今日も、シアトルからお届けします。
Yukakoです。
このブログ、
レニア山の話はよくするけど、
富士山
に登った時の話もしたいと思います![]()
日本にいたときは富士山って眺めるためのもので、登るっていう感覚がまったくなかったんだけど、
一度はやってみたいと思っていた富士登山に帰国した際に挑戦した時の話です。
ぎりぎりまで計画を立てなかったせいか、体育会系の友達を誘ってはみたのものの全員に断られ、
それでも一歳でも若いうちにやっておいたほうがいいとの経験者からのアドバイスで、
一人でも行こうとバスツアーに申し込みをしていましたが、
出発3日前になって、Mちゃんが会社のお休みが取れたので参加しますと言ってくれて同行者もできました!
とは言っても、
このために特別なトレーニングをしたわけでもなし。。。
どのガイドブックにも初心者でも登れると書いてあるのを信じ、みんなにできるんだった私にもできるかなあ位の軽い気持ちでの挑戦![]()
経験者の義兄さんの道具を全部借りて前日夜に初めてバックパックをかついでみて、自分の決断の重さに気がつく。。
こんな重い荷物かついで日本一高い山を自分で登れるのかしら? ???
一度やってみたいと思ったらやらないと気がすまないたちなのは自分が一番よく知ってる。。
山の天気は変わりやすいと言われるように、
ぜったい雨
が一回は降ると思ってた方がいいよと登山経験者に言われましたが、
私たちは一度も雨に降られることなく、
Mちゃんの
“私、晴れ女
なんです”
予言通り、ラッキーにも2日間快晴だったのであります。
富士山登山にはいくつかのルートがあるようですが、
ほとんどのバスツアーは山小屋の多い吉田ルート。

私たちもバスでスバルライン5合目まで行き、吉田ルート口へ向かいます。
金曜日の平日だったので、バスが早く着き、午前11時の出発となりました。
一人で参加の予定だったので、
間違いのないようにと全日程ガイド付きツアーに参加したのですが、
私たちのガイドさんは、年の頃で言うと60歳位のベテラン・マウンテンガイドさんでとっても頼もしい。
体力のない人は遠慮しがちで団体の後ろのほうを歩きたがるけど、そうするとどんどん遅れてしまうので、
遅い人は特に先頭のガイドさんと一緒に歩くほうがいいそう。
私たちもなるべく前のほうを歩くよう心がける。
ゆっくりとしたペースで歩いてくれて、30分歩くごとに休憩を入れてくれる。
休憩も短過ぎず、長過ぎず。これがガイドさんなしだったら、いつまでも休憩して前に全然進まないはず。
休みすぎるとかえっていけないのだ
5合目から6合目までですでに、老夫婦と娘さんの3人グループのお母さんが遅れだした。
ガイドさんが話をして、7合目までは絶対行くとのこと。
富士山は7合目まで登れば雲海の上に出るのでそこからご来光が見られるはず。
6合目を超えるとかなり岩場になってきて厳しい。

やっと7合目まで来て、先ほどの老夫婦はここの山小屋に泊まることに。娘さんは果敢にも一人で頂上を目指す。
25人いたツアー客がこれで23人に。
7合目を過ぎたあたりから息がだいぶ苦しくなってきたのがわかる。
これが耳が痛いほど聞かされていた高山病であろう。
経験者の友達からもらった携帯酸素を取り出しておもいっきり吸い込むとちょっと違うような気がする。。
こんなの本当にいるかしらと思っていたけどやっぱり持ってきてよかった。
その後はヨガで鍛えた腹式呼吸を心がけ、Deepな呼吸をし続けた。
この辺になると、
- 子供連れの家族や、
- 見た目若そうだけど普段不摂生してそうなタクシーの運ちゃんとか、
遅れている人が決まってくる。
だけど、
さすが富士山なんかに登ろうなんて思ってやってくる人たち、体育会系が多いせいか、助け合い精神が強い。
別に来ていた男の子達が遅れてる人の荷物を持ってあげたり、遅れて着いた人にねぎらいの言葉の嵐。

