東京の子 | エンタメ系で逝こう!

東京の子

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 東京五輪後を書く近未来小説。藤井太洋作品は技術によって演繹される近未来と人間の受容と変容を書いてきたと考えているけれども、本作はより社会の比重を大きくしながら個人に強くフォーカスを当てていて、今までとちょっと外れていた。

 五輪後の日本、働き方改革、パルクールの三題噺として悪くないけれども、個人的にはやや食い足りないかなと。本作全体がプロローグとして、これからさらに大きな物語になるのを読みたかった。