2008年02月28日(木)

Buddy Miles (1947-2008)

テーマ:News
Electric Flag~(ジミヘンの)Band of Gypsysのドラマーで、カルロス・サンタナとの共演作などで知られたバディ・マイルスが26日に亡くなったそうです。まだ60歳だったんですね。ご冥福をお祈りします。

ソロ(Buddy Miles Express)の代表作としては、"Expressway to Your Skull"(1968)、"Them Changes"(1970)など。いずれもサイケファンクな好盤となっています。


曲はNeil Youngのカバー。アルバム"Them Changes"に収録。


Expressway to Your Skull
Buddy Miles Express
Expressway to Your Skull

Them Changes
Buddy Miles
Them Changes
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2008年02月27日(水)

境界サイケ特集 その16

テーマ:サイケデリック
Turn on, Tune in, Drop Out
Dr. Timothy Leary
Turn on, Tune in, Drop Out

「LSDの教祖」ことティモシー・リアリー(1920-1996)は、オルダス・ハクスリーの「知覚の扉」などとともに、サイケデリックムーブメントの思想的な支柱となった人。60年代前半、ハーバード大学の心理学教授だった時に、学生らを被験者にしてLSDや幻覚キノコの実験を行ったことで、大学を追放されます。その後、麻薬と認定されて違法化したLSDを篤く擁護し、"Turn on. Tune in. Drop out."という合言葉を掲げて、カウンターカルチャーのイコン的存在となります。そんな彼を政府は危険人物とみなして逮捕・投獄したものの、支援者の助けによってまんまと脱獄してしまったのでした。

この人、知の巨人でありながら、あまりにもそのアイディアがぶっ飛んでいたために、われわれ凡人には「狂人のたわごと」と区別がつかないという、なんだか気の毒なところがあります。そのへんも、いかがわしい、胡散臭いという、サイケ音楽と親和性のあるイメージになっていて面白いところです。

さて、Timothy LearyはFuzz, Acid and Flowersにもエントリーされている「レコードアーティスト」でもあります。1966年の"L.S.D"は、先生のおしゃべりだけで、さすがにちょっとキツいですが、上に挙げた"Turn On, Tune In, Droup Out"(1967)は境界サイケ的な名盤です。ビヨ~ンビヨ~ンというシタールなどのサイケなバッキングに、エフェクトを効かせたティムや女性の語りが乗っかる、「しゃべくりサイケ」な佳作となっています。

また、1970年リリースの"You Can Be Anyone This Time Around"では、Timothy Leary (Rap), Stephen Stills (Guitar), John Sebastian (Guitar), Jimi Hendrix (Bass), Buddy Miles (Drums)、という超豪華なクレジットのジャム(約14分)が聴けます。"Zodiac: Cosmic Sounds"なんかで「しゃべくりサイケ」に目覚めた方はぜひお試しください。あと、ドイツのAsh Ra Tempelと逃亡先のスイスで共演した"Seven Up"(1972)なんかも有名です(タイトルはLSD入りの7Upを飲みながらレコーディングしたからだとか)。

You Can Be Anyone This Time Around
Timothy Leary
You Can Be Anyone This Time Around

ティモシー・リアリー
ナウオンメディア(株)
ティモシー・リアリー [DVD]



DVD「ティモシー・リアリー」(原題"Timothy Leary's Dead")より。



1997年のアルバム"Beyond Life with Timothy Leary"より。



チーチ&チョンのコメディ映画「気分は最高」(1981)に精神科医の役で
出演。幻覚に現れるジミヘンは「ポリスアカデミー」で有名なマイケル
ウィンスロー。途中のPeeweeは映画とは別の反ドラッグPRとのこと。


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2008年02月25日(月)

