「育児が辛い」と思ったときに親がするべきこととは
子育てをしていると、「もう限界かもしれない」「子どもはかわいいはずなのに、育児が辛い」「毎日怒ってばかりで自分が嫌になる」と感じることがあります。
特に、子どもの発達に気になることがあったり、言葉の遅れ、癇癪、こだわり、登園しぶり、宿題のつまずき、友達関係のトラブルなどが続いたりすると、親の心は少しずつ疲れていきます。
育児が辛いと思うことは、親失格という意味ではありません。
それだけ一生懸命に向き合ってきたサインです。
まず大切なのは、「自分だけがうまくできていない」と思い込まないことです。
育児は本来、ひとりで背負うにはとても大きな仕事です。
子どもの食事、睡眠、身の回りの世話、しつけ、園や学校とのやり取り、将来への不安まで、親は日々たくさんのことを抱えています。
さらに、発達特性のある子どもや育てにくさのある子どもの場合、一般的な育児方法がそのまま合わないこともあります。
何度言っても伝わらない、切り替えができない、外では頑張って家で荒れるという姿に向き合い続ければ、親が疲れ切ってしまうのは自然なことです。
育児が辛いと感じたとき、最初にするべきことは、子どもを変えようとする前に、親自身の疲れに気づくことです。
「最近眠れていない」「小さなことで怒鳴ってしまう」「涙が出る」「誰にも会いたくない」「子どもの声を聞くだけで苦しくなる」などの状態が続いているなら、心と体が助けを求めているサインです。
気合いで乗り越えようとするより、早めに誰かに話すことが大切です。
相談先は、身近な家族や友人だけでなく、保育園、幼稚園、学校の先生、保健センター、子育て支援センター、発達相談、スクールカウンセラー、小児科、児童精神科などがあります。
「こんなことで相談していいのかな」と思う必要はありません。
育児が辛いという気持ちは、十分に相談してよい内容です。
特に、子どもの発達や行動に背景がある場合、親の頑張りだけで解決しようとすると、親子ともに苦しくなってしまいます。
また、子どもの困りごとを「性格」や「わがまま」と決めつけず、発達の視点から見直すことも大切です。
言葉で説明しても伝わりにくい子には、絵や写真で示す方が分かりやすいかもしれません。
急な予定変更で泣いてしまう子には、先に見通しを伝えることで安心できるかもしれません。
宿題を嫌がる子は、やる気がないのではなく、読み書きや集中、ワーキングメモリーに負担があるのかもしれません。
発達検査やWISC-Ⅴ検査などを通して、子どもの得意と苦手を知ることは、親の関わり方を楽にする手がかりになります。
家庭では、完璧な育児を目指さないことも大切です。
毎日きちんと褒める、怒らない、栄養バランスのよい食事を作る、勉強を見てあげる、親子で笑顔で過ごす。
理想をすべて守ろうとすると、親の心は追い詰められてしまいます。
まずは、「今日は安全に過ごせた」「ご飯を食べた」「寝るところまでたどり着いた」だけでも十分です。
育児が辛いときは、目標を小さくして、親子が壊れないことを最優先にしてよいのです。
育児が辛いと思ったときに親がするべきことは、もっと頑張ることではありません。
助けを求めること、子どもの特性を知ること、環境を整えること、そして自分を責めすぎないことです。
親が少し安心できると、子どもへの関わりにも余白が生まれます。
子育ては孤独な修行ではありません。
支援を借りながら、親も子どもも少し楽に過ごせる方法を見つけていくことが、これからの育児を支える大切な一歩になります。

