うちのマンションの、私の部屋の隣の部屋に住んでいる人は

おっさんだ。

犬を数匹飼っている、人見知りのおっさんだ。

おっさんの部屋からはいつも犬の声だけしかしない。

犬しか住んでないんじゃね~の?


あたしの部屋からは愛犬の雄叫びやら

『デスパレートな妻たち』の音声
(「マイク!!ねぇマイクってば~♪」みたいな萬田久子の吹き替え)などなど

旬な音が24時間フルタイムでダダ漏れているというのに。


おっさんは超寡黙だ。


寡黙な隣のおっさんは、
外に出ようとして玄関のドアを開いたときに

偶然私が通りかかったりすると

開きかけたドアを閉める。

「その気持ち、あたいもわかるよ! あんたと同じ人見知りだよ!」

と、エブリタイム・・・マイハートのボイスがシャウトしてる。 ←ルー大柴?

だからって
おっさんの心の壁を破壊できるほどの社交性を

私が持ち合わせているわけがない。

てか、おっさんの顔すらおぼえられない。(いつも一瞬の出会いなので)


けど、今日は
そんなおっさんの顔を計30秒くらい拝めた。

朝ゴミを出すとき、偶然同じタイミングで玄関のドアを開いてしまったのだ。

しかも、おっさんもゴミを持っている。

ってことは、生きてんだな。生活してんだ、ちゃんと。


いつもならここで、おっさんの方が私に気づいてドアを閉めるはずだが

なぜか、私に気づかない。

なぜ?なぜ?


ビコーーーズ! (ルー復活)

どうやら彼には私より会いたくない人がいるようだ。

その人が我がマンションのゴミ置き場の前にいたのだろう。完全に意識が別んとこ。

おっさんはゴミ置き場の様子を確認したあと

ゴミを持ったまま自分の部屋の方へ戻ってきた。


私も急いで部屋の中にもどる。(だって鉢合せして挨拶したくないから ←!?)


私は部屋の窓から、隣人の行動を見守る。(私の行動のほうがおかしいってことは、百も承知)

どうした!ゴミは諦めるのか、いいのか!?おっさんよ。

私は見守る。自分ちのゴミを片手に。カーテン越しに。



おっさん! オッサン! OSSAN!!!



私の心の声が届いたのか

おっさんはあきらめなかった。

おっさんは、隣のマンションのゴミ置き場にゴミを捨てに行ったのだ。


あぁ、おっさん。

私もよくそのマンションに捨てに行くよ。気持ちワカルよ。

そうか。

今日はうちのマンションのゴミ置き場に


大家さんがいるんだね。

だから隣のマンションに捨てるんだね。


あぁ、私も大家さんに会いたくない。

おっさんのマネしたい。

私も我が家のゴミを隣に捨ててしまいたい。

といっても、大家さんは悪い人じゃない。むしろいい人。

ただ、、挨拶するのが面倒ってだけで…歳はとっても現代人だから。ネェ。


数秒悩んで私は決めた。

私は自分のマンションに捨ててきます! ←当たり前

うちのマンションの住人が、立て続けに隣のマンションにゴミを捨てに行くなんて

おかしいじゃない。どっちの大家さんもビックリじゃない。

それに、隣のマンションの大家のほうが怖いし。。。


ってことで、私は左手にゴミ、右手に愛犬を抱えてゴミを出しに行った。

ちなみに右手の愛犬は、大家さんとのコミュニケーションツールとして手放せないアイテム。

いざ!

私「おはようございます」

大家「おはよーございます~ あらぁぁぁ~~~ヨチヨチヨチ・・・アハハハ(5秒で犬に首ったけ)」


・・・やりとげた。


どうだ、隣人。見ていたかい?

見てくれよ。


まだお目にかかったことのないお宅の犬も

こうして抱えてゴミを出しに行けば大家もイチコロなんだよ。



て、隣人へのアドバイスを

ブログでしか公開することができずにいる私ってきもちわりい。




隣のおっさんへ

光の線をたどって、私のブログを探してください。