







講師:
数年前の女子生徒の話なんだけど。
その女子生徒(以下Aさんとする)は、いつも授業が始まる直前に教室に滑り込んで来るんだよ。
ほんとにギリギリで、息を切らしながら駆け込んで来る。
ちなみに、Aさんが僕の授業を受け始めたのは、完成シリーズから。
つまり9月からなんだけど…。
ギリギリに来るから、1番前の真ん中しか席が空いてなくて。だからそこに座るんだけど…。
1番前の真ん中だから、僕の目につくよね。
しかも、Aさん、いつもニット帽にマスク姿なんだよ。まだコロナ前だよ?だからマスクしてる子なんていないからね。ま、目立つよね。
ちなみに、Aさんは早稲田の法学部志望だったの。
結果から言うと、早稲法に合格出来たんだけどね。
合格後、僕に挨拶に来てくれて…。その時に色々聞いたんだけど。
Aさん、高1の時から早稲法に行く為の受験勉強(塾なし)始めたの。
で、現役時受験したんだけど、早稲法落ちちゃったんだよ。でも、明治の法学部には合格した。
だから、一度は諦めて、明治の法学部に進学。
だけど、どうしても諦めきれなくて、もう一度早稲法にチャレンジすることにした。
親は、明治大学を退学することを許してくれなかった。
そして、予備校に行くことも...。
Aさん、自分で勉強するのは限界だと思っていたから、親に予備校に行くことを許してもらいたかった。
親からの条件は、
・大学の単位は全部取る事
・予備校代は親は出さない
・挑戦は1度のみ
まず、予備校代を稼がなきゃいけないからバイトを始めた。大学の単位は落とせないから勉強もしっかりやった。
で、予備校代を貯めて河合塾に9月から来た。
ここで僕が不思議なのは、僕の教えてたコース【高校グリーンコース】なんだよ。そこに入ってきたの。
本来は、Aさん入れないはずなんだけど...。
ま、実際【大学受験科】は無理だよね、朝から授業あるんだから時間的に。
この辺のことは、僕は分からないけどね。
とにかく、日中は大学。
で、夕方から予備校で授業。
所謂、仮面浪人だよね。
結果、大学の単位も取り、早稲法に合格した。
ニット帽にマスク姿だったのは、自分を着飾る時間がなかったから…なんだって。
君たちにこの話をしたのは、こんな生活をしろって事じゃないのは分かるよね?これから、夏期講習が始まって、それが終わると完成シリーズ始まるでしょ。
浪人生って辛いでしょ。不安にもなるよね、失敗してるから...。
最後まで諦めないで、強い気持ちを持って…って、言いたかったんだよ。
てことで、まずは夏期講習頑張って。





英文法・語法・イディオム・会話表現の総仕上げ
