2005-04-25 03:40:20

双子は知能が低いから自殺率が低い?

テーマ:心理学 (死)

twinskiss 双子は自殺率が低い。その理由は知能指数が低いからかもしれない、という案。

この研究者がこの案を導いたのには下記のような過去の統計がある。双子は自殺する率が低い。双子の他の特徴としては、双子は知能指数が低い。知能指数にして6ポイント、SD(標準偏差)にして0.4ポイント低い。自殺するにはある程度の知能が必要だし、実際に国全体として知能指数が高い国の方が自殺率が高い。更に、天才と言われる域の知能指数の持ち主は自殺が蔓延している。こういった統計を繋ぎ合わせて考えると、双子は知能指数が低いから自殺率も低いのではないか、というのがこの研究者の案。

「案」と僕が呼んでいるのは、この研究者がこの発表をレターという形で投稿しているから。つまりまだ直接この案を支持する研究をしていない。この案を支持するには実際に自殺した双子と知能指数の高さの相関関係を示す必要があるだろう。でもまだ。

最近の科学界では双子への風当たりが強いように見える。これはクローン技術が現実になることへの警鐘だろうか。つまり双子ですら遺伝的に弱い要素が多いのだから、クローンなんて更に弱いんだよ、ということを誇張しているのか?

それはさておき、この研究者も指摘している通り、僕は社会的理由の方が影響が大きいと思う。双子は生まれた時から1人の近しい友を約束されているようなものだ。自殺者の一番の危険な状況と思われる一人で思い悩んでしまう状況になっても、双子なら話す相手がいる。それがもう片割れの方だ。今後の研究の進展を見守ろう。

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検索キーワード: 社会心理学 性格心理学 自殺 双子 鬱 知能指数 IQ

元のニュース:Martin Voracek (2003) Risk of suicide in twins. BMJ 2003: 327: 1168 (15 November).
この研究者のほかの論文を以前に紹介したな(過去記事 )。直接の関連が無い記事なんだけど売れ線狙いの研究者なんだろうか。

 

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2005-04-15 22:15:59

自殺されると身内も後追い。特に男性

テーマ:心理学 (死)
elderpartnersパートナー(配偶者、同棲者)が自殺してしまうと残された方も自殺する可能性が24倍も高かった。九千人のデンマーク人を調べた結果。

この研究者は九千人の自殺者について、その家族を調べた。一般の人と比べるために自殺していない人の家族も調べた。調べた数は総計47万人という大規模な研究だ。パートナーが自殺したあと2年以内に残された方も自殺した数は10万人あたりの数で626人だった。(今回の実際の数では4476人中28人)。比較した群(パートナーは自殺していない)の配偶者や同棲者の自殺した数は10万人あたりの数で26人だった。(今回の研究の実数では130220人中34人)。これは通常にいわれる自殺者の数10万人あたり10人(自殺率の資料)に近い数字なので信頼できるだろう。で、2つの群を比べると、パートナーが自殺した群の残された配偶者や同棲者が自殺する率は24倍も高かったことになる、これはパートナーが自殺していない群に比べて。

男女差がこの研究にはあって、既に24倍も高い後追い自殺の中で、男性が残されるとその自殺率は女性が残された場合に比べて3倍高かった。この理由としてこの研究者が考えているのはこんなこと。男性は妻が自殺して落ち込んでも助けを求めない、精神的に弱ってると周りから思われない。

24倍はでかい差だな。この論調だと自殺があったから後追い自殺をする、というのが主点になっているけれど、パートナーが同じ価値観を持っているとも考えられるだろう:つまり落ち込んだ時の解決策として自殺を選ぶもの同士がパートナーになっていた。(過去記事恋人は価値観が似ている)。

あと男の方が後追い自殺をするというのも興味深いな。これは日本の老後の問題に似ているな。老後に妻が(どんな死因にしろ)先立つと、男には1人で生活する能力が無くすぐに死んでしまう。しかし夫が先立っても妻には生活能力があるので生きていける。どこで仕入れた情報高は忘れてしまったけど。男もこういう面では弱いな。老後に男が独りでも行き抜くためにはどんな社会が必要なのかを考えてしまったよ。

元の論文:(PDF)Midlife suicide risk (PDF)

検索キーワード: 心理学 社会心理学 
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2005-03-09 14:07:43

人は誕生月に死ぬ 3 自殺

テーマ:心理学 (死)
人は自分の生まれた月により死にやすい(過去の記事は下記にリンク)。第二の理由として僕が考えたのが社会的理由だ。これは誕生日を本人が意識して、その意識が何らかの形で作用して死に至る。ストレスというのもその一例だろうけれど、最も顕著に表れるのは誕生月に行われる自殺だ。

