大転換する日本のエネルギー源
脱原発。
天然ガス発電へ
by 石井彰
太陽光発電だとか風力発電だとか、頭が悪いか利権に絡め取られた人たちだけが推進しようとしている冗談はいい加減にして、もっとまじめに大本命中の大本命の天然ガスの話をしようという、至極真っ当な1冊。
天然ガスはコストが安いし、埋蔵量は豊富(どんどん増えてる)だし、地政学リスクにほとんど影響を受けないし、有害物質の排出も少ない。
僕がこのブログで散々主張してきたのと同じことを、プロの視点から精緻に解説してくれている。
それから、まったくどうでもいいことだけど、CO2の排出が少ないことも説明している。
で、この本で僕が学んだのは、天然ガス発電は廃熱の有効活用、つまりコージェネにも優れて有効だということ。
発電と廃熱利用で、やりようによってはエネルギー効率を90%超にまで高めることができる。
逆に言えば、それだけ省エネが可能だということ。
3・11以降、省エネや節電は、需要サイドではもうやり過ぎというとこまで進められてきたけど、供給サイドの省エネはまだまだ余地が残されているということ。
本文中から引用するなら、「実は省エネルギーこそが、再生可能エネルギーの導入以上に有望」ということになる。
そして、供給側の省エネというのは、すなわち天然ガス発電+ガスコージェネだということ。
正直、僕はエネルギー供給というのはそこまでタイトにコントロールするんではなく、かなり余力を残した形の設計にしないといけないと想っている。
でないと、3・11後みたいな電力不足、ガソリン不足を繰り返すことになってしまう。
だけど、考え方のキャパとして、廃熱利用まで考えたエネルギー政策を知っておくことは、僕にとってマイナスではない。
素直な気持ちで学ばせてもらったよ。