2007年03月28日(水)

ヘヴィサイケ特集 その29

テーマ:サイケデリック
Shag
まぎらわしいですが、Pulseの前身のShagsやWiggin三姉妹のShaggsとはまた別のバンド(結成時にはShagsと名乗っていたというからややこしい)。ミルウォーキー出身の4人組です。(多くのサイケコンピに収録されている"Stop & Listen"はこのShag。)

いきなり先頭の曲がジェスロタルしてて、どうなることかと思いますが、ご心配なく。そのあとはファズギターたっぷりのシスコサウンド風ヘヴィサイケデリアがまったりと展開されます。シスコに出て活動していたらしく、録音は1969年、シスコのPacific High Recording Studioとクレジットされています。(そのスタジオでは同じ頃Grateful Deadが"Workingman's Dead"を制作している。) ただ、アルバムは当時は発売されなかったようです。

達者なボーカルがやや調子いい感じもありますが、いい意味でのシスコサウンド的な通俗さ・冗漫さが、好きな者にとっては心地よい安心感を与えてくれます。シスコサイケファン、ファズギターフェチには要チェックな一枚。


Shag
Shag



Butterfingers
ファズギターたっぷりでボーカルが調子いいといえば思い出すのがこのバンド。唯一のアルバムは1970年ごろの作品で、ヒューストンあたりのバンドらしいという以外、詳しいことはわからないようです。

一部のコレクターの間では「Butterfingers=黒人グループ」説もあるようですが、「少なくともボーカルは黒人」説に一票入れたくなるくらい、リードボーカルは黒人っぽいグサグサ感があります。その、朗々と歌い上げるソウルフルボーカルとR&Bな楽曲が反サイケ的といえばいえるんですが、全編に鳴り響くやさぐれファズギターとの相性が良いおかげで、あまり気になりません。

楽曲や演奏に、メジャーな感覚とアングラな感覚が交錯するのも特徴で、ときどきリズムが怪しくなったり音をハズしたりするところなんかもイケてます。こちらも、最初の曲がスリードッグナイトみたいで展開が読めないんですが、アルバムの後半に進むにつれてどサイケなナンバーが目立ってきて、最後なんか「あんたら完全にラリってるでしょ」状態になるので、じゅうぶんヘヴィサイケアルバムと呼べるものです。一部のレビューでは悪く書かれてたりもしますが、変態(ゲテモノ)趣味的にはかなり面白いと思います。

ちなみに、このジャケット、Fresh Blueberry Pancakeを連想された方もおられるかもしれません。それもそのはず、どちらも近年のリイシュー時に新たに描かれたもの(オリジナルは無地)で、同じ人がアートワークを担当しています。


Butterfingers
Butterfingers



Big Brother (featuring Ernie Joseph)
Big BrotherといってもHolding Companyとは関係ありません。Ernie Josephはこのバンドの前には、Ernie Oroscoの名で、西海岸ポップサイケグループのGiant Crabなどで活躍していた人。ときおりヘヴィなファズギターが入るとはいうものの、バブルガムっぽいポップ(ソフトロック)チューンが中心だったGiant Crabとはイメージが変わって、こちらはかなり本格的なオルガンヘヴィサイケ/ハードロックを聴かせてくれます。

ソングライティングやバンドの個性など、第一級とはいえないかもしれませんが、1970年という時代の、アシッドロック的ヘヴィサイケからタイトなハードロックへの、過渡的で混沌としたエネルギーが感じられます。ヘヴィなパワーチューンだけでなく、当時の英国ニューロック勢(ハードロック、プログレ)からの影響が見え隠れするスローナンバーなんかもなかなか面白い。ハモンドオルガンが活躍するので、オルガンハードロックが好きな人も一聴の価値ありかも?

