第93回 患者さんが病院を選び、医師を選ぶ時代 | [粒子線治療][陽子線治療][菱川良夫] 名誉センター長のこばなし ~がんから学ぶこと~

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一般社団法人 メディポリス医学研究所
メディポリス国際陽子線治療センター 名誉センター長
菱川良夫による講演からの小話。


テーマ:
先日、手術後に抗がん剤治療を受けている方から相談を受けました。

「手術後、定期的に抗がん剤治療を続けているのですが、まだ転移が残っています。その部分に対して粒子線治療を受けることは可能ですか?」というもの。

資料を見るかぎり治療はできそうでしたし、
本人自身が元気そうなので、残っているがんを可能な限り治療したいと考えました。

「紹介状と資料を用意して下さい。再度相談の場を設けます」
とお話しした時、この方の本当の悩みを知りました。



その悩みとは...

現在治療を受けている病院の主治医の先生に、以前にも粒子線治療を受けるための紹介状をお願いされたことがあったそうです。
しかし、主治医の先生からは、「紹介状は書くけど、よそで治療を受けた後はうちの病院では診れない。これは病院の方針なので...」と言われたとのこと。

最初の手術を受け、再発転移が分かった後も治療を受けてきた信頼していた病院や医師から、診療拒否宣言をされたことで、どうして良いかわからなくなったそうです。

結局、この方は転院し、粒子線治療を選択しました。
悲しいことですが、少ないながらも、まだこのような病院があるのも事実です。



この話を聞いて、アジア国際医療シンポジウム(3月10日 / 博多)で
「粒子線治療を受けた後も、紹介もとの病院できっちり診てくれるでしょうか? 心配です」という質問があったことを思い出しました。

この質問に対し、シンガポール、マレーシア、タイの先生はこぞって
「それは当然です。診ないことなどありえません」と即答しました。



日本では、昔ながらの「医師が治療をしてあげている」という考え方が長かった為、「転院すること = 私を信頼していない、けしからん」という発想を持つ医師が少なくありませんでした。

しかし時代が進み、インターネットで様々な情報を収集できるようになったいま、
そのような考え方が通じるとは思えません。

本当に幸せな医療を受けた人が、体験談を発信しています。
自分が体験して良かったこと、悪かったことを、実名で発信しているのです。

そんな社会は、「患者さんが病院を選び、医師を選ぶ時代」と言われています。


病院も医師も、謙虚に患者さんに向かい合わなければ選んでもらえない時代が来ていることは、医療界にとって非常に良いことだと感じています。




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