私と一緒のMちゃんも、とってもフレンドリーで誰とでも仲良くなれちゃうタイプでみんなに話しかけたりしてる。
これだったら本当に一人で来てても大丈夫だったかもね。
私は自分が担ぐのが大変だからと極力要らないものは持っていかないと、食べ物もあんまり持っていかなかったんだけど、
Mちゃんの荷物は私の倍は重たいんじゃないかと思われるくらいのリュック。
一体何が入ってるんだろうなあと思いきや、
Mちゃんがくれたチョコレートやクッキーでどれだけ私は助けられたであろうか。
ガイドブックに載ってるのはやっぱり本当で、登山中に一番欲しくなるのは飴だったらキャラメルとか、チョコとか、とにかく甘いもの。
最近流行のパワージェルなんかもいい。
ジェル系はなんといっても口に入りやすいので食べやすい。カロリーメイトなんかはどうしてものどが渇いてしまう。
水分も、ただの水よりはポカリスウェットみたいに味がついてるほうがおいしく飲める。
そして私達は出発から約6時間後の午後5時に、本八合目の本日の私たちの宿トモエ館に到着したのでありました。
この山小屋についてもいろんな話は事前に聞いてはいたのですが、
到着後最初に通された寝室。
2段になってて、せまーい所に6人づつの割り当て。
枕の位置からすると、寝返りも打てないくらいのせまさ。しかも右側はMちゃんだけど、左は全然知らない人と隣り合わせ。
私たちの隣は子供連れの家族。
2人が子供だから小さくていいかなあと思っていたら、これがなんとお父さんだけかと思ったら家族全員いびきをかく人たちでありました。。
いびきって遺伝なんだね![]()
おかげでこっちはあんまりよく眠れなかった。。。
(耳栓もっていくべきだったわ。 )
定番のカレーを夕飯に食べて、7時にはみんな眠りにつく。

5時にここに来るまでずっと登りの為、ジャケットを着ることもなく半そでを通した私でしたが、夜はやっぱり寒いかなあと思い上も下も重ね着で寝たら、びっちりつめこまれた寝室、人が多くて暑すぎで起きたのが午後9時過ぎ。(9時が山小屋の消灯時間)
水が飲みたくて、知らない人の顔の上をまたぎながらやっとの思いで外に出ると、隣のセクションの女の子も地べたに座り込んで赤い顔しながら水飲んでました![]()
テントを自分でかついで登らないでいいのはうれしいけど、この山小屋、トイレも外だし、ちょっと厳しいものがありました。 。。。
次の日の朝はご来光を頂上で見るため午前1時半の出発。
1時にはみんな起きて、トイレの順番を待って準備万端。
起きたばっかりはまだ体の中が循環してないので、頭痛がするという人も多かった。
私も呼吸が整っていない。
このツアーのいい所は、この山小屋にまた戻ってくるので自分の荷物をここに置いたままにして頂上までいけること。
荷物がなかったらかなり楽である。
私はヘッドランプをつけて、カメラと水一本だけ持って出発。
昨日途中まで一緒だった関西からのツアーの人は、7合目で泊まって、出発が午後11時(まだ同じ日)だそうで、しかも7合目は上り口と降り口が一緒じゃないので、荷物も持っていかないと行けない。
私としては、今日中に上がれるところまであがってしまうと言うスケジュールのほうが楽だと思う。
昨日最後まで大変そうにしていたタクシーの運ちゃんは山小屋で待ってることに。これでツアー22人になる。
これもどのガイドにも書いてあったけど、
富士山頂では平地と比べて20度近くも低くなり、山風も吹くのでほとんど冬山に行くような防寒準備が必要である。
昨日は1日Tシャツでいた私も、今朝は持ってる洋服を全部着て外に出る。
朝早いとは言え、たくさんの人が歩いているので各自がつけてるヘッドランプで足元は見える。
うわさに聞いていたほどの山頂渋滞はない。逆にちょっとくらい止まってくれたほうが休めてよかったわ。
9合目を超えるとかなり空気が薄いのが感じられる。急な階段が続くので昨日からの足の負担でかなりつらい。
でも、ここまで来て頂上に行かないなんて信じられないので、地を這ってでも行きたい!
実際、あの人倒れちゃうんじゃないかと思うような人が、ハイキング・ポールにしがみついて登ってるのを何人も見た。
約2時間後の午前4時ちょっと前に山頂に到着!
あたりはまだ真っ暗。
私達はすでにオプショナルのお鉢めぐりツアーに参加を希望していました。
お鉢めぐりというのは、富士山頂は中央火口がクレーターのようにへこんでいて、上空から眺めるとまるですり鉢のような形をしていてその鉢の縁には8つのピークがあり、このピークに沿った周回路を、火口を中心に回ること。
一周にかかるのは約一時間半、
ガイドさんの売りは、この中の剣ヶ峰が、富士山の本当の最高地点3776メートルになるそうで、
ここに行かなければ、富士山100%登頂とはいえないとのこと。
ご来光が目的の人は、7,8合目でも十分に見ることができるので山頂にこだわることはないとは思うのだけど、私もMちゃんも、ここまで来たんだからとやる気満々。
ここで女の子3人組が離脱。お鉢めぐりには行かないで、ここにいるとのこと。まだ日の出まで1時間近くある。
私はお鉢めぐりは火口の周りを歩くので、明るくなってから行くのかとばかり思っていたら、真っ暗な中を私達はまた歩き出す。
よく見えないけど、火口口近くなので風が強い。
ときどきガイドさんが、
“左側はがけっぷちです。落ちないでください。落ちても助けに行けませんよ”
とか言うんだけど、ほんと真っ暗で見えないのでそんなに怖くなかったのは良かったかも(私、高所恐怖症
)
もちろんみんな十分に気をつけて歩いてました。
途中富士山頂郵便局(すでに8月20日で閉まっていた)を通り、
最高地点の剣ヶ峰に行き、(この峰の目の前が最後の急な上り坂で、ここまで来てもう一人脱落。彼女は私達が降りてくるまで待ってました。)
ガイドさんの内緒のご来光スポットに到着が日の出時間の約10分前。

