ホクナリンテープは後発品と使い分けが必要!! | 薬剤師の在宅医療奮闘記

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患者さんを助けるのは医師、看護師やケアマネージャーだけではありません。
薬物治療の担い手、薬剤師の活動を報告します。

同じなようで同じではない
先発品と後発品を比べるのが重要だと思う
あらいぐまです!!


え~
保険薬剤師として勤務してますので、
国の財政のことを考え、後発品を推奨しています。

しかし、
むやみやたらに後発品に変更するのはナンセンスで
ちゃんと各製品の特性を踏まえて変えるべきとこは変え
変えない所は、理由をハッキリ説明出来るようにしとります。

これぞ薬剤師PRIDE

っで!!
今回はホクナリンテープについて話したいと思います。

喘息治療に用いられる貼付剤のツロブテロールですが、
主薬の特許が切れても、
製剤技術の特許が切れていない為、
先発品のホクナリンテープと同等の効果がある
ツロブテロール貼付剤は、この世にありません。

さて、
この製剤技術の特許とはなんぞや
ということで、ご説明いたします。

っと、
その前に貼付剤の話をする時に
押さえておかないといけないことがありまして、
それは貼付剤の型として、

リザーバー型
マトリックス型があるということ

リザーバー型は皮膚との間に穴の開いた「ふるい」があって
薬が通り抜けていくイメージです。

マトリックス型はというと、
ゲル状の基剤(マトリックス)に薬物が分散していて、
薬物が拡散して皮膚に入っていくイメージです。
極端な言い方をすれば、軟膏を貼付剤に詰め込んでる感じです。

因みにホクナリンテープはマトリックス型の貼付剤です。
但しホクナリンテープは、
ただのマトリックス型貼付剤ではありません

ここでやっと出てくる特許技術

その名も

「結晶レジボアシステム」
結晶レジボアシステム

アボット・マルホHPより

ホクナリンテープは、主薬が結晶型と分子型という
2つの形で分散しています。

図を簡単に説明すると
まず分子型が経皮吸収され
結晶型が徐々に分子型となり経皮吸収されていきます。

つまり、分子型で存在する薬物濃度が一定になります。

本来マトリックス型は主薬が高濃度分子型で分散しているので、
勢いよく吸収されてしまい
当然、血中濃度も勢いよく上がり
動悸や振戦といった副作用が出てきてしまいます。

結晶レジボアシステムは皮膚への移行がある程度一定になり
血中濃度の立ち上がりも緩やかで持続時間も長くなります。

さらに、
高齢者やアトピー性皮膚炎など
皮膚トラブルがある方に対して、
通常のマトリックス型貼付剤だと
吸収性や吸収スピードが変化してしまうところ
結晶レジボアシステムでは、
その問題を緩和出来るそうです。

当たり前ですが、この結晶レジボアシステムは
特許技術なので、ホクナリンテープにしか採用されていません。

つまり後発品を使用した場合、
貼付後、一気に血中濃度が上がり、
動悸やら振戦やらがドッカンドッカン出てしまう可能性があります。

しかし、逆転の発想で
即効性を期待して後発品を使うというのもありだと思います。

まぁ薬剤師として
患者さんの状態をしっかりアセスメントして
最適な薬剤を選定してあげることが
大切だと思います。

わたしの場合、高齢者の在宅医療がメインなので
ホクナリンテープ推しです(笑)


後発品選びは薬剤師の仕事です!
ちゃんと薬物動態まで把握して選定しましょう。


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