Fred Neil

テーマ:YouTube
Falloutから初期シングルのコンピが発売されるということで、フレッド・ニール関係を・・・。

"Dolphins", "Everybody's Talkin'", "Sweet Cocaine"は、アルバム"Fred Neil"(1966)に収録、"Other Side of (to) This Life"は実質上のソロデビュー作"Bleecker and MacDougal"(1965)に収録されています。ちなみに、アルバム"Fred Neil"は、1969年に"Everybody's Talkin'"のタイトルでリイシューされています(同一内容。映画"Midnight Cowboy"のからみによる)。このアルバムには、H.P. Lovecraftらがカバーした"That's the Bag I'm In"なんかも入ってます。


彼の代表曲。Tim Buckley, Richie Havens,
It's a Beautiful Dayなどもカバーしている。



ヒットしたニルソンのバージョン(映画サントラ)の方がお馴染みかも。



1966年の実況録音より。



本人のバージョンが見当たらなかったのでJAのカバーを(atオルタモント)。
狼藉の限りを尽くすヘルスエンジェルスにマーティ・バリンが殴られる一幕。


Tear Down the Walls/Bleecker & MacDougal
Fred Neil
Tear Down the Walls/Bleecker & MacDougal

Fred Neil
Fred Neil
Fred Neil

Echoes of My Mind: The Best of 1963-1971
Fred Neil
Echoes of My Mind: The Best of 1963-1971
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2008年02月21日(木)

Fallout 3月の新譜

テーマ:News

Montreal
A Summer's Night

これは、ひそかにCD化を待っていたタイトル。Montrealというグループ名どおりカナダのユニットですが、1970年の本作はRichie Havensのプロデュースによってニューヨークで録音されています。Richie Havensはシタールの演奏でも参加していて、ほかにFalloutの再発でお馴染みのBuzz Linhartや、著名なジャズフルーティストのJeremy Steigなどがバッキングをつとめています。

音は女性のリードボーカルをフィーチャーした、ジャジーなサイケフォーク~ソフトロックサウンド。女性ボーカル入りでフォークとジャズが混ざっているといえば英国のPentangleを思い浮かべますが、印象はかなり違って、Pentangleのようなピンと張り詰めた緊張感はなく、全体にヒッピー/フラワーっぽいユルさとメランコリックさが通底しているのが特徴です。

アコギ+ウッドベースによるフォークチューンから、フランス語で歌われるシャンソン、ハープシコード入りのバロックポップ風ナンバー、ジャズピアノに乗せて歌われるラウンジ風の曲、シタール入りの濃厚アシッドフォークサイケ・・・。スタイルは色々でも、独特のメロウで「たそがれ」たムードが統一感を醸成していて、とても良いです。詳細はこちら




Terence
An Eye for An Ear

こちらもカナダ出身のアーティストのTerry Blackがボーカルを担当したスタジオプロジェクト作(1969)。トロントとニューヨークで録音された、"A mindblowing mixture of pop, psych and electronica"とのことです。Terry Blackは地元のカナダでは、十代の時ヒットチャート常連だったポップシンガーだとか。ストリングスやホーン、オルガンや女性ボーカルが入った曲とか、ファズギターがフィーチャーされた"One of the greatest psychedelic tracks of all time"な曲もあるそうです。詳細はこちら




Far Cry
Far Cry

ボストン出身の7人組による1968年のアルバム。Blood, Sweat & TearsとCaptain BeefheartとQMSのJohn Cipollinaをブレンドしたみたい・・・なんて評されています。アバンギャルドなブラスロックにサイケなギターを加えたみたいなサウンドか? 当時悪名高かった「ボスタウンサウンド」ものとして捨て置かれていたレアアイテムらしいです。詳細はこちら




Fred Neil
Trav'lin Man

Fred Neilは、Tim BuckleyやDino Valenteをはじめ、後続のアシッドフォークシンガーに多大な影響を与えた人。当時のフォークロック~サイケバンドの定番曲だった"Other Side of This Life"や、のちに映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌としてニルソンがカバーした"Everybody's Talkin"の作者でもあります。

