前々回、前回からのつづき・・・。
今日はペトロマックスHK500を主にメンテナンスをしていこうかと。。。
年式は判らないが多分最近のものだと思う。ここ5~6年以内のものじゃないか。何となく新しい。
ただ、前オーナーがサジを投げたようで、容易には復活しそうにない・・・。
先ずポンピングが全くダメだ。古くないはずなのに圧がかからずスカスカ。たまに残り3分の1くらいで手応えがあったり。
ポンプカップをみるとささくれ立ってる。毛羽立って小さいゴミが内壁にも付着している。
これは先ずカップを換えてみる。リュブリカント入れ過ぎではないか。
手持ちのスペアにペトロ用がないのでバタンカーの残りを。バタフライのものかアンカーのものかごちゃ混ぜになったので判らないが、カップの淵が斜めになっている感じは良く似ている。
もしかして今付いているのは中華カップか?
ペトロ用のカップに、というか中華カップだが、コールマンのリュブリカントを馴染ませている間に、昨日ちょっと気になったコールマン201を再度チェック。
箱に仕舞う前にポンピングしてみたら、ポンプが入っていかない・・・。固いし、押し込んでも勢いよく戻ってくる。これは明らかにチェックバルブの逆止弁が詰っていると思う。
昨日201でやったことはコンディショナーで2回ほどタンク内を洗浄して、腐った灯油を吐き出した。その時の汚れがチェックバルブの方へ回ったのか。
その後パーツクリーナーでタンク内をきれいに洗ったけど、チェックバルブの玉の回りまでは洗浄しきれなかったのか。
ポンプを抜いて中を見ると・・・。さっきのペトロよりも汚い。リュブリカント入れ過ぎ。腐ってる?
さて、いよいよチェックバルブレンチの出番か、とその前に、キャブクリーナーで洗浄してみよう。KUREでお馴染みの呉工業のクリーナーキャブは、使っている人は多いと思う。安いしホームセンターで気軽に手に入るし。でもキャブクリーナーとしては・・・弱いと思う。
でもチェックバルブの固着くらいならこのクリーナーキャブで充分でしょう。これで浸け置きすることでチェックバルブ内の汚れが溶かされることがあるので人気があるのでしょう。
ポンプ入り口にひたひたになる程度に噴射して浸け置き。ゴムへの攻撃性があるので、チェックバルブにゴムパッキンを使ってるタイプはあまり長く浸けない方がいいかも。大体1時間くらいだろうか・・・。
201を浸け置きしている間に、ながら作業。
コールマン247は実用機なので火入れをしてみる。サビ処理は終わったし、ポンプやフィラーキャップも問題ないし、ジェネもまあまあよいとして。
いざプレヒート。マントル炎上。
この21型のインスタクリップってあまり好きじゃない。コールマン5155にはまだ使えるけど247には口が小さすぎる。11型では大きいと思うのだが・・・。
空焼き終了みたい。アルコールって炎が見えないなぁ・・・。
小さくて明るい。
燃費はともかく明るい。
5155と同じくらいかな。。。
ついでにもう一つの実用機、コールマン237もテストしておく。昨日ジェネもスス落とししたし、サビ処理も終わった。タンク内もコンディショナーで洗浄済み。
11型のマントルを買ってないのでバタフライの中華マントルを装着。
予熱中。オイナリさんも空焼き中。
オイナリさんがジェネにぴったり付いてるから、じぇねにムラができるのだろう。何とかならんのかな。
アルコールがよく燃えてる。
きたきた。
やはり明るい。
500CPだっけ?マニアじゃないので細かいスペックは知らないがさすがに明るい。まぶしい。
やはりオイナリさんがジェネに張り付いてる感じ。ジェネは熱かろうに。何とかならんかな。
237には不釣り合いなヒートシールドが唯一の自己主張。
あれあれ・・・・と。
30分もせずに光量が落ちてきた?明らかに247より元気がなくなった。
そういえば追加ポンピングが妙に固かったなぁ・・・・。いやな予感・・・。
確か201と同じようにコンディショナーで洗浄してパーツクリーナーで洗い流した。やはりチェックバルブ内にコンディショナーで溶かされた汚れが回っていき、玉を固着させているのだろうか。
237のポンプは外してなかったからついでに状態を見る。
皮の状態は良さそう。ただリュブリカントが腐ってる?とにかく汚い。入れ過ぎだろう・・・。過去に入れたものが残って、更に注入されるから浸漬状態になっているのだ。
ティッシュで汚れ油ともろもろの汚れを拭き取る。
何色だろう。汚い。
リュブリカントも時々注入するだけじゃダメかな。その都度、中を開けて古いオイルを拭き取ってやった方がいいのだろうか。さすがにタプタプじゃ多過ぎるだろう。
1回中を軽く洗浄して洗い出し、キャブクリーナーを入口までひたひたになる程度に噴射。1時間くらい浸け置き。
201もそうだったけど、237もキャブクリーナーで浸け置きした後はポンピングがスムーズになった。
やはりチェックバルブ内の固着を溶解してくれるみたい。
できればチェックバルブレンチは使いたくない。
ただ、臭い。
今度は、もっとも調子が良いと思われる247と、先ほどポンピングが復活した237を同時に運転。
同時に消毒液炎上、マントルに引火。
2機とも、不思議と一定時間後に妙なうなり声を上げる。
「ヴェ~ボ~ォ~ゥン・・・」といって治まる。あれは一体なんのうなり声なんだろうか。
予熱前にバルブを少し回してジェネの中にケロを入れているけど、あれが温められての音か。
予熱が終わるころニードル下げてバルブ全開。
ほぼ同時にスタートで追加ポンピング50×2はキツイ・・・。
237のポンピングは良好みたい。特に力もいらず、戻りもほとんどなく。
そういや今日はペトロマックスをやるんだった。
コールマンのアニキ達には燃えていてもらって、その間にペトロをメンテする。
最初にポンプカップを中華カップに付け替えたので、それはそれでよしと。
で、各部のまし締め、クリアランスをチェック。
ここで高さ調整をしながら。。。
結構燃えてるな。。。
前オーナーはこれのどこがどうでサジ投げたのか・・・。
中華カップにリュブリカントが馴染んだのでポンピングしてみると、最初のスカスカ感は無くなった。圧がかかりながらきれいにスーと入っていく。
しかし・・・。
どこからともなく「シュー・・・・」
ニードルを下げると勢いよく「シューーーッ」
プレッシャーを緩めると圧が逃げていく。
ニードルを上げていると圧は確かにかかっている。
でもどこからかすこ~し漏れている・・・。
どこかな~と耳を当てていくと・・・。
ニップルだ・・・。
ニードルの先っちょが出てるので本圧は抑えられているけど、少しだけ漏れてる。
しかし・・・、ニップルとニードルで圧を抑えているとは思えない。
もしかしてヴァポライザーバルブのパッキンとか・・・。それは面倒・・・。
いいか?
