今回の視察では、タイ経済、労働市場、EV化、日本企業の存在感、そしてJICA(日本のODA)が築いてきたインフラ支援の歴史まで、幅広く学ぶことができました。
今回訪れたのは✈️
JICA国際協力機構 タイ事務所(表敬訪問)
東京都中小企業振興公社 タイ事務所(バンコク支所含む)
在タイ日本国大使館(表敬訪問)
に加え、市民視察として
クロントーイ市場
ワットパークナム花市場(パーク・クローン花市場)
水上バス・トゥクトゥク体験
チャットチャック市場にも足を運びました。
\タイの都市基盤に“日本の技術”が深く息づいている/
特に印象的だったのは、タイの都市インフラの随所に日本のODAの歴史が刻まれていること。
🇯🇵🤝🇹🇭
・バンコクの浄水場の70%が日本の協力で整備
・チャオプラヤ川に架かる橋21本のうち15本が日本のODA
・スワンナプーム国際空港の整備にも日本が関与
・地下鉄(ブルー・パープル・レッド)も日本技術が協力
そして今、タイに進出している日本企業は約6,000社(世界3位)。
道路を走る車も日本車が多く、街を歩いていても日本を強く感じる国でした。
バンコク中心地はまるで「六本木」のように高層ビルと
タワーマンションが立ち並び、想像していた発展途上のイメージとは
まったく異なる日本の大都会と変わりません。
⚡タイは急速にEV化へ、日本は慎重姿勢
タイでは今、EV化が一気に加速中です。
バンコクの路線バス3,200台は全てEV化
Grabは1万台以上のEVタクシーを導入
タクシー11万台のうち50%がEV
一方、日本はハイブリッドが主流で、
EVシフトには慎重な姿勢。国の戦略の違いを実感しました。
🧑🏭タイの労働市場
大学進学率:46%
失業率:1%前後(極めて低い)
技能人材の不足が課題
移民労働者:368万人
タイは「八方美人外交」「全方位外交」と言われるように、
移民受け入れにも寛容で、特定国に偏らない外交姿勢を持っています。
日本とは対照的だと感じました。
🎌日本アニメはタイで大人気
アニメ文化も日本とタイをつなぐ大きな架け橋に。
『鬼滅の刃ファイナル』はタイ史上最高の初日興行収入 7,000万バーツ を達成。
日本のサブカルは日本を好きになる入口として確かな力を持っていました。
🌏600年以上続く日タイ交流
御朱印船貿易の時代から、日本人町が形成されるほど日本とタイは交流が深い国同士。
政治・経済・教育・文化、あらゆる領域で歴史的なパートナーと言えます。
🌏ASEANとメコンの関係
東南アジアは「チーム」で動いています。
▶ ASEAN:東南アジア10カ国の“クラス全体”
(タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ラオス、ミャンマー、カンボジア、ブルネイ)
▶ メコン地域:その中の“近所の5カ国チーム”
(タイ/ベトナム/ラオス/ミャンマー/カンボジア)
だから、“メコンの要=タイ” を理解することは、アジア全体を理解することに直結すると強く感じました。
🧭現地に行かないと分からない世界
私は東南アジアに一度も行ったことがなく、発展途上国のイメージで止まっていました。
しかし、バンコクの街並みは日本とほぼ差がないほど発展し、一方で市場では肉が外気に触れたまま大量に並び、カエルや豚の顔、鳥の生首など、まるで千と千尋の世界のような光景もありました。
“教科書では絶対に伝わらない空気”
“地図だけでは分からない国のリアルな温度”
これこそが視察の醍醐味だと実感。
\🇯🇵🤝🇹🇭日本が果たしている役割は想像以上に大きかった/
視察を通じて、国際協力・安全保障・経済・技術・インフラ・教育・医療・環境改善
本当に多くの分野で日本が深く関わっていることが明確になりました。
日本では批判・誤解されがちなJICAやODAも、現地では“生活基盤そのもの”を支える存在で、日本の信頼と存在感が確かに高まっていることを肌で実感しました。
📘【ODAの70年】
技術協力:2,490億円
有償資金協力:2.5兆円(世界3位)
無償資金協力:1,100件以上
これは日本がお金をばら撒いているのではなく、
日本と相手国が共に発展するための未来への投資でした。
✈️学び続けたい
視察を通じて、
日本が世界でどう見られているか、
日本が世界に何をしてきたのか、
日本人が外国をどう理解すべきか
その重要性を改めて強く感じました。
旅行では見えない“国の本質”に触れることができるのが、視察の価値。
これからも、今回のように実費であっても海外視察に積極的に行き、
私の知らないことを好奇心のまま、人生を通してまだまだ学び続けたいと思います。
世界を見た上で、日本を見る。世界を知った上で日本を知る。
これはとても大切なことだと、心で感じました。
〜補足〜
ODAは Official Development Assistance(政府開発援助) の略です。
日本の政府や自治体が、
開発途上国の発展のために行う「公的な支援」のことを指します。
✔ インフラ整備(道路・橋・空港・水道)
✔ 教育・人材育成
✔ 医療
✔ 技術協力
✔ 災害・環境対策
日本におけるメリットとは?
① 日本企業が進出しやすくなる(経済的メリット)
日本が道路・橋・電車・空港などのインフラ整備に協力すると、
その国が発展し、日本企業が入りやすくなる。
→タイに日本企業6,000社あるのも、この土台があったから。
② 親日国になることで安全保障にもプラス
③ 日本の技術の国際標準化
ODAを通じて日本の技術(鉄道・水道・橋など)をその国が採用すると、
→日本の企業が世界で有利になる
④ 資源・食料・サプライチェーンの安定
食料・エネルギー・製品の供給が安定する。
→ 日本の暮らしの安定に直結
⑤ 長期的に返済されるODA(有償資金協力)
ODAには無償、有償(返済あり)
があり、有償の場合は返済される。
→ 元本+利子をつけて返済される