今日は「Vacation Simulator」の感想を書いていくよ。これはご存知「Job Simulator」の続編だね。

 

「Job Simulator」はVR史上最も成功したゲームの一つで、バンドル版なんかを通して、未だに売上が伸びている。国内ストアでもリリースされているし、日本のPSVRユーザーも大半がプレイしているんじゃないかな?注目度も高いはず。

 

 

ただ、VR元年から3年が経過した今、こういったゲームをプレイする意味があるのか、首を傾げてしまったのも事実。

 

過去に何度か日記で書いている通り、俺は「Job Simulator」を"非常食"のようなものだと思っている。遊ぶものが少なかった当時、ハンドコントローラーを使った操作をわかりやすくレクチャーしてくれた作品である一方で、体験としての面白さには欠ける。応用、発展形が山ほど存在する今、あえてそのバリエーションをプレイする必要性がわからない。

 

そんな疑問を抱きつつプレイを始めたんだけど…

 

俺が間違ってた!! すまんかった!!(笑)

 

これは「Job Simulator」とは完全に別物だわ。ゲームとして進化しまくっている。

 

遊びの幅が広いし、ゲームの流れが違うというか…、一本道じゃないのよ。様々な要素が絡み合っていて、まるでRPGをプレイしているみたい。

 

というわけで、そのへんも含めてたっぷり語っていくよ。いってみよ~

 

 

  Vacation Simulator

 

  概要

 

購入先:北米ストア

ジャンル:ミニゲーム集

言語:日本語非対応

コントローラー:Move専用

視点:常時一人称視点

移動方式:ポイントワープ移動&方向転換なし

 

 

  明らかなパワーアップ

 

ゲームを起動すると、キャリブレーション設定が始まる。やり方は「Job Simulator」の時とまったく一緒で、Moveを持った両手を広げて行う。

 

因みに、「Vacation Simulator」はオプション長押しのリキャリブレーションに対応していない。前後の距離はカメラの位置で調整する必要があって、色々と面倒くさい。

 

(視点の高さは調整可能。距離設定が出来ないのは辛いね)

 

設定を終えるとメインフロアへ。ここも…、「Job Simulator」をベースにしているんだけど、若干映像がリッチになったかな? 画質も相当いいね。

 

プレイヤーの前にはいくつかのカートリッジが置かれていて、それがデータスロットのような役割を果たしている。つまり、今回は複数のキャラを作る事が可能。

 

(画質がいいね。手前のカートリッジでデータを管理する)

 

カートリッジを差し込むと、エレベーターの中からゲームが始まる。ここで驚いたのは、移動の存在だね。「Job Simulator」では固定された位置でゲームが進行したけど、こっちはポイントワープ移動でステージを動きながらイベントにトライするみたい。

 

エレベーターを降りると5つのスペースに分かれた部屋が現れる。左側には浴室、右側には寝室、他のスペースにはTVやPCや冷蔵庫も設置されているね。かなりワクワクする。

 

(目線+Mボタンで移動が可能。これだけでだいぶ遊びの幅が広がった気がする)

 

どうやらこの空間はプレイヤーのホームらしく、バケーションに向かう準備をするために、浴室へ行くように促される。

 

浴室へ移動して驚いたのは、アバター作成が始まった事だね。これも「Job Simulator」にはなかった要素。しかも、このゲームに於いてアバターの作成はかなり重要な意味を持つのよ。他の一人称ゲームとは全然違う。後述するよ。

 

(肌の色や髪型やひげの形、けっこう幅広いキャラメイクが可能だね)

 

浴室には実に多くのオブジェクトが置かれていて、その一つ一つにインタラクティブが用意されている。

 

例えば、歯を磨くという行程一つとってみても、歯磨き粉のキャップを外す→歯ブラシに歯磨き粉を付ける→歯ブラシを口元に運ぶ、というように、他のVRゲームより若干ステップが多いのよね。

 

映像も細かく変化するし、インタラクティブには相当のこだわりを持って作られているのがよくわかる。

 

(全てのオブジェクトが何らかの形で作用する。入浴剤の変化は面白いね)

 

身支度を終えた後、再びメインロビーに戻って、他のスペースで何が出来るのかをチェック。

 

寝室では目覚まし時計やコレクションの確認、TVのあるスペースではゲームや写真の観賞、キッチンでは食事やポーションタイプのドリンクを作って飲み食い出来る。

 

うん、これだけでもけっこう遊べると思うね。上でも書いた通り、オブジェクトの数が多いし、一つ一つが違う反応を見せるから、それをチェックするだけでも楽しい。

 

(遊べるゲームの数はかなり多い。アクションからノベルまで種類も幅広い)

 

(PCではメールの送受信も可能。ホームだけでもかなり遊べるね)

 

そして「Job Simulator」からの大きな進歩として挙げられるのが、180度のみを使ったオブジェクトの配置と、テーブルの高さ設定だね。

 

「Job Simulator」は全方向でゲームを展開したがために、広いプレイスペースが要求されたし、動き回るのが苦痛だった。座りプレイも難しい。

 

ところが、今回は指定された位置に移動すれば、ほぼ正面だけを見て遊べる。これはめちゃくちゃありがたい。

 

 

  バケーション開始

 

ホームから出ると、ルートが3つに分かれている。ビーチ、森林、雪山、これが今回の舞台みたいだね。

 

とここで、ガイドロボットから腕時計のようなものを渡される。どうやら、この時計に旅の思い出を集めるのがゲームの目的らしく、その獲得数によって新たなエリアがアンロックされるとの事。

