8道府県で基金から一般会計へ融通
朝日が12月2日に掲出した「8道府県、基金から借金 大阪6千億円、兵庫3千億円 」〔池尻和生〕は、全国の都道府県のうち大阪府など8道府県で、特定の目的で積み立てた基金から一般会計が複数年度にわたって借り入れを続けていたことが、朝日新聞の取材でわかったと報じる。このうち大阪や北海道、香川など5道府県では、返済計画も立てていなかったとか。基金は地方自治法で「確実な管理」が定められており、総務省は「返す計画さえないのは問題だ」としていると記事は伝える。基金は自治体が文化の振興や借金の一括返済などに使うため、市民の寄付や一般財源を積み立てたもので、現金が不足した場合などに短期間、一般会計が基金から借り入れることは認められているが、複数年度にわたる借り入れは想定されていないうえ、予算書にも明記されず、「隠れ借金」と問題視されているとのこと。総務省が今春、都道府県の今年度当初予算を調べたところ、11道府県で基金からの借り入れ予定があったとか。朝日新聞の取材では、このうち複数年にわたって借り入れていたのは、大阪6681億円、兵庫3639億円、岡山288億円、香川102億円など、8道府県(金額は借入残高)で、なかでも北海道、青森、大阪、岡山、香川の5道府県は、いつ、どうやって返すのかという返済計画もなく、大阪府や北海道では、返済が事実上困難な状態とか。地方自治法では、基金などの現金は「最も確実かつ有利な方法により、保管しなければならない」と定めており、また5道府県の基金条例でも、確実な返済方法を定めることになっていて、条例違反にあたる可能性もあると記事は評する。返済計画がないことについて、大阪府財政課は「当初は借入期間を1年とし、必要であれば延長するという方針だったため」と説明しているが、返済すれば行政サービスを削ることになると判断し、「毎年、延長を繰り返してしまった」とか。北海道財政課も、1年の借り入れだったはずが「将来返さねばと思いつつ、延長を繰り返してきた」としているとか。また大阪府や北海道は借り入れた基金に利息を支払ってきたが、香川県では利息なしで借り入れを続けた結果、基金に運用益が出ておらず、ダム管理などのための基金約82億円を一般会計に貸している同県水資源対策課は「銀行に預ける方が運用上は有利だが、今の財政事情を考えれば仕方ない」と語っているとか。一方、大阪府に次ぐ3639億円の兵庫県は、7年の阪神大震災後の財政難で、7年度から一般会計で本来負担する毎年度の県債の償還分まで、減債基金を取り崩してあて、事実上の「借り入れ」となっているとか。総務省財務調査課は、一般会計で基金からの「借金」を続ける手法について「各自治体に改善するよう助言している」と話しており、また、すでに借り入れている場合は、返済計画を示すことが必要だとしているとか。