子どもの自己肯定感を伸ばす「親の関わり方」
子どもの自己肯定感を伸ばしたいと思ったとき、多くの保護者の方は「たくさん褒めればよいのかな」「自信をつけさせるには成功体験が必要なのかな」と考えます。
もちろん、褒めることや成功体験は大切です。
しかし、自己肯定感とは、いつも自分に自信がある状態や、何でも前向きに挑戦できる状態だけを指すわけではありません。
本当に大切なのは、できる自分だけでなく、失敗する自分、苦手がある自分、うまくいかない自分も「それでも大丈夫」と感じられる心の土台です。
特に、発達に凸凹がある子どもや、WISC-Ⅴ検査で得意と苦手の差が大きい子どもは、自己肯定感が下がりやすい傾向があります。
言葉ではよく理解できるのに書くのが遅い、考える力はあるのに忘れ物が多い、好きなことには集中できるのに宿題には取りかかれない。
このような子どもは、周囲から「やればできるのに」「何回言ったら分かるの」と言われやすく、自分でも「自分はダメなんだ」と感じてしまうことがあります。
自己肯定感を伸ばす親の関わり方で大切なのは、結果だけでなく過程を見て言葉にすることです。
「100点ですごいね」だけではなく、「最後まで考えたね」「前より早く始められたね」「間違えたところを直そうとしたね」と、子どもが実際にした行動を具体的に伝えることが大切です。
子どもは、自分の努力や工夫を見てもらえたと感じることで、「結果が出ない自分にも価値がある」と思いやすくなります。
また、苦手なことを責めすぎないことも重要です。
忘れ物が多い子に「だらしない」と言うより、「覚えておくのが大変なんだね。持ち物表を一緒に作ろう」と伝える。
書くのが遅い子に「早くしなさい」と言うより、「量が多いと疲れるね。
まずここまでやろう」と区切る。このように、子どもの困りごとを性格の問題にせず、工夫で支える視点を持つことで、子どもは自分を責めすぎずに済みます。
自己肯定感は、特別な言葉だけで育つものではありません。
毎日の小さな関わりの積み重ねで育ちます。
子どもが話しかけてきたときに少し手を止めて聞くこと、失敗したときにすぐ怒らず理由を一緒に考えること、得意なことを家庭の中で役割にすること、苦手なことを笑わないこと。
こうした経験が、子どもの中に「自分は大切にされている」という感覚を育てます。
一方で、親が完璧に関わろうとしすぎる必要はありません。
毎日優しく褒め続けることは難しいですし、疲れて怒ってしまう日もあります。
大切なのは、怒らない親になることではなく、関係を修復できる親でいることです。言いすぎたと感じたら、「さっきは強く言いすぎたね。
ごめんね」と伝えるだけでも、子どもは人との関係はやり直せるものだと学びます。
子どもの自己肯定感を伸ばすためには、「できる子にする」よりも、「できないときも支えてもらえる」と感じられる環境を作ることが大切です。
WISC-Ⅴ検査や発達検査の結果は、子どもを評価するためではなく、その子に合った支え方を知るための手がかりです。
得意を認め、苦手を責めず、工夫すればできる経験を増やすこと。
その積み重ねが、子どもの自己肯定感をゆっくりと育てていきます。

