【連載企画:かあちゃんが全部教えてくれたこと・・・8】 | What aわんだふるワールド

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がむばるベアーズ:マンセル、グラハムくんの奮闘日記。

【連載企画:かあちゃんが全部教えてくれたこと・・・8】


折り返しを向かえ、まだまだ書かねばという部分と。

日常生活での追われている部分とで、少々遅れ気味なところの狭間ですが。

今回も長文ですが、お付き合いを・・・。



【止まらなくなってきた、ガンの進攻】


抗がん剤治療も、長年になってきて。

初めは、目に見えないくらいの大きさです。


という医師の話も、だんだん眉唾のような事になり始めた頃に。

大きな疑問と不信感が芽生えてきたのはこの頃からだろうか・・・?



抗がん剤を使い続ける事によって、前にも言ったように。

小さな火の粉を消すための消火活動であると・・・。

だが、投与し続けてもその火の粉が消えるどころか、そのままを維持し続け。

徐々に大きくなろうとしてきてる。



確かに一旦は完全に消滅する事には成功した。

レントゲンからも、血液の中の腫瘍マーカーからもその数値は激減していた。

一旦は完全に打ち勝ったのだ・・・。


だが、長年続けてきた抗がん剤も半年の間だけ休める事にはなったものの。

その半年のブランクが、本当に良かったのか?どうか?

その辺りに未だに拭えない疑問があって・・・。


自分の中では後悔が付きまとうのは、偽らざる心情ではある。



毎週毎週月曜日、朝から自宅から車に乗せて病院へ。

血液検査、診察、抗がん剤投与、そして、帰宅。


この繰り返しが、永遠に続くような・・・。

またその抗がん剤投与の合間の待ち時間が、仕事の合間の休息であって。

自分的にはそこに甘えがあって。

その間に自分の用事を片付ける事ができたのは、他でもなく気持ちの隙間に

できた。ささやかな息抜きになっていた・・・。


でもそれが何時までも続くもの・・・。


そんな錯覚すら感じていたし、それが続くことは=母ちゃんは生きている事に

他ならない証でもある。

事情を知っている親戚も、知り合いも。


今母ちゃんがガンを患っている事すら、感じられないほど。

それはいたって普通な生活をしているからであり、今のところ何の不便もないのだから。



そう、今のところは・・・。



だが、この長きに続いた抗がん剤治療も、ほんの僅かずつだが効き目が薄く

なってきているのは確かだ。


半年毎のCTやレントゲンでも、現状維持~少しの拡大・・・という。

状況が今以上に悪化しない、好転すらしない。


悪い中でも現状を維持している・・・。


そのコトバの意味が、後々になって大きく帰ってくるとは夢にも思わなかった訳で・・・。


医学の発達でもって、初めは有効な抗がん剤もあと、1つか2つ・・・。

と言われていた頃もあった。


しかし、晩年になってきてそれがあと、4つか5つある。

という話を聞いた際には、一瞬の安堵感もあった・・・。


だがそれは、最終手段に近いギリギリな出来事なのであって。



その日常生活を送る上において、何不自由なく生活できるとは限らない。

追い詰められている状況に使う手段だったのは、残念としか言い様にしかない。



しかし、ある程度の大きさに。いわゆる質量の問題だが。


”このガン細胞を外科手術では取り除けないのか?”


この疑問は、何度も聞いた。

だが、決まったように医師の答えは同じだ・・・。



”再発したガンは手術では摘出できない”



本当にそうなんだろうか?

毎日の様に、その疑問が過ぎっている。


病院へ付き添わない、親父も何とかならんのか?と、私に聞くばかり。

親戚、兄弟にも、きちんと説明できるだけの材料がふんだんにある訳でもない。

もちろん医学は全くの素人だし、色々とネットや他文献を調べたところで

めぼしい答えが出てくることも無く。

素人としての限界を常に感じていたし、その限界をどこかで突破できやしないか?

常にその隙間を探っていたことは、忘れないでいて欲しい・・・。



確かに始めの再発は、目に見えない大きさだったかもしれない。

それがはっきりと分かるまでになってきている・・・。ならば!と、思うのも

ムリは無いはずだ。


しかし、あの一言の一辺倒だった。


今だからこそ思うわけではないが、ゴマつぶ位にしか見えなかったあの時点で

何とか切除することはできなかったのか?


素人がわめいたところで、医学を否定している訳ではない。

治療方針に疑いを持っているわけでもない。

ただ単純に思う疑問に対して、はっきりとした答えがその時には返って来ない。


その疑問が解けた時には、母ちゃんの命はあと数日という・・・。

その時まで見えない答えが、分からないままだったのだから・・・。



今やっている治療が、最大かつ最善の方法だったと知ることができたのは。

更にその後の事になるとは、夢にも思っていなかった訳です・・・。