春の兆しを感じる今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
私は花粉症に悩まされ、目のかゆみが出てきました。
昨日、品川で、ごみ屋敷対策に関する会合に招待され、総務省、自治体、大学教授などの方々に講演してまいりました。
私は、2年前から、地域医療へのお手伝いとして、区役所と医師会からの依頼を受け、ごみ屋敷解決が思うようにいかない事例についての相談を定期的に受け、そして『ごみ屋敷対策相談医』としてアドバイスをしています。
この『ごみ屋敷対策相談医』の導入が日本初の試みだそうで、画期的な取り組みとして注目され、私が講演することになりました。
会場では、ごみ屋敷問題に取り組む方々からの報告を聞けて、書物や論文からでは知り得ない、現場のリアルを知り得たのは収穫でした。
ためこみ(hoarding)は、過剰な物の収集とそれらの収集物をため込んでしまい、捨てられない、という衝動行為です。これは病的な癖の一つであり、害が少ないとされていますが、ためこみの症状が持続することにより、生活空間が物であふれ、食生活や睡眠、身だしなみの乱れなどに関して深刻な生活機能の障害が生じます。
ためこみはいろいろな疾患でみられる症状ですが、直近の精神医学分野における診断基準であるDSM-5やICD-11では強迫性障害(OCD)の一症状としてみられていたものが、ためこみ症として新たな病名として分類されました。
とはいえ、ためこみ症と診断される患者様と臨床場面でお会いすることはほとんどなく、これからの精神疾患であると言えます。
日本での研究が進むことを期待したいと思います。
橋本治さんの小説、『巡礼』では、団塊世代の忠市の自宅がごみ屋敷化していく有り様と、そこに至るまでの遍歴が描き出されています。
是非ご一読ください。
(日経新聞20230402)
そういえば、今日は東京マラソンの日でしたね。
ランナーの皆さん、ゴール目指して頑張ってください!
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一人でも多くの患者様がよりよい生活を送れるよう、スタッフとともに日々精進してまいりたいと考えております。
何かありましたら遠慮なくご相談ください。