ひとりになって始めた仕事は


主人が生前からお世話になっていた先生に勧めていただいた活動だった。



主人の意志を受けて動くなら


彼を起点にする形でなければならない。



ひとりに戻ったといっても


主人と出会うまでは、元々ひとりだった。



しかし、その間の変化は


生まれ変わったように


全ての常識が覆され


何もかもを失った。



これが最大の主人が与えてくれたものだった。



本当の自分を見つけてくれた彼が


がっかりしないように生きる。



そう思って取り組んでいても


多くの壁にぶつかって


元の常識との間で苦しんだ。



どうして、逝ってしまったの?


どうして、ひとりにしたの?



深夜の雪の降る北陸道で


痛む手と疲れた目を休ませるためにパーキングへと走らせながら


叫んでいた。



やっと到着して車のシートを少し倒して休もうとしたところへ


電話が鳴った。



先生からだった。



『遅いので一言だけ。


ジュンくんから


いつもそばにいる


って』



「ありがとうございます」


・・・



電話を切って


涙を流した。


背中全体を包みこまれたような感じがして


身体中があたたかくなった。




目の前のことに夢中になりすぎていた。


主人を感じていなかった。


いなくなっていたのは


わたし。