言い忘れてましたが、これも「ボーカルがちょっと調子いい」つながりでした。


Big Brother Featuring Ernie Joseph
Confusion: Big Brother Featuring Ernie Joseph


Giant Crab
Giant Crab Comes Forth


Giant Crab
Cool It... Helios

AD
最近の画像つき記事
 もっと見る >>
2007年03月24日(土)

Monks 謎の新盤発売

テーマ:News


Monks
Demo Tapes 1965

4月9日(30日説あり)に、スペインのガレージ系レーベルMunster Recordsから、"Demo Tapes 1965"と題するMonksのCDが発売されます。ガレージパンクファン必携のパイオニア的名盤、"Black Monk Time"(1966)以前のスタジオデモテイク(アルバムの名曲群の早期バージョンなど)と、Monksに改名する前のFive Torquays名義の2曲にJason ForrestによるMonksトリビュート1曲を収録。情報満載のブックレットも付属、とのことです。

が、アルバム発売前のデモ音源集というと、有名な"Five Upstart Americans"というタイトルがあるので、ひょっとすると同内容のリイシューかもしれません。これまでの盤に収録されていなかった未発表テイクが入っているのか?など、詳細は不明です。発売元のサイトにもまだアップされていないようですが・・・。


The Monks
Monk Time


The Monks
Five Upstart Americans
AD
2007年03月16日(金)

Falloutから春の再発ラッシュ

テーマ:News
このところ、世界初CD化のサイケ関係のタイトルをバンバン再発しているFalloutから、この3月~4月にまたまた大盛のニューリリースが予定されています。


Friar Tuck
Friar Tuck & His Psychedelic Guitar

1967年にカート・ベッチャーが制作したスタジオプロジェクト作品。Friar Tuckに扮しているのは名セッションギタリストのMike Deasyで、そのほかにもBen Benay, Jerry Scheff, Toxey French, Jim Troxelなど、LAセッションマンの"Wrecking Crew"のメンツがクレジットされています。(Ben Benay, Jerry Scheff, Toxey Frenchの3人はヘヴィサイケ特集でも取り上げたGoldenrodのメンバーとしても有名ですね。) また、のちのMillenniumのSandy Salisburyもボーカルで参加しています。




Harumi
Harumi

ベルベッツやディランなどを手がけたTom Wilsonのプロデュースによる、日本人(?)Harumiの唯一の作品(1968)。オリジナルLPは2枚組で、1枚は東洋風味のポップサイケで、2枚目はプログレみたいに1曲が全面を占めているらしい。なんか、いかがわしいというか、キワモノっぽいにおいがします。




The Group Image
Mouth in the Clouds

NY近辺のヒッピーアウトフィットによる唯一のアルバム(1968)。同年のシングル"Hiya"はPebbles(LP)に収録されているとか。解説によると、Tim Buckley, Jefferson Airplane, Mamas and the Papasなんかの名前が例えとして挙がっています。




The Folkswingers
E Ragga Rock

1966年当時のラーガロックブーム(まだ「サイケデリック」は一般的ではなかった)に便乗した「企画もの」っぽい作品。当時のヒット曲(Paint It Black, Eight Miles High, Hey Joe, Shapes of Things, Norwegian Wood, Along Comes Mary, etc.)にシタールとファズギターをフィーチャーしたインストルメンタル曲集だそうです。

しかしながら、演奏にクレジットされているのはHal BlaineやLarry KnechtelといったLAの一流セッションミュージシャンたちで、シタールを弾いているのもRavi Shankarの直弟子のインド人です。サイケファンには有名なLeather-Coated MindsHal Blaineのソロ作など、この手の「企画もの」や、サイケやロックとは畑違いの映画音楽家による「なんちゃってサイケ」なサントラが、そのインチキくさいフェイク的な感覚によって、かえって濃厚な60sムードを味わえたりするので、本作にもかなり興味があります。

このFolkswingersというのは、そもそも実体のあるグループではなくて、スタジオプロジェクトみたいなものだったようですが、本作以前に出した2枚のアルバム(1964)にはプロデューサーとして、Byrds~Flying Burrito Brothersなどを手がけたJim Dickson、参加アーティストとして、のちにGene Clarkのソロなどに顔を見せるDoug DillardやGlen Campbellらの名前がクレジットされています。つまりByrds関連のアイテムとして捉えてもいいのかもしれません。




Buzz Linhart
Buzzy

Buzz Linhartは、NYのコーヒーハウスをサーキットしていたシンガーソングライターで、この"Buzzy"は1968年にロンドンに渡って制作した1stアルバム。バッキングにはウェールズのサイケバンドEyes of Blueが参加し、Tim Hardinのカバーや、LPのB面を占める約19分のシタールとタブラ入りの曲などが収録されているとのことです。




Disciple
Come & See Us As We Are!