良しとしよう。
連日のメンテで疲れた。
これくらい許容範囲じゃないか。
ダメかな。ダメだろうな・・・。
でも、ジェネレーターバルブの予備はないし、鉛パッキンもない。最低限だけバラしましょう。
かなりのススまみれだ・・・。
みたところニップルもペトロ純正みたいだから、ニードルも無交換ではないか。
ここの予備は・・・。
バタンカーしかない・・・。
ごっちゃだからどっちがアンカーでどっちがバタか判らない。
使えるか判らないのでとりあえず純正を磨く。
コンディショナー、パーツクリーナー、キャブクリーナーをワンセットで。
ジェネレーターのメンテナンスとなるとKUREでは弱い。呉工業のクリーナーキャブではスス落としは難しい。やはりアレか・・・。伝家の宝刀か・・・。いや、まだ。
ここは燃料か何かが炭化していた。例のスチールウールで磨き落とす。
時間がないので外さない。
曲がってる・・・・。
上が純正と思われるニードル、とペトロ500の刻印があるニップル。ニードルにも500とある。
下段の右2本、左2本がそれぞれバタンカー。どっちか判らない。
右2本には500と刻印がある・・・。
おそらく右2本がアンカーで左の2本がバタフライではないか。
ニードルのネジ込み部分の足の長さが違う。
試しに純正ニップルを戻して下段左のニードルを使ってみよう。
バルブを回してニップルを上げる。
ゴキッ・・・。
曲がっちゃいました・・・。
ネジ込みが浅かった?
もう一度・・・。
同じくゴリッ・・・。
足の短い左2本とも針が曲がってしまった。ニップルにヒットするのだね。では500と刻印のある方を試す。
形は純正にそっくり。多分500と彫ってあるからアンカーだと思う。針のカシメ方が違うくらいだ。
何にしても中華ニードルだし、純正ニップルとは相性は良くないだろう。。。
結果は・・ヒットせずに使えそう。
ではニップルはどうか。
左の2つがバタンカーだが純正ニップルとは形状が違う。頭が平だし、一番左のはネジの首が長い。
試しにネジ込んでみると、ネジピッチが違うようで入っていかない。これではどちらも使えない。でも後学のためにとって置こう。
結局ニードルはアンカーと思われる500の刻印がある方を着けて、ニップルは純正に戻した。
これでポンピングしてみると・・・。
やはり、か細く「シュ~・・・」
さっきと状況は変わらんね。
ニップルの穴のクリアランスが広がっているのか、針の直径が細いのか。でも今着けてるバタンカーの針先は新品だし・・・。やはり針の径が違うのかも。
これは純正品でニードルとニップルをそろえないと先に進みませんな・・・。おそらくヴァポライザーバルブも交換だろう・・・。
前オーナーはこれでサジを投げたんだなぁ・・・。
手間も金もかかると・・・。こんなもの面倒みれるかと・・・。
部品点数が多いという事は不具合発生率も高くなるということ。ペトロってそんなもんなんだろう。ドイツ人が考えたとは思えない。そして永らく改良されなかったこともドイツ人とは思えない。
その点コールマンは部品点数も少なく単純な作りだから、古くても結構タフだ。造りも合理性の塊でさすがアメリカ人。
↓↓↓ニップルの針穴はそんなに広がるもんだろうか・・・。
いやいや、圧漏れの根本はこんなところじゃないと思う。ここで燃料にフタをしているなんてことはない。一番下のヴァポライザーバルブが怪しいと想像する・・・。
前オーナーがサジを投げたのはこの面倒臭さなんだろう。すんなり使えない道具は道具としては使い物にならない。
ドイツ軍かスイス軍か正式採用されていたとか。こんな不安定な道具が確実性を求められる軍の現場で使われていたのだろうか・・・。
両方とも燃料は少ししか入れてないのに、237のアニキはまだ燃えている。247のアニキは既にダウンしているが・・・。
コールマンは扱いやすくてタフだ。