殺処分ゼロの本当の目的(子供を襲った犬の安楽死) | トレーナー金子真弓のhappy life with PUPS

殺処分ゼロの本当の目的(子供を襲った犬の安楽死)



過去に数回にわたり、卒業生がペット業界へ就職したその後について書きました。

たいへん大きな反響をいただき、いまだに様々なお声が届きます。


ペットショップで犬猫を購入してはいけない、と叫び続けている私ですが、

業界の仲間からとても残念なことに、

「すぐには良くならないからショップの現状を改善するようにしたらいい。」

と言った声も聞こえてきます。


一体どこをどう改善したら良くなるのでしょうか。

ショップで販売されている犬猫たちがどうやって繁殖をされているかを考えれば当然答えはNOです。


いや、優良なブリーダーもいるよ。

という声も聞こえてきます。


たしかに優良なブリーダーも存在します。

でも優良なブリーダーはどういった家庭に行くか自身で確かめることのできないショップへなど

自分がだいじにだいじに育てた子犬を出すことはありません。

優良なブリーダーはブリーディングで儲からないことを知っていますから、

その犬種のスタンダードを守ることに精を出しているのです。

その中で産まれた子犬を自分が納得した人に譲ることがあるのでしょう。





私はFBやこうしたブログでショップでの購入の反対を訴えてきています。

また講演会やクラスでも話をしています。

それでも未だに日本のショップでの生体販売はなくなりません。

法律で生後45日未満の子犬を販売禁止にしたとしても、

販売禁止であって母親の元をもっと早く引き離されています。

そして母犬自体が悪質な環境で飼育されています。



もっとトレーナーや業界人がこの部分を叫んでいただきたいと切に願います。



最近は、殺処分ゼロ運動なるものが盛んです。

処分数が減ったり、処分方法がガスではなく注射による安楽死に変わっていくことは大変望ましいことです。

しかしこのゼロという運動にとても違和感を覚えます。

アメリカでもNo Kill シェルターが流行り、その後問題になったように、

殺さなければいい、と言うことでもありません。

シェルターには場所のキャパ、マンパワーの限界などがあります。

トレーニングをし、譲渡可能な子を優先的に譲渡し、

どうしてもだめな子は「安楽死」を選択せざるを得ないのも事実です。




少し前にアメリカで、小さな子供が自転車で遊んでいるときに近所の犬が襲い掛かる事件がありました。

なんと子供の飼い猫が飛び出してきて、子供を助けるという感動的なシーンとして世界に知られました。


きっと多くの方がニュースなどで目にしたのではないでしょうか。


ここでアメリカでは論議が交わされました。


「愛犬家」はこういいます。

 殺さないで!あれは飼い主が悪いの。犬は悪くない。犬をフリーにしておいた飼い主がわるいんだから犬を殺さないで。


「犬の専門家」はこう見ます。

あの子供は自転車に乗ろうとしていて、大きな動きはなかった。その後も犬を刺激することはなくただなんとなく乗っていたところに犬が来た。犬は狙いを定め、ゆっくりとストーキングの動きをし、そして襲い掛かり、子供を引きずりおろして振り回した。(←これは殺しの行動です。) あの犬の衝動はどうなっているのか。



あの子はシェルターに行ってから、数人の専門家からスクリーニングされ、アセスメントされ、結果重度の捕食行動により、トレーニングがとても困難と判断されました。シェルターに行った後も、衝動のコントロールがかなり難しい子でした。安楽死です。


たしかに管理ミスで、人間がわるいのです。

でもあの犬を今の飼い主の元に戻すわけにもいかず、だからと言って譲渡をするわけにも行きません。

殺さないで生かすのであれば、安全にたっぷり運動をさせる施設と、衝動をコントロールすることが困難な犬を扱える熟練したトレーナーレベルの飼い主を探さなければなりません。

多大な時間と労力と費用をその1頭に掛けている間、もっと譲渡されやすい犬たちが路頭に迷い、処分をされていくならば、優先順位が必然的に決まってくるのです。




殺処分ゼロとは、結果です。

ゼロを目標にしてしまうと、

少しでも処分動物がいた際に「愛犬家」たちから叩かれることもあるかもしれません。


ゼロを目標にするためには、まず適切な入手ルートが必要です。

ショップに並んでいる犬たちは繁殖だけのために飼育されている親から産まれているため、

問題を多く抱えています。

またショップのスタッフはすべての犬の特徴や本能をしりません。

本などで知り得た情報だけでは不十分です。

実際にその犬種とたくさん暮らした生活の中で特徴や必要なことがわかってくるのです。

その犬種や個々の特徴は長年一緒に暮らしているブリーダーのみが知っているのです。


早くに親元を引き離された子犬と適切な説明やしつけの話を受けずに飼い始め、

問題が大きくなり、室内から外で飼われることになり、

うるさいから、毛が抜けるから、引っ越すからなどの、理由で保健所に持ち込まれます。


優良なブリーダーは最後まで子犬の行った家庭と接点があり、

万が一、家庭で飼育を続けることが困難になった際にはブリーダーが引き取るでしょう。

だいじに育てたわが子が処分されることなど優良なブリーダーは許せないので、

何かがあれば自分でさいごまで責任を持つのがブリーダーです。


そして適正な飼育環境を整え、適正な指導を受けていれば、

生涯飼育もできるはずです。


行政によるしつけ指導なども増えてきて、とても喜ばしいことです。





同時に入手ルートを変えて行かなければいけないと強く思うのです。

殺処分ゼロ運動と同じようにショップで犬を購入しないで運動を

もっと多くの業界人が声をあげてくれることを願います。





( ̄ー ̄)




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