NYの男女混声グループ。1970年発売の唯一作は、極上のビートルズカバーを含むソフト/ポップサイケアルバムだそうです。



また、以前こちらで紹介したものの、在庫なし状態になっていたParish HallもFalloutから再発されています。


Parish Hall
Parish Hall
AD
2007年03月13日(火)

ヘヴィサイケ特集 その28

テーマ:サイケデリック
Buzzsaw
1970年結成のシカゴのトリオ。リアルタイムでは72年にシングルを一枚出していただけで、1995年にCollectablesから"From Lemon Drops To Acid Rock!"と題するコンピCDが出ています。タイトルにあるように、元Lemon DropsのEddieとGaryのWeiss兄弟が中心のバンドで、唯一のシングルも、ガレージクラシックであるLemon Dropsの"I Live in the Springtime"のステレオミックスバージョンをBuzzsawの名前でリリースしただけのものだったようです。

先頭の曲が、曲調やギタープレイやボーカルワークなど、いかにもなエクスペリエンスフォロワーなので、全編そんな感じのパワートリオ系ヘヴィサイケなのかと思うと、そうでもない。線が細いナイーブ系のへろへろボーカル、無駄に遠回りして何の収穫もなく戻ってくるようなインプロや展開、それでもファズギターだけは取り憑かれたようにビンビン鳴り響き続ける・・・みたいな、私好みのまったりしたB級ヘヴィサイケデリアを聴かせてくれます。


Various Artists
Buzzsaw: From Lemon Drops To Acid Rock

さて、その前身のLemon Dropsですが、PebblesやNuggets Boxに前述の"I Live in the Springtime"が収録されてガレージファンには名が知られているため、昔からメジャーなバンドかと思われるかもしれません。しかし、こちらも、80年代半ばにCicadelicのRetrospectiveシリーズで67~68年の音源が"Crystal Pure"と"Second Album"という2枚のアルバムとして発売されるまで、リアルタイムでは1967年のこのシングル1曲しかレコードは出ていません。下のCollectablesのCDは、そのCicadelic盤の2枚を収録したコンピレーションです。

音は、基本はフォークロック寄りのガレージサウンドなんですが、こちらもヘヴィサイケ的な強烈なファズギターが大活躍します。ガレージパンクとサイケとナイーブ&イノセントなボーカルハーモニーが一緒になった、60s好きには美味しいものとなっています。ただ、amazonでは例によって在庫なしアイテムにマーケットプレイスで阿漕な値段がつけられているのは困ったもんですが・・・。


The Lemon Drops
Crystal Pure

また、Weiss兄弟はLemon DropsとBuzzsawのあいだの1969~70年にシスコに出て活動し、その当時の(Silver) Watermelonというバンドでの音源も残しています(録音自体はシカゴに戻ってからのようです)。こちらはオルガン入りで、インスト主体のアシッドロックなジャムが中心となっています。ちなみに、Lemon Drops~Watermelon~Buzzsawの音源は"Chicago Garage Band Greats"というコンピにも収録されています(11~20曲目)。


Silver Watermelon
From the Lemon Drops to Vibrations of Sequence in Order


Various Artists
Chicago Garage Band Greats
2007年03月11日(日)

Asylum Choirの1st再発

テーマ:News

The Asylum Choir
Look Inside the Asylum Choir

のちにLAスワンプの重鎮となるレオン・ラッセルマーク・ベノが60年代に組んでいたデュオ、Asylum Choirのデビュー作"Look Inside the Asylum Choir"(1968)が、4月30日にRev-OlaからCD再発されます。

オリジナルは西海岸ポップサイケアルバムとして売り出されたようですが、ほとんど売れなかったそうです。翌年に録音された2ndの"Asylum Choir II"は結局1971年にレオンのShelterレーベルから発売されるまでお蔵入り状態となっていました。その2ndの方が早くにCD化され、ボーナストラックとして1stからの5曲が収録されています。