時間的に全部見て回れたパーフェクトなスケジュール~
さすがベテランガイドさん。
一生忘れることのできないくらいきれいなご来光を眺めて、
残りのお鉢めぐりに歩き出したときにはもう回りは明るく、火口口も拝め、こんな所を歩いてたんだと初めて気がつく。

影富士
その後急いで宿に戻り、朝ごはんを食べて荷物をまとめ、下山になる。これが午前7時。
8合目までみんなで一緒に降り、その後は解散して自分のペースで降りる。
登りは意外と順調に来ていた私ですが、下山でかなりつらくなる。
Mちゃんはとってもリズミカルに簡単に降りるのだが、私の場合は体重が重すぎるせいか、それともハイカットの靴のほうがいいと言われて姉の靴を借りて履いてるせいか、膝と両小指がつぶれたように痛い。
(やっぱり自分の履きなれた靴じゃないとだめね。)
その状態でかなり急なじゃりじゃり砂道を降りるのは大変。
登山よりも下山の方が私の場合は倍つらかったです。
これは本当の話。
7合目と5合目の間には馬がいて、ウン万円
で乗せてくれます。
もしもお金に糸目をつけない身分だったら、間違いなく乗ってたところだったわ。。。

やっと5合目に戻ってきたときには、一度座ったら、もう立ち上がることができないと本気で思ったくらい足が棒になっていました。
11時半にバスが来て、私達は富士山を後にしたのでした。
私たちのガイドさんは、今日到着した12時半出発の新しいツアーのガイドをもう一回やると、お風呂にも入らず、とんぼ返りでまた頂上目指して出発していきました。
今日のツアーは43人もいるそうです。
バスツアーのもう一つの良さは、帰りに温泉がついてること!
山小屋にはお風呂どころか歯を磨くところもない。。
なので誰もがこの温泉を夢見ていたのでした。。
富士山帰りの客を入れてくれる(汚そう)温泉なんて、どんな温泉かしらと思っていたら、
なんと私達が昨晩泊まった本八合目のトモエ館と同じオーナー経営の温泉だそうで、きっとツアー会社と契約になっているのね。
でもとってもきれいな所で、お風呂は昨日からの汚れと疲れを落としてくれたのでした。
あ~、日本人で良かったっていう一瞬でした。
世界遺産に登録された富士山
確かに、みんな自分のごみは自分で持ち帰るとか、トイレをきれいにするとか努力してるみたいだけど、
私に言わせれば、富士山の良さは、
日本最高の山を登りきった自分への満足感と、登ったことによって見れるご来光や雲海、青い空の美しさ。なので、実際の富士山は、あまり関係がないといえば関係がない。。。
って言っちゃうと
果たして世界遺産に値するかどうか。。。はちょっとわかりませんが、
最後に、一緒に行ってくれたMちゃんに感謝。
やっぱり誰かと一緒だと助け合えるし、励ましあえるし、心強かった。
また一緒に冒険しようね!
ハッピー・Climbing 日本の宝、富士山!

