は笑っている。
多分見つかったんだね。
場所は空港カウンター。
そこに届けてくれた方がいたみたいだ。
LとL客がまだ聞いていなかった空港カウンターへ行って、確認してくれたのだ。
ホッ
Dは本人確認を済ませ、ついに落とし物をゲットした!
私「良かったー」
D「良かったー」
L客「良かったー」
本当に良かった。
Dの笑顔が戻ったよ。
私はこの笑顔を見に来たのだ。
笑顔を見せてくれー
……。
……。
ありゃ……
Lがめちゃくちゃ怒っている……。。。
Dは怒られている……。。。
D「怖いねー⤵」
L「馬鹿か!」
D「ごめんねー⤵」
……。
タガログ語でわちゃわちゃしてる……
……暫くお待ち下さい……
………………
Lの日本語はとても上手だ。
そして口が達者だ。
まさしくマシンガンだ……。
罵倒の嵐………………。。。
私にとっては場合によってはご褒美とも言える……。
ゴクリ……。
(マジでどうでもいい)
まぁ見つかったし!
良かったじゃん!
私達的には大事件だったけども
ひとまず一安心だね。
また無くされたら次こそ
次回!!ぷぅぷぅ物語。
オーバーステイ確定!!
地獄を見るのはDかそれとも私もか!?
宿命の火蓋が切って落とされる!
お前はもう死んでいる……
の超激熱演出なので、私はDの手から書類をパッと取り上げ書類一式も荷物も全部預かる事にした笑
(私も相当物を無くすタイプだが……)
こりゃ忘れられない思い出になったな笑
と思いながら
私は再びDと手を繋ぎながら
私達はまた飲食店のある方へ歩き出すのだった。
続く……