DVDあらすじより
1947年ロサンゼルス。ダウンタウンの空き地で、身体を腰で切断された女の惨殺死体が発見された。被害者はエリザベス・ショート、22歳。漆黒の髪に黒ずくめのドレス。ハリウッド・スターを夢見ながら大都会の暗闇に葬られた女を、人は「ブラック・ダリア」と呼んだ――。やがて、捜査線上に浮かび上がる一編のポルノ・フィルム。そしてダリアと瓜二つの大富豪の娘と、彼女の一族にまつわる黒い秘密。ロサンゼルス.の闇の中で妖しくうごめく事件の謎は、捜査にあたる若き二人の刑事の運命をも狂わせていく・・・。
製作:アメリカ
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:ジョシュ・フリードマン
原作:ジェイムズ・エルロイ
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:マーク・アイシャム
出演:ジョシュ・ハートネット スカーレット・ヨハンソン
アーロン・エッカート ヒラリー・スワンク
2006年10月14日公開
本作はジェイムズ・エルロイの原作を映画化した作品であり、実際に起きた「ブラック・ダリア事件」から着想を得た物語になっています。「ブラック・ダリア事件」とは、女優志望だった当時22歳のエリザベス・ショートが腰の部分が切断された状態の遺体で発見された猟奇殺人事件で、前年に公開されたアラン・ラッド主演の「青い戦慄」(原題はThe Blue Dahlia)をもじってつけられました。
事件は未解決のままであることから、映画で描かれる真相はあくまでフィクションです。原作者のジェイムズ・エルロイはアメリカの暗部を抉る作風に特徴があり、幼少期に母親を殺害されたこともあって、この作品もどことなく暗い影を落としています。
20年前の映画の封切り時には、既に原作小説を読んでいたのですが、何しろ散文詩のような文体が読みづらく、劇場鑑賞してこんな物語だったのかと知った次第(笑)。この点は物語を巧くまとめた脚本と、ブライアン・デ・パルマのスピーディーな演出のおかげで、二度目のDVD鑑賞でも実に分かりやすく鑑賞できました。その一方で、1947年のロサンゼルスの闇を堪能するには、散文詩のような文体でないと味わえないもどかしさもあります。
特典映像では当時のLAを再現するため、ハリウッドではなく、ブルガリアでセットを組んで撮影されたことが解説されていました。確かに渋い色調の映像は当時の雰囲気を醸し出していますが、闇の底に蠢く得体の知れない妖しさまでは伝わってこず、そこが文学と映像作品の違いであることを改めて知らされました。
