薬剤師による在宅医療の普及を目指して
日々、奮闘している
あらいぐまです。
今回は、施設在宅におけるとある施設の
居宅療養管理指導算定までの道のりを書いていきます。
現在、私が受け持っている
介護付き有料老人ホームとグループホームは
2012年の春から雄飛堂薬局が担当しています。
しかし、2012年当初の担当者は、
介護保険の利用方法などを理解していなかった為に、
ずっと、外来扱いで対応していました。
つまり、
本来、介護保険を利用して
居宅療養管理指導(350単位)を算定出来たのにも関わらず、
医療保険の薬剤服用歴管理指導料(41点)を算定していました。
※2014年改正により現在は352単位となっています。
※1単位 = 10円(地域差あり) ※1点 = 10円
この時のサービス内容としましては、
・服薬指導
・在診同行
・施設へ配薬
・緊急対応
え~、
医師からの居宅療養管理指導指示も頂いてましたし、
普通に居宅療養管理指導算定出来るレベルの
サービス提供内容です・・・。
知らないことは罪である
とは、正にこの事です。
患者さんにとって料金が安くすんでいるからいいのでは?
介護保険の財源が減らなくていいじゃない!
と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、
やったことに対する正当な対価を頂くことは
至極真っ当なことです。
居宅療養管理指導の算定要件を
しっかり満たすサービス提供を行い対価を頂く、
そして、得た対価を元手に
より良いサービスを提供していく
これが薬物治療を司る薬剤師の責務です。
そんなわけで、2013年秋
この施設の担当となり、居宅療養管理指導算定に向けて
患者さん、患者さんの家族、施設関係者との
戦いが始まりました・・・。
月2回の処方箋発行でしたので、
患者さんの支払いは
管理料についていえば、80円/月でした。
これを居宅療養管理指導算定に切り替えると
700円/月となり、
単純に620円/月の負担増となります。
今までと同じサービス内容では、
誰1人として納得しないことは明白でした。
しかしながら、
今やっていることは
居宅療養管理指導算定要件を満たす
適正なサービス提供
これ以上、どないせいっ
って感じでした・・・。
もう八方塞だったので、
まず、現状を把握しようと思い
お薬の管理方法、与薬方法
スタッフさんのマンパワー状況など
色々と聞き取りをしました。
まずは管理方法
有料老人ホームについては、
与薬専用ケースに施設看護師さんが
2日分セットしていました。
まぁ概ね問題ないですが、
看護師さんから3~4日分セット出来れば、
連休とか取れるのに・・・。
とのお言葉を頂きました。
グループホームについては、
食事の始まる前(数時間前)に全員のお薬を
1つのお薬カレンダー(冷蔵庫横に固定)にセットしていました。
こちらは毎食ごとにセットする作業があり、
さらに1つのお薬カレンダーに全員分の薬が
セットされていることに
一抹の不安が過ぎりました・・・。
案の定、常勤ケアワーカーさんより
非常勤のケアワーカーもいて、
お薬カレンダーにセットする際の
入れ間違いがあったりして誤薬しそうに
なったりすることがあるんです。
とのこと・・・。
う~ん・・・
管理方法については、
もっと改善できることがありそうですな
次に与薬方法
有料老人ホームについては、
与薬専用ケースを食堂に運び
食事の際に名前と用法を確認して、
患者さんに服用させているとのこと
グループホームはというと
お薬カレンダーと患者さんの間を行き来して
服用させているとのこと。
何度も往復することになるので、
効率が悪い印象を受けました。
最後にマンパワー
どちらも決して不足してはいないですが、
患者さんの状態、対応状況によって
マンパワーが足りなくなる時間帯が
あるようでした。
まぁこれは何処の施設でも一緒ですが・・・。
話を聞いてみると
まだまだ改善できること、お手伝いできることが
あることに気付きました。
まず、管理方法
これは、どちらについても与薬直前までのセットを
薬局でやるっ!!
答えは簡単でした。
むしろ、薬剤管理業務は薬剤師の仕事ですので
当たり前なことを当たり前にするだけですが・・・。
続いて与薬方法
有料老人ホームについては問題ないですが、
グループホームについては非効率的なので、
持ち運びないし取り外し出来る様なものに
セットしたらいいと判断しました。
マンパワーについては、
上記2点により負担が減って
多少のゆとりが出来はずです。
さて、これらをどのような方法で解決し、
どのように提案するかが問題です。
そこは、在宅医療一筋8年
う~ん一桁だとぱっとしない・・・。
の経験がものを言います。
その内容は長くなってしまうので
居宅療養管理指導算定までの道のり②で
お伝えいたします。
こう、ご期待