 

(画質がいいからローポリでもしっかり面白い映像になっているね)

 

うん、そんなこんなでまずはビーチに行ってみる事に。

 

ビーチに足を踏み入れた瞬間に驚いたのは、その楽しげな風景。配色がいいのかな? とにかく情報量が多くて賑やか。

 

周囲をキョロキョロしていると、ガイドロボットからカメラを手渡される。カメラはこのゲームにとって最も重要なアイテムで、様々な局面で使用する。

 

(手前側にカメラが写っている。カメラは手を離して空間に置く事が可能)

 

早速向かったのはやぐらの上の屋台。ここではハンバーガーやホットドッグの調理が可能なんだけど、やっぱ調理行程の面白さはピカイチだね。チーズや野菜をスライスしたり、ソーセージを解凍したり、ひと手間が逆に作業感を減らすのよね。

 

(VR調理は楽しいな~。時間制限が無いのがいいよね)

 

次に向かったのが、砂の城を作るスペース。これは今回から追加されたミニゲーム要素で、ブロックを配置して完成図通りの砂の城を作るという中々面白い内容。このミニゲーム単体で一本のソフトが作られてもおかしくないと思うね。

 

(上、前、右からの見え方を頼りに、正しくブロックを配置するミニゲーム)

 

他にも、指定されたポイントで写真を撮影したり、ステージに隠れている蝶を探したり、ヨガを習ったり、8種類ほどのミニゲーム&体験が用意されている。

 

そして、それらのイベントが絡み合って存在している。ここが最も「Vacation Simulator」の優れているポイントだね。

 

例えば、AのイベントをクリアするためにはBのイベントをクリアする必要がある。ところが、Bのイベントに取り組んでいる最中にCのイベントに関係したアイテムが現れる。一本道にならないのよ。

 

(複数のポイントを行き来して思い出を集めていく。ゲーム性がだいぶ高くなった)

 

5つの思い出を回収したところで、通行止めになっていた海中エリアがアンロック。ここでは、巨大なクジラと記念撮影をしたり、貝殻の楽器で音楽を奏でたり、映像的にもファンタジックで面白い。

 

カメラは自撮り機能が付いている他、レンズの付替えで様々なエフェクトを掛ける事が出来る。特に自撮り機能は優秀で、手を振ってシャッターを切る操作が遊び心に溢れているし、アバターをカスタムする意味も生まれる。

 

(カメラをこちらに向けて手を振ると自撮りが可能。面白いアイディアだね)

 

イベント以外にもたくさんの遊び要素が含まれているのが「Vacation Simulator」の魅力だね。下のスクショを見てもらうとわかりやすいんだけど、触れられるほぼ全てのものに反応があるから、自然と寄り道が多くなってしまう。

 

(何気なく泳いでいるハリセンボン。手で捕まえて口元に運ぶと…)

 

(プクーッと膨らみます。さらに手を離すと…)

 

(風船みたいに飛んでいく。ゲーム全体が遊び心が散りばめられている)

 

 

  森林&雪山

 

続けて森林&雪山でのバケーションに出掛ける。この2か所も今までにプレイしたことのない変わったミニゲームが溢れていて、めちゃくちゃ楽しい。スクショがたくさんあるから、貼りながらコメントをつけていくよ。

 

(絵を描くとそれが本物になってプリントされる。描いたドーナツが食べられる)

 

(ブロックを使ったパズル。これも地味ながら楽しい)

 

(奇しくも同日リリースの「Luna」にも存在していたガーデニング)

 

その中でも特に感心したのが、写真を使ったジグソーパズルと、ベルトコンベア式のスキー&ボルダリングだね。

 

前者は自由度が高いし、複数の要素をゲーム性に落とし込んだ素晴らしいアイディア。

 

後者はアトラクション側を動かすことで、移動の苦手なVRの欠点を見事にフォローしている。完全な酔い対策だね。

 

(どんな写真でもジグソーパズルに変換してくれる。これは素晴らしい)

 

(障害物が動けば酔わない。まぁ、スリリングさはゼロなんだけどね)

 

そんな素晴らしい「Vacation Simulator」なんだけど、唯一の不満点が方向転換が実装されていない点だね。

 

せっかく前方180度でミニゲームをデザインしているにも関わらず、移動の際に後ろを振り向かせるのはナンセンス。ボタンをほとんど使用しないゲームなんだから、90度の方向転換ぐらいは実装出来たはず。

 

(真後ろを向いて撮影。この仕様のせいでゲームの価値が著しく下がっている)

 

ん~、本当はまだまだ紹介したい面白要素があるんだけど、それは今後のプレイ日記で少しずつ書いていくよ。

 

とにかく、映像も楽しいし、ゲーム性も相当上がった。これからは「Job Simulator」ではなく「Vacation Simulator」をバンドルしていくべきだね。

 

(ステージの最後にはご褒美と評価が待っている。自分の目で確かめてくれ)

 

 

  現時点での感想まとめ

 

参った!! これは素晴らしいわ。

 

ゲームとしてよく練られているし、オリジナリティーも高い。まさか「Job Simulator」がこんな風に進化するとは予想もしていなかった。

 

プレイしている感覚としては、RPG+テーマパークゲームって感じかな? インタラクティブも多くてとにかく楽しい。

 

ただ、方向転換は絶対に実装するべき。首をひん曲げて後ろを見ても、ゲームの面白さにはいっさい繋がらないからね。

 

とにかく、文句なしにオススメ出来る一本だよ。国内ストアにも並ぶだろうから、是非プレイして欲しい。