予算と実績の乖離について朝日が頓珍漢な記事 | 公会計の動向

予算と実績の乖離について朝日が頓珍漢な記事

 朝日は9月1日に「中央省庁「架空予算」80例 ずさん要求・甘い査定露呈」を配信。

 記事は、経済産業、財務など各中央省庁が、計上した予算と執行実績が異なる事業を調べた結果を公表しており、3年以上にわたり要求通りに使われた実態が全くなかったり、計上額が過大だったりしたものが大半の省庁で見つかっていて、公表分だけで80例を超えたと報じる。ずさんな予算要求と財務省の査定の甘さが露呈した格好と記事は評するが、予算は支出の見積もり内訳であり、いずれのケースも法律的に問題があるわけではない。公表されたなかでは財務省の13例が最多で、以下、国土交通(12)、経産(11)、厚生労働(10)、環境、法務(各8)農林水産、文部科学、防衛庁、金融庁(各5)、警察庁(2)の順で、総務省など未公表のところもあるとか。財務省も「公表は主な事例だけ」としており、「表に出たのは氷山の一角」(経済官庁幹部)が実態とみられると記事は伝える。経産省は産業育成名目の物産展に3年間で23億円の予算を計上したが、2割が使われず余っていたとか。財務省も「財政投融資問題研究会」を作る予定で年2600万円程度を計上したが、結局は設置せず海外の財政制度の調査などに充てていたとか。3年以上にわたり本来の要求通りの使い方を全くしていなかった事業は、数百万円のものが大半で、「同じ目的の別事業に使った」(各省庁)ものが多いというと記事は伝える。予算を使い切れない「過大計上」では、外注がほとんどのコンピューターシステムやインターネット関連が目立ち、補助金の申請数が見込みを下回った、調査委託が見込みよりも低い価格で実施できた、などのケースもあり、どんぶり勘定体質も顕著だと記事は言うが、民間企業であれば節約して予算を下回るのは誉められこそすれ、非難されるべきものではなく社会常識に欠けている。また、それを「どんぶり勘定」と表現するのは日本語を知らない。


 朝日に比べれば共同の8月31日の配信「実績伴わない予算24億円に ポケベル代などカット」は真っ当な記事。記事は、厚生労働省が31日、17年度予算で2300万円を計上しながら、実際には一切使われなかった社会保険事務所職員のポケットベル使用料など、実績が伴わない事務費を公表したこと、一般、特別会計を合わせ66件、約24億円に上ったことを報じているが、朝日のような誤った非難はしていない。