この研究者はアメリカのある州の一年間の自殺者311人について調べた。それぞれの誕生日を基点として一年間を3ヶ月毎の4半期に分けた。確率に忠実ならばそれぞれは25%ずつになるはずのところ、誕生日の直後の3ヶ月間には42.8%の自殺者が集中していた。これはカイ2乗試験で99.91ポイント、p値0.005%以下の可能性だ。

この結果は面白いな。42%は大きい。この統計が本物なら、これは誕生日に関連した自殺の立派な証拠の一つになる。単純化したシナリオを書けば、誕生日まで待ってみたけど誰も祝ってくれなかった、もう死のう、とか。あ、これは以前の記事でも書いたけど、男性の一人身の方が誕生月により死にやすい、と言うデータから勝手に想像。ただ、今回紹介した研究はサンプル数が少ない。311人だけだ。統計として300という数は多いんだけど、一年が365日あることを考えるともっと大きなサンプル数のほうが説得力が増すだろう。あと古い。

元記事:
Phillip R. Kunz (1976). Relationship between suicide and month of birth. Psychological reports, 1978, 42, 794.

人は誕生月に死ぬ 2 テロメア
http://psychnote.ameblo.jp/entry-47a8919abe4fcf4e8e565c0647fac7b9.html

人は誕生月に死ぬ 1
http://psychnote.ameblo.jp/entry-65d911f7bd23c04f611bc06d0666df13.html

検索キーワード: 心理 心理学 社会心理 誕生月 死亡月 ストレス 疲れ 区切り 誕生日
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2005-02-22 15:58:16

女性の方が自殺を考える。でもしない。

テーマ:心理学 (死)
イギリスでの統計によると、自殺をしようかと考えたことのある人は女の方が多かった(38人に一人、男は50人に一人)。これは実際の自殺率とは逆だ。実際に自殺に至るのは男の方が多い。

年齢では若い層(16~24歳)が最も自殺を考えたが、これも実際の自殺率とは逆。この層の自殺率は一番低い。

自殺を考える人にありがちな他の傾向としては、独身者(結婚したことが無い、同棲したことが無い、配偶者に先立たれた)、ストレスが多い、社会的地位が低い、無職などだった。

この研究でもわかる通り、自殺の予測は難しいよな。自殺の考えだけでは強い予測因子ではない。自殺を考えたからと言って全員が自殺するわけではないし、反対に自殺をしないとも言えない。危険因子がもっと解れば周りが助けてあげられると思う。

去年、僕の友達の彼女が自殺した。自殺は大学生の一番だか二番目の死因だそうだ(アメリカでは)。あの時は僕らみんな相当へこんだし、今でも兆候を汲み取ってもっと何かができなかったのかなと考えるよ。この子の場合は数ヶ月前に自殺未遂をしていたので兆候はあったんだけど、それを知ったからと言って自殺を食い止めるのはまた難しいよな。

Suicidal Thoughts More Common Among Women
http://www.sciencedaily.com/releases/2004/11/041103234351.htm

キーワード: 心理 心理学 死因 ストレス カウンセリング 療法
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2005-02-21 00:01:43

人は誕生月に死ぬ 2 テロメア

テーマ:心理学 (死)
先月、人は誕生月に死ぬ、という記事を書いた(リンクは下)。統計的にはかなりの差があるので、何かちゃんとした理由があるはずだ。僕がまず考えた理由はテロメアだ。だけど結局それを裏付けするデータが見つからなかったんで、これはあくまでも僕の仮説として書くよ。

テロメアというのは細胞一つ一つの中に在って、その細胞が何回分裂できるかを決めている。年を取っていって、テロメアもだんだんと短くなって細胞が分裂できなくなると人の死に繋がってくる。

テロメアは様々な要素で短くなるとされている。例えば長期間のストレスがテロメアを短くしているらしい(Science誌2004年12月3日号)。でも誕生月との関係は未だ報告されていない。

そこでもう一つの考えを加えた。年輪だ。切り株を見ればわかる通り、木の細胞分裂間隔は一年が大きな一単位だ。動物でも夏毛や冬毛に生え変わるので年単位の細胞分裂があるとも考えられる。人間に年単位の細胞分裂が有ってもおかしくないだろう。その時にテロメアが擦り切れていて、もう細胞分裂ができないと言うのも(僕の中では)納得のいく話だ。

ただ冒頭でも書いた通り、この分野の資料が全く見つからなかったんで、実のところは未だわからない。皆さんはどう思いますか?誕生月に死ぬほかの理由は何があるだろう?

人は誕生月に死ぬ 1
http://psychnote.ameblo.jp/entry-65d911f7bd23c04f611bc06d0666df13.html

Constance Holden. Long-Term Stress May Chip Away at the Ends of Chromosomes. Science. 3 December 2004. v306. 1666.

