在宅患者と信頼関係を直ぐに築いた新人③ | 薬剤師の在宅医療奮闘記

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患者さんを助けるのは医師、看護師やケアマネージャーだけではありません。
薬物治療の担い手、薬剤師の活動を報告します。

はいっ!どーもっ!!

 

子連れで勉強会に参加して

 

ビックリされた、あらいぐまです!

 

 

今回は、新人薬剤師奮闘記第3弾

 

在宅患者と信頼関係を直ぐに築いた新人薬剤師③を

 

お届けします。

 

 

第1弾と第2弾を読んでない方は

 

まず、こちらからご覧ください

 

☆第1弾☆ ☆第2弾☆

 

 

 

さて今回は、

 

『あらいぐまさん、何か最近患者さんの

食欲がなくなってきて、元気ないんですよ。

少し心配で、どうしたらいいですかね?』

※8~10月ぐらいの出来事

 

と新人ちゃんから連絡が入りました。

 

 

いやいや、自分で考えなよ

 

 

と心に想いながら、

 

そこは良い先輩ぶることにしました。

 

 

まず、処方内容をチェックしてもらいます!

 

ラベプラゾール(10) 1錠 朝食後

ベタヒスチンメシル(6) 2錠 朝夕食後

ジフェニドール(25) 2錠 朝夕食後

クエン酸第一鉄Na(50) 2錠 夕食後

ゾルピデム(5) 2錠 寝る前

酸化マグネシウム錠(330) 3錠 朝夕食後

ベシケア(5) 1錠 朝食後

アデホスコーワ顆粒 2g 朝夕食後

ツムラ五苓散 5g 朝夕食後

 

 

さてさて、どこから手をつけようか?

 

 

ちなみに、経験則で薬の副作用による

 

食欲不振ではないと思っていましたが、

 

頑張って色々調べてもらいました。

 

 

さて、どんな評価をしたのか聞いてみると

 

ベタヒスチンメシル錠のH3受容体遮断による

 

副作用が考えられます!

 

おっ!薬剤師っぽい回答!!

 

その他にもA4用紙いっぱいに色々思いつくことを

 

書き込んでいました!

 

 

やるな新人薬剤師っ!

 

 

書いてあることについて、

 

全て可能性は否定出来ませんが

 

きっと、今回の事例には当てはまらないのだろうなと・・・。

 

頑張ったのにごめんね

 

 

あらいぐま『薬の他に何か思い当たることある?』

 

新人ちゃん『何ですかね~』

 

 

時間も惜しかったので端的に

 

『今回の事例は気候によるものと

 

水分不足が原因だと思うよ』

 

 

それを言っちゃーお仕舞だよ

 

と怒られそうな回答ですが、

 

 

生活環境や普段の水分摂取量を考えると

 

熱中症や脱水症状がいつ現れても

 

おかしくない状況でした。

 

 

そこで、

 

訪問時に水分摂取量を確認する様指示しました。

 

 

すると、

 

1日コップ2杯の水と500mlペットボトルのジュースを

 

飲んでいることが分かりました。

 

 

しかしながら、

 

毎日しっかり約1000mlの

 

水分が摂れているとは思えませんでした。

 

これでも夏場の水分量としては足りないし・・・。

 

 

何故なら、

 

足腰が弱っているため、

 

室内の移動もあまりせず、

 

居間で座っていることが多く

 

数日間放置しているであろう

 

飲料水の残骸を何度か確認していたので

 

1日の水分摂取量は1000mlを

 

切っているに違いないと判断しました!

 

 

なので、

 

新人ちゃんには、

 

熱中症や脱水症状にならないように

 

水分量について、しっかり説明する様お願いしました。

 

 

後日談ですが、

 

新人ちゃんの水分量指導後、

 

近所に買い物に行ったり、

 

食事量が徐々に増えていった様子でした。

 

 

いや~良かった、良かった。

 

 

 

 

今回思ったことは、

 

薬剤師は薬について、

 

一生懸命調べたりしますが

 

患者さんの状態を

 

多角的に捉え分析する能力が

 

磨き切れてないのかも知れないと・・・

 

 

新人ちゃんには沢山経験を積んでもらって

 

逆に色々教えてもらえるようにしたいなと

 

思う今日この頃でした。