綾子はさらに話を続けました。
昌昭さんが前に、死神は普通の人間に見えるとブログに書いていたから知識として知ってはいたけど実際に見ると確かにどこにでもいるオバサンに見えたわ。
その死神と死んだ御婆さんの会話が聴こえたのよ。
死神が御婆さんに、あんたは死んだんだよ、今から三途の川へ行くんだよ。
そう言うと御婆さんは拒否しました。
私はあの女に殺されたんだよ。
復讐してからあの世へ行きたいんだよ。
すると死神は冷たい視線を向けて言いました。
このまま三途の川へ行けば天国へ行ける可能性があるけど、復讐してからだと間違いなく地獄行きだよ。
死神が念を押しました。
御婆さんは、構わないよ。復讐さえできれば地獄でも宇宙でも行ってやるよ。
私はその会話を聴いて背筋が寒くなったのよ。
その日の勤務が終わって、陽子が家に帰ったら、飼い猫が腹を裂かれて死んでいたそうです。
御婆さんの復讐が始まりました。
この後、陽子の周りは災難続きでした。
家にダンプカーが突っ込んだり、兄夫婦の家が放火されたりしていました。
本当に憎い時には周りを不幸にして最後に本人に来る事があります。
今回もそのパターンでした。