知識の泉Haru’sトリビア(一人では早死にしてしまう男性たち)
http://amor1029.exblog.jp/1669943/
にTBを打ってたんだけど消えちゃったな。さっきまではTBが表示されてたんだけど、今はもう僕のTBが表示されていない。

キーワード: 心理 心理学 生まれ 星座 死亡月 teloreme 社会学 遺伝子
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2005-01-28 13:35:38

人は誕生月に死ぬ 1

テーマ:心理学 (死)
人は誕生月に死ぬ。記事の題がちょっと煽り過ぎたかなとも思うけど、統計を見ると顕著だ。添付した画像を見る。X軸の0と言うのが誕生月だ。Y軸は死亡の数の%なので、通常に考えれば100%割る12月でひと月当り8.3%が相場だろう。しかし誕生月(0)だけ突出して9.7%くらいだな。男性(破線で示されている)に限って言えば10.7%くらいだ。逆に半分誕生日(6ヵ月後)では極端に落ち7.0%だ。

これは不思議な統計結果だな。統計の差としては確実だ。男性は10522人の誕生月と死亡月を比べている。統計として十分な数だ。でも直感的に受け入れづらい結果だよな。どんな理由が考えられるだろう?僕がパッと思い付いた理由は二つ。これは一週間くらい資料を探す時間をもらって、それから書こうと思う。理由を思い付いた人はコメントください。

この研究者はもう少し統計を進めている。心臓病で死んだ人(4779人)は誕生月に死ぬ傾向がより強い。未婚の人(5811人)は誕生月に死ぬ傾向が更に強い。一人で住んでいる人(2104人)は傾向が更に更に強い。前月8.4%、誕生月12.2%、翌月7.4%だ。2100人の死亡月がここまで偏るのは本当に驚きだ。

これらの結果を踏まえてこの研究者はこう推察している、誕生日はストレスの溜まるイベントだから死に至ってしまう、と。結婚しているとそのストレスから守られるのだろう、と。おい、そんなしょぼい推察で良いのか?もう少し科学的裏づけのありそうな理由付けをするのが研究者の仕事だろう。統計が魅力あるだけにこの案にはとってもがっかりだよ。素人が思い付きを言うんなら面白い案だけど、あんたは研究者なんだから。

ちなみに新生児がすぐ死亡で誕生月の死亡率が高い、と言うオチも研究としては楽しそうなんだけど、このデータは35歳から84歳の人ので、1966年から1968年の国の調査だ。

元の論文
Grigsby, J. S. (1985). Special occasions, stress, and mortality: Do people tend to die during their birth month? Social Biology. Spri-Sum 1985. Vol32(1-2) 102-114.

検索キーワード: 心理 心理学 社会心理 ストレス 自殺 誕生月 死亡月 生まれ 老化 老人 老い 星座 バイオリズム
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2005-01-22 11:14:01

知能が高いと自殺率が低い

テーマ:心理学 (死)
スウェーデンでの研究によると、IQ(知能指数)が高い方が自殺をする可能性が低かったと言う統計結果が出た。

除隊した軍人(百万人!)を数十年に渡って調査したところ、IQと自殺率に強い相関関係があった。入隊時にIQを4つの観点(論理、言語、空間、数学)から試験し、それぞれが自殺のしにくさと強く結びついた。例えば論理知能の点数(1最低~9最高)までがほぼ綺麗に自殺率と直線関係がみられた。論理知能最低(1)の自殺率0.005%から論理知能最高(9)の自殺率0.001%までが概ね直線で結ばれた。この研究者は理由として精神病の可能性を挙げている。つまり、低知能指数はうつ病や精神分裂病との相関関係が高く、これらの精神病は自殺との相関関係が高い。従って、低知能指数と自殺率の相関関係が高いのも納得できる。ちなみに今回の研究対象は男性のみだった。

100万人中2800人が自殺なんて、馬鹿でかい数の統計だな。内容が一般的なのに、研究がしっかりしてるんで意外。知能に相関関係があるのは確からしいな。ただ、知能は一要因に過ぎず、自殺率を数倍挙げるだけ、と言うのを時にマスコミなどは伝えるのを怠るのを見る。変な日本語になったけど。自殺には遺伝も関係していると言われている。例えばヘミングウェー(上の写真)の一家とかね。いろんな要因が研究されて、自分にどんな危険が高いとか解ると、事前処置とかもできるかも。

Low intelligence test scores in 18 year old men and risk of suicide: cohort study
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/full/330/7484/167?ehom#TBL3

IQが低い人ほど自殺する(旬のイギリスさん)
http://ukstyle.exblog.jp/1570138
既に日本でも紹介されてるんだな。イギリス発だけど。

多重知能の本の紹介(小枝さん)
http://blog.livedoor.jp/dogmania/tb.cgi/11021746
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