ひたすら文章を書き続ける女性 | DVD放浪記

ひたすら文章を書き続ける女性

昼食を済ませた後、某駅前のドトールに入ってアイスコーヒーを注文し、Kindle を起動してアシモフの『サリーはわが恋人』の最初の3編を読む。それから、一昨日明倫館で200円で拾ってきた林晋の『ゲーデルの謎を解く』(岩波科学ライブラリー6)を読もうとしたところで、左隣にいるアラサー風女性がノートになにやら文章を書き込み続けていることにふと気づく。

 

 

喫茶店で試験勉強中の人が問題集の解答をメモ用紙に書き出していることはよくある。ポメラに向かってなんとか文章をひねり出そうと苦戦中の人もいる。中には、YouTube にでもアップされたものなのか、板書っぽいノートを小窓に表示させながらしきりにレクチャー中とおぼしき講師役(?)の動画をPC上で再生しつつ、その板書の内容を自分のノートに書き写している大学生らしき人物を(隣の席で)目撃したことだってある。

 

だが、この女性は、かたわらにスマホを置いてはいるものの、ごく普通のスパイラル綴じのノートの最上段から行空けもせずひたすら鉛筆で文章を書き込み続けているのだ。途中、ときたま消しゴムを使うことはあっても、書く作業そのものは淀みなく続いていく。チラと盗み見ても、文章の内容は分からないが、箇条書きのような部分はなく、左端から右端までぎっしり文字で埋まっている。それも、ふつうの人なら半ページも書けば少しは休むだろうに、ノンストップでページを次々と埋めていくのである。

 

テープ起こし? いや、それなら、途中ポーズを置くためのボタン操作などで作業を中断する必要があるはずだし、そもそも手書きのノートで納品などありえない話だ! 詩作? とてつもなく冗長な散文が泉のごとく次々湧き上がっているんだろうか? それとも、絶体絶命の締め切りに追われているラノベ作家? たぶん違うだろう。 (^^;

 

私の仮説(妄想):この女性はなにか(たとえば、看護師など)の見習いさんで、その深刻度は不明ながら、ある問題に関わり、その罰として反省文を書かされているのではないか? 左手前に置かれたスマホには、その反省文のオリジナルの文言(例えば、ナイチンゲールの言葉とか)が表示されているけれど、繰り返し書くうちにフレーズ全体を覚えてしまったのでどんどん書き進められるわけだ。いや、ホントかぁ?

 

……などと勝手なことを考えている私だが、はたしてこの “反省文仮説” は当たっているのだろうか? もはや確認のしようもないのだけれど、なんか気になって自分の本がなかなか読み進められないでいるのだ。 (^^;