日本の首相が世論に推されて決まった例はあまり多くなく、小泉純一郎以前には田中角栄と、まあせいぜい細川護煕ぐらいのものだろう。
小泉首相は、数少ない世論に支えられた首相だ。
世論は当然、小泉純一郎という政治家の拠って立つ政治信条をも支持していることだろう。
彼の出身派閥である森派の始祖は、その政治生命を賭して安保を通した岸信介だ。
40数年来、日米軍事同盟の精神を脈々と受け継いでいる。
領袖は「日本は天皇を中心とした神の国」とまでのたまう。
そんな派閥のNo.2が首相になったら、どれほどに日米同盟を重視するのか、当然世論は承知していたことだろう。
知らなかった、というバカげた言い訳は通用しない。
最近の世論調査とは裏腹に、世論は小泉首相誕生の時点で日米同盟重視の政策を、間接的とはいえ支持していたと言われてもしょうがない。