本作は彼がバディ・ホリーやロイ・オービソンなどのソングライターやセッションマンとして活動していた時代、1957年から1961年にかけてリリースされた、彼自身による6枚のレアなシングルからの12曲を集めたコンピレーションとのことです。詳細はこちら




Velvet Night
Velvet Night

これはオモシロい! ひとことでいうと「変態似非ヘヴィサイケ」。Hobbits(New Hobbits)の仕事で知られるJimmy Curtissらのプロデュースによるアルバム(*1)なんですが、ソフトサイケなHobbitsとは似ても似つかない、インチキ臭いムードが濃厚に漂う、ドゥーム系ヘヴィサイケデリアとなっています。

全8曲のうち、1曲のみがバンドメンバーのペンによるもの。3曲がプロデューサーのJimmy CurtissとSteve Kanyonの作品で、半数にあたる4曲は、Donovanの"Season of the Witch"、Tim Hardinの"If I Were a Carpenter"、The Bandの"The Weight"に、Creamの名曲群のメドレーというラインナップになっています。中でも、プロデューサーチームが書いた曲がなかなか強烈で、ブラックサバスみたいなB級ホラー感を漂わせた変態ヘヴィサイケチューンとなっています(ファズギター入り!)。

Creamメドレーの"Tribute to Cream"なんかも、アートロック~オルガンヘヴィサイケのVanilla Fudgeや初期Deep Purpleのフレーズなんかが飛び出してきて、かなり怪しいです。ファズギター&ハモンドオルガンが活躍するのと、女性ボーカルが入ってるのが特徴で、唯一のバンドのオリジナル曲は男女が交互にリードボーカルを取る似非Jefferson Airplaneみたいになっているのも面白い。詳細はこちら

*1
オリジナルは1969(1970?)年。1971年にJimmyのレーベルからWould名義でリイシューされた。

2008年02月19日(火)

境界サイケ特集 その15

テーマ:サイケデリック
前回のサーフインスト関連アーティストに、もうひとり付け加えたい人がいました。この人/バンドを語るにはバイカー映画の話とかもしないといけなくて、長くなりそうだったので、今回独立枠での登場となりました。


Devil's Rumble: The Davie Allan & the Arrows Anthology
Davie Allan & the Arrows
Devil's Rumble: The Davie Allan & the Arrows Anthology

Davie Allan & the Arrowsは、西海岸(ハリウッド)出身のサーフインストグループ。1965年にサーフインストの定番曲、"Apache"をリメイクした"Apache '65"をヒットさせ、同年にそれをタイトルにしたデビューアルバムをリリースしています。

彼らのサウンドを表現するのによく使われるのがsurf-meets-psychedeliaという言葉。1965年のデビュー作は、随所に変態っぽいギターが聞けるものの、さすがに従来のサーフインストアルバム寄りの音でした。しかし、その翌年あたりから、サーフビートに乗せたDavieのギターは、並のサイケギタリストが吹っ飛んでしまうくらいの、ズブズブでぐにゃぐにゃに歪んだ変態ファズギターサウンドに彩られるようになります。

その象徴となったのが、バイカー映画のハシリ"Wild Angels"(1966)で使われた、彼らのファズギターインストチューン。中でも、"Blue's Theme"は全米37位のヒットを記録して、いわば「イージーライダー」の「ワイルドで行こう」のようなトレードマーク的楽曲となりました。そして、後続の"Devil's Angels"(1967)や "Born Losers"(1967)、"Glory Stompers"(1968)といったバイカー映画にDavie Allan & the Arrowsはつきものとして、ひっぱりだことなったのでした。