2ndにはサイケ的な要素は少なく、「プレLAスワンプ」という感じになっているんですが、ボーナストラックの1stの曲は、サージェントペパーズ的なホーンアレンジなどが散りばめられた浮遊感のあるポップサイケチューンが中心となっています。ポップサイケな雰囲気にスワンプR&Bな根っこがあるのがユニークだったり、演奏もホーンが入ってたりするわりにはタイトで聴きやすかったりと、ボートラの数曲を聴く限りでは、なかなかイイ感じです。


Leon Russell, Marc Benno
Asylum Choir II
2007年03月07日(水)

80s Garage Punk Revival

テーマ:YouTube
70年代後半のパンクムーブメントによって、彼らの元祖である60sガレージシーンにもふたたび陽が当たるようになりました。80年代には、ブームの火付け役となったNuggetsPebblesなどのコンピに洗礼を受けた若いガレージバンドが数多く生まれます。

これらの「80sガレージパンクリバイバル」(ネオガレージムーブメント)の特徴としては、まずバリバリに60s指向だということ。ファズギターにファルフィッサオルガンを定番に、使う楽器やエフェクターは60年代のホンモノ。60s風のファッションでキメて、演奏する曲はSonicsやMysteriansなどのガレージクラシックのカバーか、オリジナル曲でも限りなく60sっぽい雰囲気という徹底ぶりです。

そのために、90sのガレージファンなどからは「後ろ向きのオールドウェイブ」としてバカにされてたようです(サイケに対する今の一般のロックファンの見方も同じようなものかもしれません)。でも、そもそも60sというのは、どうしようもなくおバカでダサくてインチキなところがグルーヴィでイカしてるんだからしょうがない。このへんはカタギの人に説明するのがしんどいところです。

ところで、かくいう私も、これらの80sのバンドのことはシンコーのディスクガイドで紹介されているのを見るまで、ほとんど知りませんでした。ありがたいことに、YouTubeのおかげで、そのイメージがかなり明確になりました。百聞は一見にしかずですね。


NYの有名なバンド。曲はSonicsのカバー。



メンバーが60sガレージのシングル盤の有名な
コレクターだとか。曲はMoving Sidewalksのカバー。




スゲ~。ちなみに、みなさんホンモノの女性です。
それにしても、とても80年代の映像とは思えない。




もひとつどうぞ。大いに触発されたであろう60s
ガールガレージのLuv'd Onesのクリップはこちら




オレゴン出身。'85年のアルバム"Inside Out"より。
Music Machineからの影響大っぽいです。




ガレージファンジン"Ugly Things"誌のエディター、
マイク・スタックスが80年代に組んでいたバンド。




フロントマンは日系のレイトン・コイズミ。
映像は最近のライブと思われます。




ギター/ボーカルが黒人で、ドラムが女性。ん?
ベースがいないぞ。破壊的なヘタクソさがシブい。




ボストンの70sパンクバンドのDMZが母体。



カナダ産。Relatedが"No Videos Found."なのが笑える。



おまけ。クエスチョン・マークさん、お元気そうです。
2007年03月04日(日)

Sundowners初CD化

テーマ:News

The Sundowners
Captain Nemo

レココレのサイケ特集号で紹介されていて、ずっと聴いてみたいと思っていたSundownersの唯一のアルバム、"Captain Nemo"(1968)がRev-Olaから世界初CD化されます。(3月26日発売予定。)

レココレの記事によると、「まさにサイケとソフト・ロックが混在したアルバム」で、「ポップな曲にもヘヴィなギターが入っていて、基本はポップサイケ」とのことです。サイケなフレーバーのソフトロック/サンシャインポップというのは大好物なので楽しみです。

なかでも、ロジャー・ニコルス作の"Always You"のカバーが秀逸で、この曲はこれまでもソフトロック/サンシャインポップ系のコンピに収録されていました。(下にそのコンピをリンクしておきます。"Sunshine Days, Vol. 3"ではチラっと試聴できます。)


Various Artists
Sunshine Days, Vol. 3: 60's Pop Classics


Various Artists
The Get Easy ! Sunshine Pop Collection

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。