伊仏独西語の「rとl」「vとb」は英語ほどは判別困難ではない。(第2外国語への手引き 第40回) | Prof_Hiroyukiの語学・検定・歴史談義

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<本記事を引用された場合、その旨を御連絡頂けると有り難いです。>

「フランス語の疑問詞の位置」以来http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10692431172.html の第2外国語の手引きです。※なお、EURO24の4か国語につきましてはhttp://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10511779441.html にも説明があります。


(1)英語では判別困難な「rとl」ですが・・・。

日本語話者にとっては判別困難な英語の子音としては「rとl」が代表として挙げられます。

ところが、EURO24の4外国語のうちで「イタリア・ドイツ・フランス語」では区別はそれほど困難でもありません。

それは、特にrの発音が英語とは異なるからなのです。


<イタリア語の"r">

多くのイタリア人は「巻き舌のr」です。明らかに"l"との区別は易しいですし、日本語話者にとっても発音はそれほど難しくはないでしょう。(とは申しましても、EURO24内ではナビゲーターの萬田久子さんはかなり苦労されていましたが・・・。)


<ドイツ語の"r">

以前は「巻き舌のr」の話者も居て、年配のドイツ語の先生からは巻き舌で教わったのですが、今や喉の奥(のどちんこ)を震わして発音するのが普通です。日本人には「ガ」に近い音かもしれません。


<フランス語の"r">

可成り特殊な音なので、明らかに"l"との区別は易しいです。但し、三者の中ではこれがもっとも発音が難しいかもしれません。

舌を口の奥の「天井」に「付くか付かないか」のところまで持ち上げて息を出します。日本人には「ハ行」に近い音になります。


なお、フランス語が話せるかどうかはこの発音が出来るかどうかに掛かっていると言っても過言ではありません:

以前に本ブログで紹介した英国視察記http://ameblo.jp/prof-hiroyuki/entry-10523036456.html での会話

"Je voudrais parler a` mousieur K!"

などは、「ジュ・ヴ・ドゥパハレ・ア・・・・」に近い音で発音しました。

日本語話者が学習の初期過程で面を喰らうと言われる丁寧な命令形"Regardez!"(見て下さい!)も些か強引ではありますが「ギャデ!」に近いです。

※読者様のブログ「南西フランス田舎暮らし」では、「ホギャハデ!」で通じると記されていました。御参考までに。

この様な有り様ですから、発音は難しい点があるにしても、「rとl」とを聞き間違える事はまずありません。


(2)スペイン語では、英語で判別困難な「bとv」の区別が有りません

<スペイン語>

一方で、スペイン語ではrとrr(巻き舌のr)との区別が有りますので、rとlとの発音は英語程度にしっかりと認識出来ていなければなりません


そこは大変なのですが、幸いと申しますか・・・「bとv」に差がありません

vもbも[b]の音で良いのです。これらも日本人にとっては区別しにくい音でしたね。


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「rとl」「vとb」・・・日本語話者にとっては厄介ですが、これらが英語を学ぶ際に特有である事は認識頂けたと思います。

その代わり、フランス語の"r"程では無いにしましても、「新しい子音」はマスターする必要は有りそうです。