この「ワイルド・エンジェル」という映画、それまでは主に「アッシャー家の惨劇」「恐怖の振子」「姦婦の生き埋葬」といったB級ホラー映画を撮っていたロジャー・コーマン監督が、新たな試みとして若者文化に目を向けた記念すべき作品です。本作に出演したピーター・フォンダとブルース・ダーンは、同監督による元祖アシッド映画「白昼の幻想」("The Trip", 1967)でも共演しています。そして、ピーター・フォンダは「白昼の幻想」に出演していたデニス・ホッパーと、脚本を担当したジャック・ニコルソンと意気投合し、のちに「イージーライダー」を制作することになるのでした。もちろん、バイカー映画の「ワイルド・エンジェル」が、音楽を含めて「イージーライダー」のヒントになったことは言うまでもありません。

ワイルド・エンジェル
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
ワイルド・エンジェル

さて、Davie Allan & the Arrowsですが、Sundazedが素晴らしいリイシュー作業を行ってくれています。冒頭に挙げたのは全40曲収録の決定盤的2枚組コンピ。歪みまくった変態ファズギターも満載の強力アイテムです。オリジナル盤としては、"Wild Angels"のサントラとは別に1967年に"Blues Theme"のタイトルでリリースしたアルバムや、1968年の"Cycle-Delic Sounds"などがあります。また、同じくSundazedからレアトラック集の"Cycle Breed"(2006)もリリースされています。

Blues Theme
Davie Allan & The Arrows
Blues Theme

Cycle Delic Sounds Of...
Davie Allan & the Arrows
Cycle Delic Sounds Of...

The Cycle Breed
Davie Allan
The Cycle Breed



"Apache 65"と並ぶ初期のヒット曲。すでに変態ギターの片鱗が…。



これはNuggets Boxのラストに収録されていて、
サイケ/ガレージファンにもお馴染みですね。


2008年02月15日(金)

第54回 Human Beinz

テーマ:無人島サイケ
Nobody But Me/Evolutions
The Human Beinz
Nobody But Me/Evolutions

Human Beinzといえば、Prunesの"I Had Too Much to Dream"やStrawberry Alarm Clockの"Incense and Peppermints"などと並ぶナゲッツクラシックの "Nobody But Me"で有名なオハイオ出身の4人組。そのヒットシングル(オリジナルは1962年のIsley Brothers)をタイトルにしたアルバム(1967)は、ガレージサウンドをベースにしながらも、ジミヘンの"Foxy Lady"のカバーなどのヘヴィサイケナンバーから、ど真ん中のサイケチューン、フォークロック、ストリングスが入ったポップな曲までを満遍なく取り揃えた「60sカタログ」的な作品になっています(*1)。

個人的にはそれ以上に気に入っているのが、その次の"Evolutions"(1968)というアルバム。前作よりもオリジナル指向の「ファズオリエンテッドなポップサイケ」という感じになっていて、サイケさとポップさとガレージっぽさを程よくブレンドした上に激渋ファズギターをまぶしてある、という美味しい音になっています。とりあえずファズギターの音がさらに強力になっているので、その筋のフェチの方にはオススメの逸品です。

上のCDはその"Nobody But Me"と"Evolutions"をカップリングした2on1。すでに"Nobody But Me"は持っているという方は、2曲のボーナストラックが追加されている下のCDをどうぞ。ちなみに、このバンド、1969年に来日していて、当時日本でのみ"Human Beinz in Japan"というタイトルを出しています。

Evolutions
The Human Beinz
Evolutions

*1
厳密にはこれはセカンドアルバム。Capitolと契約して"Nobody But Me"のヒットを放つ以前、Gatewayレーベルに録音した5曲(Whoの"My Generation"やThemの"Gloria"などのカバー)と、Mammalsという別のバンドの6曲がカップリングされたレコード(1967)が出ていて、CD化されています。



2008年02月12日(火)

New Tweedy Bros他、紙ジャケ再発

テーマ:News
ザ・ニュー・トゥイーディ・ブラザーズ(紙ジャケット仕様)
ザ・ニュー・トゥイーディ・ブラザーズ
ザ・ニュー・トゥイーディ・ブラザーズ(紙ジャケット仕様)

