ドラム練習帳 -2ページ目

ドラム練習帳

ドラムについての情報をまとめています。

足のモーラー奏法

足にもモーラー奏法があり、左右に振り分けながら叩くことで疲れをなくすことができます。

大きな音とスピード

モーラー奏法の具体的なテクニックでは、大きな音が出せる方法とスピードが出せる方法があります。どちらも腕の振り方によって使い分けができ、矢状面の運動の成分(縦方向)を大きくすると大きな音が出せるようになり、スピードが欲しい場合は全額面・水平面の運動(横方向)を意識するといいです。

スティックを遠ざける

更に、モーラー奏法では叩く瞬間に「握らない」ことでこの衝撃を逃がしつつ、より良い音を出すこともできます。リバウンドを利用・処理しやすいので細かい動きもできるようになります。叩く瞬間には「握らず」に、「伸ばす」ことでリバウンドをコントロールします。野球ボールを投げる時に握りこまないのと同じで、ともすればスティックを「離す」ようなイメージで叩きましょう。

腕はどこから始まるか

頭や首、腰、背骨のバランスがとても大切なモーラー奏法ですが、その力を腕につなげなければ始まりません。腕が始まる場所は肩と肩甲骨をつなぐ関節なので、肩甲骨から腕が動くという感覚が重要です。肩が動きの始まりではなく、背中側の肩甲骨から回しましょう。

フリーグリップ

モーラー奏法の失敗例としては、流れがない(スティックが平行移動するなど)、流れが反対というものがあります。特に流れが反対というものについては最悪の場合大けがにつながることもあるので、しっかり指導をしてもらうようにしましょう。また、ヒットした瞬間に握りこむと腕や身体にすごい衝撃がきます。ケガの元になるので気を付けてください。

モーラー奏法の教科書ともいえる「THE MOELLER BOOK」には3つのストロークが紹介されています。①Down Stroke, Up Stroke, Single Strokeです。これまでに記した4種類のストローク(D:ダウンストローク、U:アップストローク、F:フルストローク、T:タップストローク)の考え方とは異なります。

Down StrokePop StrokeStrikeとも呼ばれています。前腕の動きは、外側に回る回外です。アクセントをつけることもつけないこともあります。フライバックという余りの動きを使うストロークです。

Up StrokeReleaseとも呼ばれています。前腕の動きは、内側に回る回内です。アクセントをつけることもつけないこともあります。エロンゲーティングという余りの動きを使うストロークです。

Single StrokeDrop Strokeとも呼ばれています。タップストロークに相当します。

以上の関係を表にすると次のようになります。

モーラーストローク DUFT

Down StrokePop, Strike DFT(ダウン、フル、タップ)

Up StrokeRelease DUF(ダウン、アップ、フル)

Single StrokeDrop T(タップ)

The Moeller Book」にはそれぞれのストロークに対応する記号が記載されていますが、山背弘さんが分かりやすく改変したものがあるのでそちらを引用します。

▽ は右ポップストローク:回外

△ は右アップストローク:回内

○ は右ドロップストローク:どちらかの回転の途中

▽’は右ポップストローク&大きくフライバック:回外

△’は右アップストローク&大きくエロンゲーティング:回内

▼ は左ポップストローク:回外

▲ は左アップストローク:回内

● は左ドロップストローク:どちらかの回転の途中

' は右ポップストローク&大きくフライバック:回外

' は右アップストローク&大きくエロンゲーティング:回内

この記号は、アクセント理論や128パラディドルを攻略する際に目印として使うことができます。

モーラー奏法とは

多くのドラマーに注目されているドラムの奏法があります。それがモーラー奏法というもので、身体から指先へ、回転の動きを利用して力を伝えることでよりスピードのある、伸びやかなプレイが可能になるというものです。世界大戦時のスネアドラム奏者によって発明されたこの動きはインフィニティ(∞)の動きとも言われ、疲れの少ない滑らかな動きが特徴的です。そして、この奏法をマスターするのにはリスクも伴います。もし誤った方法を習得し、脱力したまま腕を振ってしまうと大きなケガをしてしまう恐れもあるからです。

モーラー奏法はポップスやジャズなど強弱をつけるのが効果的なジャンルに強いので、ぜひマスターしてください。

モーラー奏法と通常の奏法の比較

ここでは、通常の奏法とモーラー奏法の比較をすることでモーラー奏法を行うことによるメリットを示すとともに、モーラー奏法の解説をしたいと思います。「通常の奏法」の定義はしていませんが、多くの人がドラムを始めた時に行っている演奏方法と言っていいでしょう。


まず動作面の違いについては、通常の奏法が矢状面(屈曲・伸展)のみの運動になるのに対してモーラー奏法は矢状面、全額面(外転・内転)、水平面(外旋・内旋)の運動が混ざり合っているという違いがあります。このことでモーラー奏法は、通常の奏法ではやりづらい肩からチップの先までの力の伝達を可能にしています。通常の奏法の場合はヒットの衝撃が直接腕、そして身体へと伝わってしまうことにもなるので、手に豆もできやすいし、疲れやすいし、脱力もモーラー奏法と比べてしにくいという欠点があります。

そして、2番目に動作順の違いがあります。表にあるように、通常の奏法は振り上げる時にチップが初めに動きますが、モーラー奏法ではチップは最後に動きます。細長い物質を動かす時に最も小さな力で動かせるのはどのような時かを考えれば(先端を最後に動かす場合です)、モーラー奏法がなぜ有利であるか分かります。肩から肘、肘から手首、そしてスティックも棒状の物質であることも考えると、モーラー奏法の動きへの理解が深まると思います。この動きのおかげで、スピードとパワーが得られます。

肘の位置も異なります。通常の奏法では肘を身体の横にくっつけたり拳一つ分空けたりしますが、モーラー奏法では腕に波を作るため肘は左右に揺れるような動きをします。肘が身体から離れる時に手首は回内運動を、身体に近づく時に回外運動をします。

そして、グリップも違いが出てきます。モーラー奏法はフリーグリップとよばれるグリップになることがあります。

軌道も想像で分かるように、通常の奏法は直線的、モーラー奏法は8の字曲線です。

上に述べたように、通常の奏法よりも力の伝達がしやすい、豆ができにくい、疲れにくい、脱力しやすい(抜けのいい良い音が出せる)、スピードが上がる、パワーが出るといった特徴をもつモーラー奏法を学ぶことは、ドラマーにとって有益なものであるということがいえます。



太ももに痛みがある

胴体と太ももをつなぐ部分の痛みは、ペダルを踏む時に過剰に足を持ち上げてしまうことから来やすいです。ビーターが戻ってくる程度持ち上げればいいです。また、太ももの裏側の痛みは、踏み込みが強すぎることが原因と考えられます。踏み込むのではなく落とすという意識で踏みましょう。

総合

背中や腰が痛い

首だけが前に出るようなタイプの猫背になっている可能性が高いです。身体と腕はつながっているので、腕に力を伝えるためにも正しい姿勢で叩きましょう。体に軸を通すことでバランスのいい身体を作ります。上からも下からもきれいに力が伝わるというのがベストです。