梵字は梵語にあらず(言語と文字の関係) | संस्कृतसागर サンスクリット・サーガラ(サンスクリット語の海)埼玉在住サンスクリット語講師

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世界で一番難解と言われる古代インドのサンスクリット語。ヨーガ、アーユル・ヴェーダ、インド思想、インド占星術etc.インド文化に関心を持つ人へ、サンスクリット語の視点を中心に様々な言葉の由来や正書法、雑学について


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ときどき人から「梵字ができるの?」と聞かれることがあります。


梵字の<梵>とは、

ब्रह्ममा(brahmā)、ブラフマー神、梵天のこと。

(宇宙の最高原理ブラフマンを人格化した神)


サンスクリット語は梵天によって作られたという伝承から

サンスクリット語を梵語と呼び、

梵語を書き記す文字を「梵字」(広義の)と呼んだわけですが、


梵字=サンスクリット語、ではありません←ここ重要


実はもともとインドには固有の文字はなかったんです。


ヴェーダ聖典もマハーバーラタも口授。


古代人の記憶力、ハンパないです!


時代とともに書き記す必要ができてくると、

紀元前に使われたのがブラーフミー文字(ブラフマー神の文字)。

これが文字通りの梵字(狭義の)です。


さらに変化しながら、近現代のインドで使われている

デーヴァナーガリー文字へと発展しました。



日本でいわゆる「梵字」と呼ばれているものは、

ブラーフミー文字→グプタ文字から変化して

インドで6世紀ごろ使われていた

悉曇(しったん)文字(シッダマートリカー)です。



比較するのに分かりやすい画像が amazon にあったのでお借りしました。

(一部加工してます)




上が、デーヴァナーガリー文字(最初の文字は と同じ

真ん中が、悉曇文字(梵字)

下が、チベット文字

「オーン・マニ・パドメー・フーン」と書いてあります。

(チベットでは「オンマニペメフン」と発音)


少しずつ似ていますよね。



日本語は、「私」、「わたし」、「ワタシ」、と

三種類もの文字を使い分けている

世界でも非常に珍しい言語です。

(しかもTPOや文脈に応じて使い分けたりするきめ細かさ!)

もともと固有の文字がなかったため、漢字を採用し、

それを元に二種類の文字を作ったことは皆知ってます。


GHQ占領下の日本では

日本語をローマ字表記に変えよう、という

議論があったそうで、

実現しなくて本当に良かったと思います。


元々の文字からローマ字に変えた国はいくらでもあるし、

インドネシアのチアチア族がハングル文字を採用した、ってニュースもありました。

言語と文字の関係こそ、「色即是空」ですよね。


話を戻すと、


いわゆる「梵字」とは、昔のサンスクリット語を書き表した

一つの文字体系にすぎない、ということ。


(私はいわゆる「梵字」は門外漢なので、最初の質問の答えは「できません」)


長くなりそうなので、続きは次回。

日本独特の梵字文化が育った背景について書きます


追記:


梵字とサンスクリット文字の関係や

インドの言語分布図などが載ってます↓

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