60sサイケ基本アイテムのひとつ、“New Tweedy Bros”(1968)が日本のP-Vineから紙ジャケで再発されます(4月4日発売予定)。アルミ箔貼り変型六角形ジャケットとのことで、伝説の変型ジャケがどのように再現されているのか楽しみです。なお、収録曲はShadoks盤CDと同じで、ボーナストラック1曲入りの全11曲となっているようです。


また、同じくP-Vineから4月4日に、ミシガン出身の4人組、Ellie Popが紙ジャケで再発されます(1968年作)。ボーカルワークなどにサイケ期ビートルズからの影響がうかがえるポップサイケ~ソフトロックで、美しくドリーミーなボーカルハーモニーが魅力的。でも、この手の作品には付き物のストリングスやホーンが入ってなくて、バックの演奏はファズギターやアコギなどギターサウンドが中心の、風通しの良いフォークロック風の音になっているのが特徴です。たぶん、今回が初CD化ではないかと思います。

訂正:以前、韓国のWORLD PSYCHEDELIAからCDが出てるそうです。

エリー・ポップ(紙ジャケット仕様)
エリー・ポップ
エリー・ポップ(紙ジャケット仕様)
2008年02月10日(日)

Ardent Studioの蔵出しコンピ発売

テーマ:News

Various Artists
Thank You Friends: Ardent Records Story

Ace/Big Beatから、メンフィスのArdent Studio/Labelに残されたレア音源を集めた2枚組コンピがリリースされます(amazonでは4月1日発売予定)。

タイトルの“Thank You Friends”とArdentというキーワードでピンと来た方もおられるかもしれません。メインとして、私も大好きな70sバンドのBig Starと、その前身であるRock City, Icewaterの未発表音源/レアテイクが多数収録されているとのことです。

Big Starは、60sクラシックの“The Letter”(1967)のヒットで知られるBox TopsのボーカリストだったAlex Chilton(*1)と、ArdentスタジオのエンジニアでセッションギタリストだったChris Bellが中心となって70年代はじめに結成されたバンド。Stax傘下のArdentレーベルからリリースされた数枚のスタジオ作は当時商業的にはふるわず、ほとんど話題にならないまま1975年に解散してしまいました。しかし、のちに若い世代からカルト的なリスペクトを受け、パワーポップの始祖的存在として多大な影響を与えました。

パワーポップとはいっても、特に“Thank You Friends”が収録されている “Third/Sister Lovers”(1975)なんかは、Velvet Undergroundの“Femme Fatale”をカバーしてたり、ダウナーでメロウで内側に沈み込むような感じとか、ぐにゃりと歪んだギターサウンドなどで、60年代から受け継いだまったりとしたサイケ感覚に溢れています。新しい世代のバンドの教典となったのみならず、「ポップサイケが70年代にあるべき理想形」といった捉え方もできる傑作なので、未聴の方はぜひ一度聴いてみてください。

さて、今回のコンピはそんなBig Star関連のみならず、60年代にArdentスタジオで録音されたレアな音源/バンドもいっぱい収録されている模様。The Ole Miss Downbeats、Wallabies, Bitter Ind, 1st Century, Honey Jug, Goatdancers and Badgers、Terry Manningが在籍していたLawson & Four MoreとAvengers、といった名前が挙がっています。

*1
“The Letter”をレコーディングした当時、Alexは16歳くらいだったらしい。この曲はその後数多くのアーティストにカバーされています。モップスも“Psychedelic Sounds in Japan”(1968)でカバーしてました。



2008年02月06日(水)

境界サイケ特集 その14

テーマ:サイケデリック
今回はサーフインスト関連です。サーフインストというと、一般的には真夏のプールサイドとかで流れるイージーリスニングというイメージなんでしょうが、ビヨンビヨンと歪んだエレキギターサウンドなんかにサイケさを感じるのは私だけではないハズ。さすがに、この方面まで深く踏み込んで聴いたわけではありませんが、所有する音源の中から境界サイケ的に美味しそうなものをいくつか挙げておきます。


