洋書そるど市2024 ①:波瀾の幕開け | DVD放浪記

洋書そるど市2024 ①:波瀾の幕開け

7日日曜日。体調は万全ではないが、私は意を決して “風雲OAZO 城” へと向かった! 

 

 

 

 

 

 

ほんとうは、昨日の “洋書そるど市” 初日に駆けつけたかったのだけれど、なによりも体調が優先、大事をとって見送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

だが、過去の状況を振り返ると、この “洋書そるど市” で商品の大幅な追加補充は望み薄と思われる。とすれば、すでに初日で勝負は終わっているのではないか?

閑古鳥が鳴いていた昨年

 

 

 

ただ、9日にはなにがなんでも電車を乗り継いで大学病院へ行かねばならない。今日はその予行演習でもあるのだ……ということにしておこう。(^^;

 

 

 

 

 

 

いざ、4階の会場になだれ込むと……あちゃぁ、デジャブか。(>_<)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜日の朝9時40分はやっぱり早すぎるということなのか? (^^;

 

とりあえずペーパーバックの箱を(壁に向かって左端から順に)あらためていくことにする。

 

テーブル上にすき間なく置かれたプラスチックケースは、どれも背のタイトル上にした本で下一段が埋め尽くされ、それらの半分ちかくを隠すように他の本が上に積み重ねられていた。私が見たかぎりでは、このコーナーのペーパーバックはどれも従来どおり550円(税込)だった。

 

早速目についたのが、アーサー・C・クラークの Against the Fall of Night 。後に長編『都市と星』として改稿された中編である。初期の創元推理文庫に『銀河帝国の崩壊』のタイトルで収められていたが、今日古書店でもあまり見かけなくなってきている。

 

 

 

 

 

 

 

実は、この Against the Fall of Night にはさらに「コマーレのライオン」(The Lion of Comarre )というパラレルな関係にある作品があるのだけれど、それはもう別の話だ。

 

 

古典的な密室ものの推理小説なら、たとえば、ガストン・ルルーの『黄色い部屋の謎』の英訳本 The Mystery of the Yellow Room があったけれど、このDover 版は例によって文字が小さい。(^^; 人によっては、文字サイズを調整できる電子版を探すほうが賢明かもしれない。

 

また、村上龍中村文則ら現代日本作家の英訳本もあったものの、数はそう多くなかったように思う。

 

ちなみに、国産コミックの英語版はごくわずかで、それも、あちこちの箱に分散していた。初日ですでに売り切れ状態ということか、それとも最初から数はしぼられていたのか?

 

昨年とくらべると全体にイマイチ感があるのだけれど、それは次に述べる私の体調のせいだったかもしれない。それでも、かなり早い段階で個人的に思わぬ収穫があり、今日はその2冊だけで撤収してもかまわないとさえ思っていた。

 

 

 

 

ただ、せっかくここまで来たのだからと、さらに検分を続けようとして突然気分が悪くなってきた。しばらくはケースにもたれかかるようにしていたのだけれど、すぐにもう立っていられなくなってしまったのだ。 (>_<)

 

自分のカゴの中に取りよけた本を確認するフリをしてしゃがみこんだものの、いっこうに状況は改善しない。

 

私は思い切って(洋書2冊を入れたカゴとともに)会場を出て、フロアの反対側にある “M&C Cafe” へヨロヨロと歩いていった。そして、その店舗前にある(本来は順番待ち用の?)長椅子の隅にどっかと腰を落としてしばらく様子をみることにした。

 

思い当たるのは、熱中症というか脱水症状だった(それとも脳梗塞か?)。何度か救急車を呼んでもらおうかと迷ったけれど、朝起きてからのあれこれを振り返ると、睡眠不足、水分の摂取不足、食べたといえるほどのものを口にしなかった朝食……などが次々に思い浮かんできた。

 

小一時間ほど経過しただろうか。私は残る力をふりしぼってフロア中央にあるレジまで戻り、カゴの中身の支払いを済ませてから、“M&C Cafe” にフラフラと入店した。


真っ先に水をガブ飲みし、メニューを眺めるのも大儀なので、パッと目についた早矢仕オムライスのサラダセットを注文する。頭が正常に働いていなかった証拠だ。ふだんの私なら論外の高額商品なのだから。(^^; 

 

 

 

 

 

 

それでも、先に到着したサラダをおそるおそる食べ始めたころには気分も多少持ち直してきた。

 

 

 

 

 

 

そして、早矢仕オムライスの到着! 味は……まあ、その、ハヤシライスなのだが、ひと口、ふた口と飲み込むうちに、多少元気が戻ってきたような……ってことは、脱水症状に空腹が重なっていただけってことなのか? お茶とスーパーの豆腐小パックとおはぎ一個だけというのは少なかったのかもしれない。(^^;

 

 

 

 

 

 

ま、伝票のことは早く忘れてしまいたい……(^^;

 

 

 

 

では私が今回 “収穫” と呼んでいたものはいったい何だったのか? 世間一般でいう超話題作といった類いのものからはほど遠い、地味な2冊である。

 

まずは、佐野菜見(1983-2023)の『坂本ですが?』英語版の第1巻! 昨年は第2巻以降の3冊しか入手できなかったのだが、これでやっとコンプリートできた!

ホントに悔しかったぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シリーズ本を揃えるなかで1巻だけを欠くことほど悔しいことはないが、オリジナル日本語版のKindle本が614円で販売されている今、いくら英語版とはいえ、1冊に2000円以上も支払うなど私には到底できかねる話である。

 

 

 

 

ということで、結局1冊550円のセール価格で全4巻揃えることができたのは、今回第1巻を箱に突っ込んでくれた担当者さまのおかげです。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 <(_ _)>

 

 

そしてもう1冊が、Judy  BlumeOtherwise Known as Sheila the Great である。こちらは、昨年あの黒田龍之介センセイの紹介文で知って入手した、Tales of a Fourth Grade Nothing に連なるシリーズの1冊である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残念ながら、先に述べた事情から、他の Judy Blume 本を探すだけの気力は残っていなかった。

 

 

 

 

 

でも、これら2冊はどちらも昨年の “洋書そるど市” につながるものばかり。約30000冊と謳われる本のなかからこれらに出逢えたささやかな喜びをかみしめるお子ちゃまジジイなのだった。(^^;