Super Psychedelics/$1,000,000 Weekend
The Ventures
Super Psychedelics/$1,000,000 Weekend

サーフインストといえば、日本ではやっぱりベンチャーズ。彼らもやはり、サマーオブラヴの1967年にサイケデリックムーブメントにあやかったレコードを出しています。しかも、タイトルが“Super Psychedelics”! かなりキてます。

“Strawberry Fields Forever”や“Western Union”、“Happy Together”などのインストカバーに、“Psychedelic Venture”や“Guitar Psychedelics”、“Psyched-Out”といった、いかにもな曲名が並び、強烈なファズギターやシタールも登場します。でも、これがまた、いわゆる「企画もの」インストアルバムよりもさらに「微妙」な感じで素晴らしい。残念ながら、同趣のアルバム“Guitar Freakout” (1967)とのカップリングの2on1ともども、現在amazonではマーケットプレイスで高値が付けられていて、入手が難しくなっているようです。





Link Wray
Rumble! The Best of Link Wray

2005年に亡くなったリンク・レイは「元祖サイケギター」「ファズギターの父」と呼ばれたパイオニア的存在の人。サーフインストがブームになる以前の1958年に、当時としては画期的にハードなギターサウンドのインスト曲“Rumble”で一世を風靡しました。この曲、インストナンバーにもかかわらず、(ギターの音が)暴力的ということで一部のラジオ局で放送禁止になったそうです。

サーフインスト全盛の60年代前半も、ますます歪度を増したギターインスト(時には歌入り)サウンドで独自の道を歩み、のちのサイケやヘヴィロック、パンクなど数多くのギタリストに影響を与えました。この人のギターサウンドは単にヘヴィとかワイルドとかパンキッシュとかいうだけでなく、かなり変態っぽいのが特徴です。

アルバムは、グニャグニャに歪んだ変態ギターが満載の上記コンピがオススメ。ジャケからイメージするよりもずっと強力な内容です。ちなみに、1971年のセルフタイトルアルバムは、アーシー&レイドバックしたスワンプロックサウンドに、ときおりファズギターが混じるという歌入りのSSW作品。ギターインストものとはまったく趣きが異なりますが、これが意外にも裏名盤的な佳品となっています。なんか、よくわからない変な人っぽいです。

LINK WRAY
LINK WRAY
LINK WRAY


1958年のオリジナルバージョンはこちら




Telstar: The Complete Tornados
The Tornados
Telstar: The Complete Tornados

トーネイドスは英国のバンド。伝説のプロデューサー、ジョー・ミークの作曲によるシングル“Telstar”(1962)は、英国のグループによる初の全米1位ヒット(英国では5週連続1位の世界的メガヒット)を記録しました。

この曲に象徴されるように、Tornadosの一番の特色はやはりファルフィッサ系オルガンによる個性的なサウンドでしょう。加えて、エコーやら変態っぽいサウンドエフェクトなど、その後の60sサイケに近い感覚を持っているバンドです。私なんかは、この“Telstar”がケン・キージーらによるアシッドテストで使われていたのが頭にこびりついていて、とてもサイケに聴こえてしまいます。ちなみにTelstarというのは1962年に打ち上げられたアメリカの人工衛星の名前で、ほかにも “Robot”とか“Life on Venus”とか“Red Rocket”とか、レトロフューチャー的でチープなテイストも嬉しいところ。

上のCDは多くの紹介記事で「これが一番」と勧められている2枚組コンピで、全長約135分の「おなかいっぱい」な内容です。全編「テルスター」みたいなインスト曲ばかりではなくて、ちらほらとボーカルが入ったりするのですが、ボーカルが入ると、とたんに普通っぽくなってしまうのが面白い。

ところで、プロデューサーのJoe Meekという人は、かなりの奇人変人だったようです。ヤク中でゲイで悪魔崇拝者でパラノイア患者で、デッカレコードが彼のアイディアを盗むために壁紙の裏に盗聴器を仕掛けていると思い込んでいたらしい。そして、1967年に大家の女性をショットガンで撃ち殺し、そのあと自分に銃を向けて自殺してしまったという、壮絶な最期を遂げています。そんな彼の生涯を描いた映画“Telstar”が制作されていて、今年公開されるそうです。





The Lonely Surfer
Jack Nitzsche
The Lonely Surfer

ジャック・ニッチェはフィル・スペクターのブレインだった人で、Buffalo Springfield ~ Neil Youngとの仕事や、「カッコーの巣の上で」などの映画音楽の制作でも知られています。また、サーチャーズの“Needles and Pins”(オリジナルはJackie Deshannon)は、彼とソニー&シェールのSonny Bonoが共作した曲です。

上のアルバムは、シングル“The Lonely Surfer”のヒットを受けて制作された1963年のソロ作。インストアルバムではありますが、同時代のサーフインストアルバムとは少々趣きが異なります。ウォールオブサウンドの担い手にふさわしいオーケストラサウンドで、ティンパニがドンドコドン、ホルンがパオ~ンみたいな、過剰で大げさなアレンジ。ドリーミー系なほんわりとした感じじゃなくて、原色のペンキを塗りたくったみたいなオーケストラアレンジなのに、これが不思議にとても気持ちいい。アシッドサイケならぬアシッドイージーリスニング!?

スタンダードな映画音楽のカバーなど、一見「映画音楽名曲選」みたいな雰囲気もあるのに、これまたとても変態っぽいムードがムンムンと漂っているアルバムです。ベースがメロディを奏でる、リードギターならぬ「リードベース」なんかもユニーク(これがオケとからむところがまた気持ちいい)。ハル・ブレインやトミー・テデスコなどのバッキングも、一連の西海岸の「企画もの」の元祖のような趣きを醸し出していてナイスです。



2008年02月03日(日)

境界サイケ特集 その13

テーマ:サイケデリック

The Temptations
Psychedelic Shack

テンプテーションズといえば、「マイ・ガール」などのヒットで知られる、60年代のモータウンを代表する黒人ボーカルグループですが、彼らも60年代後期から奇才Norman Whitfieldのプロデュース/ソングライティングのもと、当時のサイケなムードを反映したグルーヴィな一連のレコードを制作していました。

10分前後におよぶアシッドな長尺曲、ファズ/ワウやエコーなどのトリッピーなエフェクト、ブンブンうなるベース、ファンキーなカッティングのリズムギター・・・。さすがにメインストリームのボーカルグループだけに、アルバム全編とまではいきませんが、そのぶん境界サイケ的には美味しいものとなっています。

上はそんな諸作の中でもマイフェイバリットな“Psychedelic Shack”(1970)。圧倒的な能力のボーカルワークにズブズブのファズギターがからむところなんか絶品です。そのほか、彼らのサイケ/ファンク時代の幕開けとなったヒット曲をタイトルにした1969年のアルバム、“Cloud Nine”(ファズギターチューン、 “Runaway Child, Running Wild”の約10分のロングバージョン収録)も名盤とされています。

Cloud Nine
The Temptations
Cloud Nine

下はサイケ時代のテンプスの楽曲を集めた2枚組コンピで、その名もズバリ “Psychedelic Soul”(こちらは若干選曲が異なる1CDバージョン)。また、アルバム“Psychedelic Shack”と、“Papa Was a Rolling Stone”の約12分のファーアウトなバージョンが収められた'72年の名作“All Directions”がカップリングされた2on1も出ています。

Psychedelic Soul
The Temptations
Psychedelic Soul

Psychedelic Shack/All Directions
The Temptations
Psychedelic Shack/All Directions



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